誰しも望む未来があります。しかし、その未来を実現できる人は、ひとにぎりだと考えていませんか? そんなことはありません。未来の自分を変えるヒントは、あなた自身の中にあるのです。過去に「目をつけ」「掘り下げて」「引き出す」。このプロセスの繰り返しが、あなたの未来を大きく変えるのです。ここでは、自分自身を「振り返る」ことで見えてくる、あなたが望む未来の導き出し方を紹介していきます。そう、あなたの過去は宝の山なのです。
現在の行動も、次から次へと過去に変化していきます。現在の習慣を見直していくことも大事な振り返りです。というのも、私たちの考え方や行動は日々の習慣の中に現れているからです。
一日の中で大半の時間を取っている仕事を中心に振り返ることで、新しい習慣を生み出していくことができます。
昨今では「働き方改革」の名の下に、企業も従業員も働き方を考え直そうという気運が高まっています。
十数年前から、ワークライフバランスの適正化という課題もいまだこれといった解決策がないように、働き方を改善しようとしても一概に言えないというのが実情です。
ただし、自分のことだけは、自分が一番よく知り得るという意味で、改革しやすい条件にあるということはいえます。
もちろん、次から次へと仕事をこなすだけでは改善されるはずがありません。まずは振り返ることから始めましょう。
実際、組織的に働き方を改善するプロジェクトを実施する場合、実態調査から始まります。働き方のアンケートと労働状況のサンプリング調査などを組み合わせて、労働実態を把握するのです。
そのうえで、どこにムリ・ムラ・ムダがあるかを調べて対策を立てるわけです。全社的な調査は、時間もコストもかかります。その一方で、自分のために自分の働き方を見直すのであれば、コストも時間もかかりません。
振り返りをすればいいのです。たとえば一週間、毎日振り返りを行い、行動を記録します。一週間で足りなければ一ヶ月間でも構いません。
調査期間を終えたら、その全体を振り返ってみます。
そして、よい点と悪い点を考察し、よい点は増やし、悪い点は減らすために何ができるかを考えます。そして、できることを決めて始めていけば、働き方は改善されていきます。
また、個人であれば、ずっと毎日記録していくという手もあります。そうすれば、特段調査期間など設けずとも、常に振り返り、いつでも修正していくことができます。
ワークライフバランスという言葉は、聞いたことはあるけれど、まともに考えたことはないという方も多いかと思います。
そもそもわかりにくいのは、カタカナだからではないかと思いますが、ワークとライフは果たしてバランスを取るようなものなのかも、はっきりしません。
夢実現応援の対話に引き寄せて考えると、ワークよりもライフの方が大きい概念です。労働と人生といえば、一目瞭然です。人生の中に労働があるのです。バランスをとるという感覚ではないことが明白です。
生活の中で労働をどのように位置づけるのがよいのか。一人ひとりが考え、実践していく。また、それを可能にする国の制度や企業組織の制度が求められているということです。
制度や大きなことを考える前に、私たちにはできることがあります。それが、やはり振り返りです。
人生の中で仕事をどのように位置づけるのがよいのか。それを考えるために、現在の状況を振り返り、分析していきましょう。多くの人にとっては、一日の大半を労働に費やしているはずです。
・生活、または労働の中に「悦び」はあるだろうか?
・生活、または労働の中に「学び」はあるだろうか?
・生活、または労働の中に「達成感」はあるだろうか?
・生活、または労働の中に「人との心の交流」はあるだろうか?
・生活、または労働の中に「労働自体の悦び」はあるだろうか?
そのような観点から、現在の生活と仕事を振り返ってみましょう。そのうえで、理想的な生活と仕事の状況も思い描いてみましょう。
理想的な生き方がわかったら、そこに向かって一歩でも近づける行動を探してみましょう。行動がわかったら実践してみましょう。
または、理想的な生き方の一部でも、今日から実践できることがないか探してみましょう。見つけることができたら、それをすぐに実践していくのです。
仕事のあり方を考えていくと、つきものなのが通勤時間です。都内に勤務する方は、片道一時間から二時間の通勤時間はごく当たり前だと思います。毎日数時間の通勤時間を使っているのです。一年間でその365倍近くを費やすとは途方もない時間です。
これをムダにしているとしたら大変もったいないことです。
スマホで新聞を読んでいるとか、文庫本を読んでいるとか、メールチェックをして過ごしているという方もいるでしょう。それも構いません。
何がいいか悪いかに、あらかじめ決まった答えはありません。むしろ、あなたがこれからどんなことをしていきたいかによって、答えが決まってくるのです。
・新しい資格をとりたい
・英語の能力を向上させたい
・企画力をあげたい
さまざまな願望があるでしょう。それを実現するために通勤時間を使えないかと考えるのは自然なことです。そのためには、通勤時間のあり方を振り返ってみましょう。
・実際には何分、通勤時間に費やしているのか
・今までは通勤時間に何をしていたのか
・通勤途中の状態はどうなのか
・通勤時間帯は今のままでよいのか
・時間帯を変えたら、電車の場合座れないか、車の場合もっと早く到着しないか
振り返りを始めることによって、惰性で決まっていた通勤の過ごし方を変えることができます。是非、振り返って通勤時間を有効に活用してみて下さい。
「失敗は成功の母」という言葉があります。「失敗学」を提唱されている畑村洋太郎先生は、失敗を活かしてこそ進歩があるのだということをおっしゃっています。
「失敗」を振り返ることは、大変価値のあることです。心理的には「失敗」は嫌なものであり、嫌なものであるからこそ目を背けたくなるものです。
しかし、失敗したまま放置しておけば、再び同じ失敗をしてしまいます。
失敗こそ振り返る必要があります。
・何が失敗で、その経緯は具体的にどうだったのか
・失敗の原因や要素は何か
・失敗しないためにできたはずのことは何か
・今後失敗しないために何をすべきか
・要は、何だったのか
・この失敗から学べたことは何か
このようなことを振り返りから引き出すことができれば、再発防止と行動の改善に繋げることができます。