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胴江正武。四十五歳の日本人。
私は恥の多い生涯を送ってきました。後悔しかない。
ああ、畜生。もっと上手く立ち回っておけば。国家権力も、警察も法律もオレの敵ではなかったんだ。上手く扱えば強力な味方になっていたと言うのに。
反省点が走馬灯のように流れていく。幼少期にもっと勉強に精を出していれば。湯水の如くお金を浪費しなければ。もっと思慮深く考えてから行動に移していれば。
願わくば、次の人生ではもっと上手く立ち回れることを願って——。
ここで、オレの意識は途切れたのだった。
すると、オレは何故か記憶を持ったまま赤子になっていた。
仰々しい屋敷に生まれたオレ。正直、何がなんだかわからない。
わからないけど、一つだけ決めていることがある。
それは偉い人や国家権力には逆らわない。無難に生きていくんだ。
保身に徹して、決して心証を下げない。
そう決めたはずなのに、何でこうなってしまったのか。
王子に転生した男が繰り広げるスローライフ&戦記。
彼は、王国をどうするつもりなのか。
登録日 2020.12.29
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