大來氏:節目、節目で出会った文章、かけられた言葉によって救われた経験が、今私の活動に活きています。私が救われ、元気づけられたように、皆さんを仏教の教えで、悩みや困難な状況から解放するお手伝いをしたいと思っています。
私の今の使命は、仏教と人々を「言葉」でつなぐ架け橋となることです。
昨今、世界では悲しい出来事が多く報道されていますが、その根本的な原因の一つに、他者に対する無理解から起こる誤解と、不寛容があると思われます。
憎しみの連鎖では私たちは救われません。お互いに認め合う社会が実現すればと願いながら、私ができることを精一杯やっていきたいと思っています。
現在Webサイトで連載している『訳せない日本語~日本人の心と言葉~』も、言葉、コミュニケーションによる「認め合う社会」への想いを込めたものになっています。
――新しい挑戦が、次の未来を作っていくんですね。
大來氏:次の未来を作る中で、我々仏教に携わる人間に何ができるのか。これからの僧侶は、私も含めてみずからの仕事を限定的なものにせず、積極的に社会に出て関わり続けて欲しいと思います。新たな挑戦に困難はつきものですが、応援してくれる人々の声が、続けていくモチベーションになっています。
新たな伝道の発信拠点として、400年ぶりにお寺を全面改築し応援してくれている故郷のご門徒の皆さまを守ることも、私の大切な務めです。私たちは、ご門徒の方々から仏に捧げる「ご仏飯(ぶっぱん)」で育ちました。ご仏飯を仏に、ご門徒の皆さまにお返しするのが、私の一番の役割だと思っています。
これからも広い視野で世界や日本を見つつ、地域の皆さまのために動き続ける僧侶でありたいと思います。