過去の自分を振り返る人だけが成功する理由

「3つの視座」がビジネスを成功に導く

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誰しも望む未来があります。しかし、その未来を実現できる人は、ひとにぎりだと考えていませんか? そんなことはありません。未来の自分を変えるヒントは、あなた自身の中にあるのです。過去に「目をつけ」「掘り下げて」「引き出す」。このプロセスの繰り返しが、あなたの未来を大きく変えるのです。ここでは、自分自身を「振り返る」ことで見えてくる、あなたが望む未来の導き出し方を紹介していきます。そう、あなたの過去は宝の山なのです。 

ビジネス上の人間関係を振り返る

人間関係はどこに行ってもつきまとうものです。仕事をすれば職場の人間関係。趣味の世界でも、同好会の中の人間関係。芸事の師弟関係など。

私たちは、人間関係の網からは逃れられません。
多くの人間関係のトラブルは、他人への不平不満を感じ、批判や非難の気持ちから始まります。

「あの人はひどいことをしている」
「彼にひどいことをされた」
「彼女は何もしてくれない」

それは、一つの視座の、狭い視野の中で見えた世界です。
視野を広げ、多様な解釈を受け入れられるような状態になると、見え方が変わってきます。

ビジネスにおける人間関係を振り返るためには、まず自分の視座を体験しつつ、十分に味わったら、上司や同僚の視座を順番に想像していきましょう。
他人の視座を仮想的に体験してみると、視野が狭かったときには想像できなかったことに気づき始めます。視野が広がり見え方が変わると、人の気持ちや隠れていた状況などに気づき、悩みの渦から抜け出すことができます。
ようやく自分を客観視できるようになるからです。
職場の問題は、業務の課題であると決めつけないで、人間関係も考慮に入れて振り返っていきましょう。

ビジネス上の取引関係を振り返る

ビジネスは一人ではできません。必ず取引相手との交渉や交流があります。社内・組織内のみならず、お得意先さまとの間でも人間関係が発生せざるを得ないものです。
取引先との人間関係が良好であれば、ビジネスもうまくいきます。人間関係がうまくいかなければビジネスもうまくいきません。

ビジネスにおいて直接お客さまと接し、交渉したり、やり取りしなければならない人は、ビジネスにおける対外的な人間関係をよく振り返ってみましょう。
もしも今、あまりうまくいっていないのであれば、どんな関係をつくることができたらうまくいくのでしょうか。その理想的な人間関係を検討してみて下さい。
過去の取引における良好な人間関係が、実際にはどうだったのかを振り返ってみましょう。

まず、良好だった瞬間をいくつかピックアップします。書き出してみて、全体を眺めてみましょう。その中から一番良好だったときに意識を振り向けましょう。
次に、関係が良好だったときの、

・自分の視座
・取引相手の視座
・全体俯瞰の視座

を順番に味わっていきましょう。自分から見たその状況。取引相手から見えたその状況。全体を俯瞰して見えた状況。それらを見た後で、気づいたことや感じたことを書き留めます。そこから学べることは何でしょうか。

取引相手との理想的な関係を思い描く

次に、現在の関係と、取引相手との関係が良好だったときを比べてみましょう。現在の自分、取引相手、俯瞰のそれぞれの視座を味わってから比較してみます。
比較して、気づいたことや感じたことを書き留めます。そこから学べることは何でしょうか。

いずれにせよ、これまでのことはこれまでのことです。大事なことは今後どうしたいかです。どんな関係を築きたいのかを考えましょう。
理想的な関係を思い描いてみます。過去の良好な関係と現在の関係との比較から学んだことを参考にして、

・一切の制約をなくして
・自分に都合よく
・しかも、取引相手にとっても都合よく
・このうえなく理想的な関係を
・あそび心をもって

思い描いてみましょう。
ある日、あるとき、ある一秒間、どこに、誰といて、何をしているのか。場面を設定して、そこに自分と取引相手を配置して、その場面を味わいます。
自分の視座、取引相手の視座、全体俯瞰の視座を順番に味わいます。
味わってみて、気づいたことや感じたことを受け止めて、その理想的な未来に向かって一歩でも近づく行動をしていきましょう。

このように過去に学び、未来に活かそうとすれば、過去のよき関係に戻るのではなく、過去から学んだ知恵を活かして新たに良好な関係を、取引相手との間に築くことができます。

新聞を読んだ後の振り返り

毎朝、新聞に目を通すビジネスパーソンは多いと思います。仕事をするうえでの共通認識を日々摂取しているともいえるので、知的な食事のようなものです。最近では、紙の新聞よりもネット上のニュースを閲覧する人の方が多いと聞きます。
紙であっても電子であっても構いませんが、私たちは日々情報に接しますが、同時にどんどん情報を忘れていきます。一昨日の株価など正確に言える人はなかなかいないでしょう。
そういう意味では、新聞やネットニュースを読んでから、振り返りを行いましょう。何を知ったのか、何に興味を引かれたのか、指標となる数値は何だったのか。そういったものを、手帳や携帯デバイスに記録しておきましょう。
エバーノートのような、ネット上の記事をクリップし保存できるアプリなどを使うのもよいでしょう。
振り返りを蓄積していくと、アイデアも生み出しやすくなります。


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プロフィール

藤由達藏
藤由達藏

1991年早稲田大学卒業後、文具・オフィス家具メーカーPLUSに入社。営業職、本部企画職、全プラス労働組合中央執行委員長等を経て、2013年9月に独立。コーチングを核に、各種心理技法や武術、ヘミシンク、労働組合、文芸・美術・音楽創作等の経験を統合し、「気分と視座の転換」を重視した夢実現応援対話技法を確立。2016年9月、株式会社Gonmatusを設立。夢実現応援家®を養成し、全国のビジネスパーソンの夢実現を応援している。

著書

過去の自分を振り返る人だけが成功する理由

過去の自分を振り返る人だけが成功する理由

藤由達藏 /
「過去の自分は宝の山である」をキーワードに、自分自身を振り返ることで、未来...
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