もしかしたら皆さんの中には、今の自分のままでリーダーになれるのか、とお感じの方もおられるかもしれません。自分にはみんなをぐいぐい引っ張っていくような強いリーダーシップなど持ち合わせていない、と思われているかもしれません。
しかし、それでいいと私は思っています。それでもリーダーになれる日が、やがて必ずやってくるからです。
なぜなら、「ついていきたい」とまわりの人が思うように、あなたがなっていたとするならば、みんなに推される形で自然にリーダーに選ばれることになるからです。リーダーになろうとするのではなく、まわりに推されてリーダーになる。私はこれが、理想のリーダーの姿だと思っています。
「ザ・ボディショップ」でも「スターバックス」でも、私が実践していたのは、「オレについてこい」という強烈なリーダーシップでもありませんでしたし、カリスマ的な魅力で部下を引っ張る、といったマネジメントでもありませんでした。そもそもそんなことは、私には無理なことです。
しかし、「誰よりも組織を愛し、みんなのために頑張ろう」と思っているリーダーなら、もしかしたら目指せるのではないか、と思っていました。結果リーダーとして、それなりの実績を上げることができたのです。
私は高校時代に野球部のキャプテンを務めていました。といっても、皆さんがお持ちのイメージと私のそれとは、ずいぶん違っていたことに驚かれると思います。私が野球を本格的にはじめたのは、高校からでした。それでもかなり昔に甲子園の出場経験のある進学校だったので、やはり日々の練習はそれなりに厳しいものでした。
しかも私の場合、中学校には野球部がなく、本格的な野球という意味では未経験者です。最初の頃は球拾いをしただけでバテていました。同級生には、入学してすぐに上級生と一緒にプレーするような人もいました。しかし、私はずっと球拾いをしたり、ブルペンキャッチャーを務めたり、と裏方ばかりをしていました。
高校2年生になっても、それは変わりませんでした。上級生の出ない2軍の試合にも、私は出場できませんでした。それでも私は練習を一所懸命やっていました。野球が好きでたまらなかったし、それがやるべきことだと思っていたからです。
夏の大会で敗退し、新チームになって、自分たちの代のチームが作られることになりました。そこでまず行われたのが、キャプテン選びです。
(次回に続く)