櫻木 いづる

櫻木 いづる

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BL 完結 短編 R18
 もし、自分が好きになった相手が――身近な存在だとしたら?  それが手の届かない存在で……好きになってはいけない相手だと判った時、どんな選択肢が残るだろう。  両親の仕事の都合で、俺たち兄弟は一つ屋根の下、二人暮らしをしている。  兄の日景。そして俺が弟の日向。互いに顔だけはそっくりなのに、性格はまるで正反対。  日向はお人好しで誰にでも優しい。そんな姿に苛立ち――だからつい、したくもない喧嘩ばかりしてしまう。  けれど、その日は違っていた。  一方的に喧嘩をして学校で別れるまではいつものこと。  なのに、同じ部活の友人から日向が告白されていたなんて話を聞いてしまったのがいけなかった。 「神様、頼むよ……」  自分ではどうしようもない感情が、想いが、ただただ胸を締め付ける。 「どうか、この想いを消してくれ……」  気づかないままでいさせて欲しいと神様に願った筈なのに――目を覚ますと何故か互いの身体が入れ替わっていた。    朝の出会いはサイアク。入れ替わった理由も原因不明。気まぐれな神様の悪戯だとしたらタチが悪い……!  そんなこんなで、入れ替わった身体のまま過ごすことになった秋の休日。  戸惑いと苛立ちを互いにぶつけ合いながら、押し込めていた本心(おもい)を暴露した瞬間、 「日向のこと、もっと教えて」  迫ってくる日景の言葉に抗えなくなった俺は思い知らされる。  日景も俺のことをどう想っていたのかを……。    双子(きょうだい)どうしの入れ替わり。相反する想いの先に生まれるパラドックスとは――?
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文字数 20,414 最終更新日 2021.10.16 登録日 2021.10.16
恋愛 連載中 長編
 あなたは幸せな人間だと思いますか? それとも不幸な人間?  今まで生きてきた人生の中で、どれほどの〝不幸〟を享受すれば幸せになれると思う?  人生の岐路に立つ度に、不幸の道を歩んできた私――四季みことは今日も一人で自分の生き方について嘆き思い悩んでいた。  自分のことを不幸体質な人間だと自覚しながら、それを変えることのできない意気地なしな自分。そんな生活に悩みながら過ごしていたある日、みことはたまたま目に付いた『願いを叶える心霊スポット』に足を向ける。  全てが嫌になり自暴自棄に落ちかけたみことだったが、その時偶然通りかかった男が交通事故に巻き込まれそうになるのを目撃する。  咄嗟に男を助けようと襲う痛みを覚悟したみことだったが――その時間は訪れることなく、恐る恐る目を開けると其処は見知らぬ場所。そして、みことが助けようとした男がいた。 「おまえは〝幽冥(ゆうめい)の月〟に見初められたのだ」  それは『冥婚』という名のもとに行われる、『魂の契り』。  ある理由から自分の〝メ〟を捜していたという男からの突然の求婚に戸惑い拒絶をするみことだったが、そんなみことに対して男は婚礼の意義を説き、必ず振り向かせることを約束する。  自分自身を許し、愛されることで得られる幸せもあるのだと説く男――冥一郎。  言葉はぎこちなく、行動は不器用。なのに――向けられる〝感情〟はただただ、優しい冥一郎に対し、初めはその言葉を信じられず疑心暗鬼に陥っていたみこと。  言葉だけでなく行動を以て示す冥一郎に対し、すれ違いながらも次第に心を寄せ合い互いに惹かれるようになる――。
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登録日 2023.01.31
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