誰しも望む未来があります。しかし、その未来を実現できる人は、ひとにぎりだと考えていませんか? そんなことはありません。未来の自分を変えるヒントは、あなた自身の中にあるのです。過去に「目をつけ」「掘り下げて」「引き出す」。このプロセスの繰り返しが、あなたの未来を大きく変えるのです。ここでは、自分自身を「振り返る」ことで見えてくる、あなたが望む未来の導き出し方を紹介していきます。そう、あなたの過去は宝の山なのです。
原因究明をテーマとしても、問題解決とセットで考えていくだけで、得られる知恵や価値は異なってきます。
たとえ失敗したとしても、それを振り返り、失敗の原因を見つけることができれば、改善策や再発防止策を見つけることに繋げられます。
成功した事例を振り返るときには、成功の原因を見つけることができれば、再現性を高める方法や応用するアイデアも見つけられます。
特に、失敗の原因究明のプロセスは、厄介で気分も落ちる作業であることが多いものです。一方で問題解決のプロセスは、明るい未来への展望を持って取り組むので、気分があがることが多いものです。
原因究明だけで終わってしまうと、辛く苦しくなることもあるので、原因究明をしたら必ず問題解決と改善行動を実践するとよいでしょう。
自分の失敗を反省するときに、自分で自分を叱責してしまうということがあります。自ら視野を狭め、何のために振り返っているのかわからなくなってしまっては、元も子もありません。
振り返りは反省ですが、決して自分に対する叱責や懲罰や責任追及ではありません。幅広い目的をもった知恵や価値の創造です。
掘り下げの過程では、過去の出来事を味わったり、未来の出来事を味わったりします。そのときに、3つの味わい方があることを覚えておきましょう。
1.共感的態度
まずは、共感的に判断する態度です。当事者の内面や深層に身を寄せて、その人の視座から見る態度です。
当事者とは、過去の自分もあれば、その場面にいた他人のこともあります。当事者の視座から、内面や深層を味わおうとする態度です。
2.批判的態度
2つ目は、批判的な態度です。批判と言っても、必ずしも、非難するわけではありません。過去や未来の場面に登場する人物を外面的・表層的にとらえ、出来事を批判的に味わう態度です。
3.俯瞰的態度
3つ目は、俯瞰的な態度です。出来事の場面を俯瞰的にとらえ、構造や全体像を把握しようとする態度です。個々人の感情や思考を総合し、状況を包括的に理解しようとするものです。
また、これらの3つの態度のそれぞれで、頭(思考)とハート(感情)で味わうことを忘れないようにしましょう。
頭で考えることのよさは、論理的であり数値でとらえられることです。目標を定量化することができます。
ハートで感じることのよさは、全身で感じられることです。目標は定性化することができます。
両者のよさを活かし、頭だけで考えないことです。
これら3つの態度を頭とハートで順番に味わっていくことによって、過去・現在・未来の出来事は、立体的にとらえられていきます。