仕事でもプライベートでも、私たち日本人はその勤勉さゆえなのかつい考えすぎてしまうことが多いように思います。しかしそうした日々の悩みは、ほとんどが“考えすぎ”を原因としています。この“考えすぎるクセ”を改善すれば、もっとラクに生きることができるはず……この連載では、「考えすぎずに生き、もっと幸せになる」ための方法を紹介していきます。
自分の〝考えすぎ〟のクセを自覚できても、つい考えすぎてしまうことはあります。無意識に出るのがクセです。「してはいけない、してはいけない」と言い聞かせるのは逆効果です。
悪いクセは出た時に、早めに気づいてそこでやめればいいのです。
〝考えすぎ〟に陥る前に気づいて防止できればベストです。多少〝考えすぎ〟に陥っても、早めに気づいて、「このことを今これ以上考えるのはやめよう」とストップできればいいのです。
自分の〝考えすぎ〟に気づかずに、いつまでも無益な、さらには有害な考えを続けては、考えすぎるほど時間やエネルギーを浪費してしまいます。その間、悩み苦しむことになってしまいます。悪い考えをして、問題を大きくしたり、新たな問題を発生させてしまうこともあります。生活全体に悪影響を及ぼし、悩ましい生活に終始することになってしまうことにもなりかねません。
重要なのはまず第一に、自分の〝考えすぎ〟のクセが出た時に、気づけるようになることです。自分には「こういう〝考えすぎ〟のクセがある」と自覚できれば、少しは気づけるようになれるでしょう。自分の〝考えすぎ〟のパターンを知れば、さらに気づきやすくなります。
「こういうことがあった後に」考えすぎやすいという場合があります。自分が何かミスをしてしまった後、仕事の実績や試験の結果が悪かったとわかった後、人からこういうことを言われた後、ある人と会った後、人とケンカをした後、人と別れた後……。
そういう時に、「今は(××のあとだから、つい思い出してしまうのは)しかたがない。考えすぎないようにしよう」と考えられるといいのです。
「こういう状況の時に」考えすぎやすいという場合もあります。疲れている時、体調が悪い時、朝の寝起き直後、夕方頃、夜ひとりでいる時、花粉症に悩まされている時、特定の季節、環境が変わった時……。
自分の問題を考えすぎてしまったのは、「こういう時のこのクセが出たんだ。今はこのことを考えるのはよそう」のように考えられればいいでしょう。
「このことを考えると」どうしても自分を悪く考えてくよくよしてしまうということもあります。この問題について考えると、このことを思い出すと、この人のことを考えると、将来のこのことについて考えると……。
そのような時にも、「またこのことを考えてしまったからだ」と気づいて、「このことをあまり考えるのはやめよう」と考えられるといいのです。
「こういう時に」「こういうことで」「こんなふうに」考えすぎるというパターンを自覚できれば、それだけ自分の〝考えすぎ〟に気づきやすくなるのです。
もう一つの方法は、気分よく生活するように心がける習慣をつくることです。〝考えすぎ〟になると悩ましい気もちになり、気分が悪くなります。それに気づけるようになれば、その原因が自分の〝考えすぎ〟であることに気づくことができます。
このような努力を続ければ、少しずつ自分の〝考えすぎ〟に気づけることが増えます。また、早めに気づけるようになり、ストップできるようになります。それによって、〝考えすぎ〟の時間が短くなってくるのです。そのうちに、〝考えすぎ〟のクセが出る頻度が減ってくるものです。