上司は若手に昇進を促したり、リーダーになって欲しいと依頼することで、モチベーションをあげようとします。将来のキャリアアップや、出世すればお金がこれだけもらえると話しても、「そうなんですね~」と気のない返事が返ってくるばかり。投げかけた言葉がまったく響かず困惑する上司が増えています。
あるIT企業で若手リーダーを増やすために、一人の社員にプロジェクトリーダーをお願いしたときの話です。
その社員は困惑した顔で、「私じゃなければダメですか?」と答えたというのです。その後、その社員を説得するのに多くの時間を費やしたそうです。
理由を聞いてみると、「リーダーになると一緒に働いている仲間との関係が崩れる」や「自分にはその力はない」など、ネガティブな理由がたくさん出てきたそうです。
今の若手には、出世やお金よりも大事なものがあるのです。
それは、「自分のプライベート」や「生き方」です。
住むことや食べることで困らない人生を送ってきた若手にとっては、自分の「好きなこと」や、「熱中すること」が何よりも大切です。
特に、自分が「好き」でこれまで時間をかけて熱中してきた分野であればなおさらです。好きなゲーム、ミュージシャンのライブ、恋人と過ごす時間、仲間と過ごす時間、人のために何かできる時間、など大事なものがいくつもあります。
中でもゲームは、自分の好きな世界にどっぷり「はまる」ことができるため、優先順位は上位に位置します。
私も一時期ゲームにはまりました。戦国武将が好きなので、歴史もののオンラインゲームにはまり、何百時間もかけていました。一つ熱中するものができると、そこに時間と労力をかけたいと思うのは誰しも同じことです。
しかも今の時代は、熱中する対象が「多様化」しています。また、価値観の多様化は出世やお金の捉え方にも言えます。
若手にとってお金は、物欲や、自己顕示欲を満たすためのものではありません。「自分のプライベートや、人生を充実させるため」のものなのです。
だからまったくお金がいらないと言うわけではありません。その金額と労力が見合っていれば問題ないのです。その金額を得るためにプライベートや、人生を犠牲にするとなれば、途端にお金に魅力がなくなってしまうということです。