「お前ってもしかしてそっち系?」
としつこく揶揄された時、何も考えずに強く否定できたらよかった。
そんな後悔と自己嫌悪を抱える自他共に認める写真部の陰キャ・織部夕真
そして、
「おれは、走ってる間だけが楽しい。あとは全部苦しい」
と夕真にだけ打ち明けた陸上部のエース・喜久井エヴァンズ重陽
雲ひとつない秋晴れの日、夕真の「とっておき」のフィルム越しに偶然交わった二人の青春と初恋が報われるまでの長い長い時間と距離の物語。
「約束どおりおれが箱根駅伝走れたら、先輩はもう絶対に幸せな恋愛しかしないって約束して」
文字数 277,070
最終更新日 2021.12.27
登録日 2021.04.25