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『彼女かと思ったのは彼だった』
一目惚れ――その瞬間、彼は“彼女”だった。
カフェに現れたのは、まるでフランス人形のような美しい人。
黒いコート、耳まで隠れるボブヘアー、そしてどこか浮世離れした佇まい。
声を聞くまでは、彼を“彼女”だと疑わなかった。
でもその正体は、想定外の「彼」だった。
彼の正体を知って、何かがズレた。
距離感、常識、恋愛の定義、すべてが少しずつ狂い始める。
“彼”はカフェモカを注文し、毎週同じ時間に現れる。
「俺のこと、どうですか?」
“僕”は、小説家志望。
人には言えない恋愛を書き続けてきた。
それを、誰よりも読んではいけないはずの“彼”に渡してしまった――。
人懐っこい笑顔の裏に隠された“違和感”。
年齢差、性別、偶然という名の必然。
彼はなぜ、毎週同じ時間に、同じ店に通ってくるのか?
そしてなぜ、“僕”の作品に、あんな目をしたのか?
これは、ただのラブストーリーでは終わらない。
秘密を孕んだ、“恋のふりをした何か”が始まる。
文字数 12,652
最終更新日 2025.04.23
登録日 2025.04.06
『ファクトチェック』は、情報過多の現代社会を舞台に、フェイクニュースを見抜くAIアプリに取り憑かれていく高校生・マサトの姿を描いた短編小説です。
物語は、マサトが友人カイトにバカにされたことをきっかけに、流行りのアプリ「ファクトチェック」を使い始めることから始まります。このアプリは、SNSやニュースの真偽を瞬時に判定してくれる便利なツール。
最初はカイトに認められたい一心で使い始めたマサトですが、次第に真実を追い求めることに執着し、アプリを「神」のように崇めるようになります。
しかし、真実を追求するあまり、マサトは周囲との関係を失っていきます。授業の話や友達の噂までファクトチェックするようになり、クラスメイトから孤立。カイトとの友情も危機に瀕します。極めつけは、カイトが「友達だろ!」と叫ぶシーンで、マサトが反射的に「ファクトチェック」と呟いてしまう場面。アプリなしでは何も信じられなくなったマサトの姿が、痛々しくもリアルに描かれています。
文字数 10,844
最終更新日 2025.04.19
登録日 2025.04.13
高校生カップリング
大学生×大人 カップリング
読み切りやすい短編集まとめ。
お好きな話が見つかりますように。
反応の多いお話は掲載続けていきたいです。
幼い頃から男の子が好きだった楓は、それが普通のことだと信じていた。
しかし、田舎では同性愛が存在しないものとして扱われる現実を知る。
好きになった人と結ばれることはないと諦め、孤独を抱えながら生きていた。
高校では、友人の拓哉に誘われ弓道部に入部する。
ある日、新入生の見学期間に真面目で地味な一年生・晴人と出会う。守りたくなるような雰囲気の彼に惹かれる自分を意識しながらも、ゲイであることを悟られまいと距離を取る。
しかし、晴人は楓が自分を避けていることを気にし、ついには「先輩って……ゲイですか?」と問いかける。動揺する楓だったが、晴人は偶然にも掲示板で楓を見かけていた……。
文字数 10,027
最終更新日 2025.03.29
登録日 2025.03.25
文字数 10,089
最終更新日 2025.03.28
登録日 2025.03.19
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