アルファポリス
中国百物語
奇奇怪怪、中国怪談話集
人気の銭湯には、毎年一人、客が消えるという噂が…死者の名簿を偶然目にした男。そこには自分の名前が…月明かりの下、振り向いた婦人の顔は目も鼻も口もなく…急死した娘が、愛する人のもとへ最後のお別れに訪れて…中国四千年の歴史に紡がれし怪談話集。
■単行本
■定価1,540円(10%税込)
■2008年01月10日発行(実際の発売日は書店、各電子ストアによって異なります)
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鬼を語れば怪至る(冒頭より)
ある冬の夜、君誨と韓愈、柳宗元の三人で怪談を語り合った。
ふと見れば、窓の外で光の点がちらちら光っている。まるで蛍が群れ飛んでいるようであった。今は冬、しかも風が激しく吹きつけ、雪の降るたいそう寒い晩である。蛍が飛んでいるはずがない。三人はぞっとして顔を見合わせた。
見守るうちにも光の点はどんどん増えていき、幾千万にもなったかと思うと、部屋の中に飛び込んできた。光は丸く集まって鏡のようになったり、ばらばらに散ったりをくり返した。やがて犬の吠えるようなけたたましい音を残して、いずこへか飛び去った。
三人のうち、一番肝の太い韓愈でさえ真っ青になっていた。柳宗元と君誨は目を覆って突っ伏すばかりであった。
ことわざに、
「白日に人を談ずることなかれ。人を談ずれば害を生ず。昏夜(暗い夜)に鬼を語ることなかれ。鬼を語れば怪至る」
というが、本当のことのようだ。
(唐『龍城録』)
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収録タイトル
一 話 寺の棺
二 話 銭湯の怪
三 話 白骨怪
四 話 琵琶を弾く妖怪
五 話 白い手
六 話 被害者の声
七 話 真面目な雇い人
八 話 無鬼論(一)
九 話 無鬼論(二)
十 話 掠剰児
十一話 九子母堂の泥人形
十二話 花札をする男達
十三話 二つの鬼火
十四 話 孫元弼の怨念
十五 話 のっぺらぼう
十六 話 王居貞
十七 話 盧賛善の花嫁人形
十八 話 蝋燭の天女
十九 話 牡丹灯篭
二十 話 郭知運
二十一話 虎皮
二十二話 三官神の霊験
二十三話 鬼妾
二十四話 陳生
二十五話 義虎
二十六話 旅籠の怪
二十七話 離れの女
二十八話 形見
二十九話 雨の夜
三十 話 賭鬼
三十一話 犬と行者
三十二話 三世の怨み
三十三話 廿二娘
三十四話 蚕
三十五話 死後の情欲
三十六話 死者の名簿
三十七話 生まれ変わって怨みを晴らす(一)
三十八話 生まれ変わって怨みを晴らす(二)
三十九話 十文字
四十 話 盂蘭盆会
四十一話 秦巨伯
四十二話 亡き息子
四十三話 阮瑜之と幽鬼
四十四話 身分
四十五話 赤子の運命
四十六話 僧侶と狐
四十七話 赤岡店の怪
四十八話 応報
四十九話 鼠
五十 話 娘の魂
五十一話 堕胎薬
五十二話 地獄めぐり
五十三話 線娘
五十四話 陳勲の復讐
五十五話 陳寨
五十六話 陳処士
五十七話 葉生の帰還
五十八話 爪
五十九話 泥人形の子供
六十 話 同穴
六十一話 鄂州の少将
六十二話 梵音
六十三話 碧瀾堂
六十四話 杜伯
六十五話 劉道錫
六十六話 くし
六十七話 徐氏の姉娘
六十八話 同名異姓
六十九話 髪を梳く女
七十 話 宋術士
七十一話 望み
七十二話 狼
七十三話 余杭の広
七十四話 冤鬼
七十五話 哥舒翰
七十六話 棺の中の手
七十七話 離れの怪
七十八話 吸血僵屍
七十九話 虎になった男
八十 話 口を吸う死体
八十一話 騾馬
八十二話 秦進忠の死
八十三話 訪ねてきた友人
八十四話 馬奉忠
八十五話 貧富の差
八十六話 竇氏
八十七話 墨縄
八十八話 身代わりを求める幽鬼
八十九話 陳徳遇
九十 話 呪い
九十一話 王僧侶
九十二話 小路の女
九十三話 楊羨と幽鬼
九十四話 明器の反乱
九十五話 黄衣の男
九十六話 虱
九十七話 離縁状
九十八話 魂の形
九十九話 目玉
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