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新興の極道、高天組(たかまぐみ)が関東、日本はおろか世界で勢力を展ばすなか、関東在野で、歴史は古いものの衰退の一途をたどっている九条組。その若頭であり、五代目ともくされる、四代目組長の実息、九条凌駕は、組を率いるには線が細かった。それを案じた四代目である父、九条要堂は、高天組の傘下に入ることを決断。
その恭順の意思の表れとして、約二億円相当のインゴットを積んだ車を、要堂の第一の舎弟で、かつ凌駕の補佐でもある國見憲吾に運転させ、凌駕とともに高天の事務所に向かっていた。
しかし、折からの豪雨で斜面が崩れ、國見と凌駕の車は走行中に、崩落に巻き込まれてしまう。
その崩落の岩が車にぶつかる寸前、一条の光が車を貫き──意識を失った彼らが、次に目覚めたときには、見たこともない景色が広がっていた。
そこは、二人の王の支配する、不完全なるクニ「Os Dracōnis オェスドラコニス」という異世界だった。
二人がたどり着ついたクニの王「ジウ」は、國見を人質に取り、凌駕にある取引を持ちかける。
それは、七日の期限のうちに荒れ放題のホーガのクニに行き、荒れ地に刺さった「古龍の歯牙(こりゅうのしが)」を取って来るというものだった。
ジウからホーガは遠いといい「ロルカ」という乗り物を貸し与えられた凌駕だったが、彼は、それを乗りこなしてしまい……。
文字数 55,332
最終更新日 2025.04.23
登録日 2025.03.28
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