これは、今まで比較的制約のない人生を送ってきて、「理不尽な制約はおかしい」と感じやすいからです。
特にインターネットの普及から、情報として世界のスタンダードな価値観が浸透していることも原因の一つです。
平和の大切さ、人種差別、戦争、暴力の理不尽さなど、世界中の多くの情報から、ものごとを考えられるからだとも言えます。
例えば、今日本ではボランティア活動を行う若者が増えています。特に東日本大震災を契機に年々増えてきました。困っている人たちのことを自分事として捉え、自分ができることで貢献したいと、実際に行動する若者が増えてきていると言えます。
特に重要なのは、「仲間を大切にする意識」がとても大きいという点です。
だからいつでも皆が幸せになるためにできることはないか、と考えます。相手の価値観を受け入れ、何が全体にとって必要なのかを考える傾向があります。
その結果、コミュニケーションにおいて、相手に対する尊重の気持ちが前に出てくるのです。
そのため彼らにとっては「空気を読むこと」が大切なスキルと言えるのです。特に学校では、このスキルがないと、一瞬で仲間はずれになる危険性があります。
このスキルは、実は自分の安全を保つスキルでもあるのです。なので、会議や上司に対して意見を言うことはあまりありません。それよりも、全体の調和を大事にする傾向があるのです。
若手があまり主張しないのは、「上司に迷惑をかけたくない」という気持ちと、「話しかけることで自分の安全を脅かしたくない」という気持ちが同時に内在していることを意味しているのです。
次回に続く