誰しも望む未来があります。しかし、その未来を実現できる人は、ひとにぎりだと考えていませんか? そんなことはありません。未来の自分を変えるヒントは、あなた自身の中にあるのです。過去に「目をつけ」「掘り下げて」「引き出す」。このプロセスの繰り返しが、あなたの未来を大きく変えるのです。ここでは、自分自身を「振り返る」ことで見えてくる、あなたが望む未来の導き出し方を紹介していきます。そう、あなたの過去は宝の山なのです。
「もっとましな暮らしをしたい」
「成功したい」
「独立起業したい」
など、さまざまな思いを抱えているのが私たちです。将来どうなりたいかを考えると、ただ未来に思いを馳せて身もだえしているだけという人も多いものです。
未来を変えたいと思うならば、やはり振り返りが大事です。
まず何から振り返るかといえば、それは現在の自分です。
現在の自分の振り返り方を紹介します。
1.体のチェック
まず、体のチェックから始めます。手足を伸ばして、ストレッチする要領で、体の伸びやかさを感じてみて下さい。こわばっているのか柔軟なのか。どこかに滞りなどないか。体を動かして、呼吸はどうか。気づいたことを書き留めていきましょう。
2.ハートのチェック
ハートは感情の象徴です。今、何を感じているのかを思い返してみましょう。どのように感じるかについて理由は不要です。なぜそう感じるのかについては、後で考えることにして、今は感情のみに注意を向けましょう。喜怒哀楽のどの感情が強いかを確認するためには、喜怒哀楽の4つの感情を顔で表現してみます。
悦んだ顔、怒った顔、哀しい顔、楽しんでいる顔。
顔の表情を変えてみると、ハートに一番しっくりくる顔を感じるかもしれません。その顔の感情が今の自分に一番ふさわしいのかもしれません。感情を探って気づいたことを書き留めてみましょう。
3.頭のチェック
頭は、思考の象徴です。私たちは頭で何を考えているのか。独り言のように話してもいいですし、独り言をノートに書きつけてみるのも有効です。思いをすべて吐き出します。
このようにチェックしているだけでも気分がすっきりしてくるかもしれません。すっきりしたところで、今の気持ちはひと言で言うとどうなのか、書き留めてみましょう。
この現在の状況を踏まえて、将来について考えてみましょう。
未来とか将来といったときに、どれくらい先のことを思い浮かべますか?
明日、三ヶ月後、一年後……。
パッと思いついた未来の時点を書き留めてみましょう。厳密でなくても構いません。
今、思いついた未来の時期は、あなたにとってどんな意味があるのでしょうか。
「転機だ」
「大きなイベントの当日だ」
など思いつくことを書き出してみましょう。
または、意味はすぐに思いつかないという場合、最近その時期のことについて考えたことはありますか? 思い出してみて、何か気づいたことがあれば書き留めてみましょう。
そんなことを考えているうちに、別の未来の時点を想像していたとしたら、そちらについて考えを進めて下さい。
その未来は、今の時点では、なんとなく思い描いただけです。その想像の未来が現実になったとしたら、満足度は10点満点中、何点になるでしょうか。5点ですか? 7点ですか? 直感で書き留めてみましょう。
では、その時点で10点満点だったら、どんなことが起きているでしょうか。想像してみましょう。あなたにとって都合のいい未来で結構です。満点なのですから、最高な気分を味わっているはずです。あらゆることが成功していて、みんなも笑顔で大満足という場面かもしれません。
その場面は、どんなところで、誰と何をしている場面でしょうか。その場所の、周囲の風景、人の姿、声や音、あなたの体の感覚などを思い描いて、深く味わってみましょう。
メモに取ったり、絵に表したりして味わってから、それをひと言で言うとどんな未来なのか、言葉にしてみましょう。
未来のありたい姿、つまり「心躍る未来像」が、あなたにとって望ましいのであれば、その未来像が、あなたの目指すものです。その未来に向かってまっしぐらに突き進んでいくことができます。
「さあ、まっしぐらにどうぞ!」
と言われても困る方もいますね。
「現在の状況とずいぶんかけ離れている!」
「想像だけだから、全然現実的でない!」
「そもそもギャップがありすぎる!」
当然、想像しただけなので、現実とはかけ離れているかもしれません。ギャップがあるのは当然です。
ということは、そのギャップを埋めていくのが、これからやることなのです。ギャップを埋めるためにできることを、書き出してみてはいかがでしょうか。
書き出したら、その未来を実現するための要素も書き出してみましょう。
・必要な能力(計数管理能力、交渉力、語学力など)
・必要な資質(誠実さ、努力、乗り越える気持ち、あきらめない気持ちなど)
・必要な知識(地域経済の知識、業界の知識、不動産の知識、知的財産権の知識など)
などなど。
あなたの「心躍る未来像」を実現するために必要な要素を書き出せたら、その要素に関連する出来事や体験を、あなたの過去の中に探してみましょう。
過去の中を探すコツは、まさに「必要な能力」「必要な資質」「必要な知識」に少しでも関係する出来事や体験を思い出すことです。
計数管理能力を磨かなければならないとするなら、数学や算数などでうまくできた体験、もともと計数管理が苦手だったら、苦手な物を克服した体験、計数管理とまったく関係ないことで楽々とこなせたときの体験などを思い出して下さい。
その出来事や体験をよく味わってみてから、この場合計数管理能力を磨いていくために、活かせることやものを探り出してみて下さい。