有未

有未

作家志望。紅茶が好き。
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気が付けば広がる世界。 そこは現か幻か。 一つの売り場に、一人の売り子。 菓子商店は何を意味するのか。 一人の命に、一つの命が寄り添う。 誰も知らない、誰も知り得る町で、 今日も約束の鐘が鳴る。 気が付いたら辿り着いていた場所。ほとんどのことが分からないまま、時間が過ぎて行く。出会った存在たちと交流して行く内に、その町の真実が見えて来る。 町の中心にある大きな菓子商店で、男は自らの記憶を語り始める。それを促す者、制止する者。多くの存在たちの思惑が交錯する中、男は自らが強く求めるものに向かって歩いて行く。それを助ける者、妨げる者。 男の傍には、いつも一つの命が寄り添っていた。その生き物は多くは語らず、しかし確かに男を助ける。男と同様、名を持たないその命は灰色と呼ばれていた。 やがて男は灰色の知人である、朽葉の経営する貸し本屋で働き始める。そこを訪れた菓子商店の売り子であった春野華は、この町の真実を語ろうとするが叶わないまま姿を消してしまう。 帰りたい場所があるはずだと気が付いた男は、自分の意思を、周囲の言葉を信じて、手探りの中、不可思議な現象に立ち向かう。
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文字数 22,887 最終更新日 2024.10.02 登録日 2024.07.06
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