「リーダー」と聞いて、あなたはどんな姿を想像するでしょうか?
生まれつき、強いリーダーシップを持ち、プレゼンテーションも見事で、とにかくオレについてこい、というカリスマ的な雰囲気を漂わせているのがリーダーなのではないか。でも、自分はとてもそんなふうにはなれない……と悩んでいる方もいるかもしれません。 私は、誰でも頑張ればリーダーになれる、と信じています。
私が初めて出版した書籍『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』が、おかげさまで30万部を越える大ベストセラーになり、とても多くの方から反響をいただきました。想定していたビジネスマンの読者層以外にも、部活のキャプテンに選ばれて困っていたという中学生から、エステを開業して初めて人を指導する立場になった50歳代半ばの女性まで、幅広く読んでいただいています。
そういう実際の反響を受けて、それほどリーダーシップというものは、大変多くの人が関心を持っていることであることを実感しました。考えてみると、例えたった2人の組織でも必ずリーダーは必要であり、誰にもリーダーにならなければならない局面があります。
世の中には、生まれつきリーダーになるための才覚を持った人もいますが、私はまったくそうではありません。学生時代を考えても、社会に出てからも、リーダーのタイプとして周囲から見られていたわけでもなかったと思います。しかし、そんな私が、周りの人たちに推されるまま様々な経験をし、気がついたらとうとうスターバックスのCEOにまでなっていたのです。
リーダーや社長になるのは、特別な人たちなのではないか、と思っている人が実は少なくないようです。生まれつき、強いリーダーシップを持ち、プレゼンテーションも見事で、とにかくオレについてこい、というカリスマ的な雰囲気を漂わせているのが、リーダーなのではないか、と。
しかし、そんなことはないのです。
私は、誰でも頑張ればリーダーになれるし、社長にもなれると思っています。なぜなら、私自身がそうだったからです。私自身、必ずしも順調なキャリアだったわけではありませんでした。日産自動車時代には、ソリの合わない上司によって左遷させられ、そこでも納得のいかない評価をされたこともあります。
つまり挫折や苦悩することも、最終的にリーダーになるためには、必要な経験だったと私自身は感じています。
その後、留学制度に応募して、やっとの思いでUCLAに合格するのですが、実際に留学するまでの過程では、ほとんどノイローゼに近い状態にまで精神的に追い込まれました。
思えば、本当に私の20代、30代というのは、挫折と苦難の連続でした。
(次回に続く)