・序章・
大陸の端に位置するフーガ国は小国ながら、周囲を海と広大な森に囲まれた地の利と豊かな資源に恵まれ、平和に静かに栄えていた。
しかしある時、百の目を持つ巨大な魔物に狙われ、恐れをなした人々は生贄を差し出して魔物を鎮めるべく謀り、選ばれた巫女は国と人心の平安を望んで命を捧げるが、巫女の願いとは裏腹に、魔物は一夜にしてフーガ国を滅ぼしてしまう。
滅亡後、残された資源を目当てに多くの承認や盗賊・または魔物を倒して名声を上げようとする剣士たちが現れたが、誰一人生きて戻る者は無かった。
魔物は樹海と化した森に棲みつき、やがてフーガ国に近づく者は誰もいなくなった。
文字数 43,259
最終更新日 2024.05.07
登録日 2023.09.01
文明開化の鐘が鳴った明治の夜明けも今は昔と過ぎゆきて、頃は大正浪漫の時代。
元華族の家柄に生まれ、誇り高く育った女学生・桐生黎華はある日、勤労学生の五十嵐誠と出会い、互いに惹かれ合ってゆく。
そんな中、悪評高い軍人・黒木中佐が黎華を見初め、権力に物を言わせて縁談を進めようとする。
身分の違いを覚悟で愛し合う二人の恋の結末は───
文字数 22,590
最終更新日 2023.10.04
登録日 2023.08.20