妖怪の世界では、とある伝説があった。
明鏡の絵空事、そう呼ばれる不思議な薬が存在すると。
その伝説と呼ばれる薬を飲む時、必ず一つの夢を見る。
病の根を断ち切るに、必要な事を告げる、夢。
そして目覚めた時、病は癒えている・・・
その薬を作る事が出来る、たった一人の存在がいる。
人間と妖怪の狭間に、たった一人で孤独に生きてきた半妖。
彼の名前は、弾。
―弾は旅に出る。
見た事のない広い世界へ。
そこで弾と出会う者たちは、たちまちに病を癒して行く。
そして、誰もが決まって不思議な夢を見た。
文字数 43,002
最終更新日 2016.09.03
登録日 2016.08.16