2
件
緑に囲まれ、肥沃な泉と精霊に守られる国があった。
その国の名をトリムルトと言う。
小国には、王子が三人、王女が二人いた。王子のそれぞれ賢明で民の誇りであったが、それとは別に王女は美しさで特に世間に知られていた。
それはそれは美しい王女が二人。
しかし、その二人それぞれの評判は異なる。
一人は「我儘王女」、もう一人は「聖なる王女」といわれていた。
我儘王女はある日、止むに止まれぬ事情で大国に嫁ぐ。
嫁ぎ先の王子は妹を愛していて、姉である彼女を嫌っていた。
「だからなんだって言うんですの? 私もおことわりよ」
王女の目的はただひとつ
「この婚姻が破棄された暁には、私正式にパン屋になれますの!」
文字数 33,651
最終更新日 2017.10.18
登録日 2017.10.08
「国王から、正式に婚約を破棄する旨の連絡を受けた。
ユーフェミア、お前には二つの選択肢がある。
我が領地の中で、人の通わぬ屋敷にて静かに余生を送るか、我が一族と縁を切り、平民の身に堕ちるか。
――どちらにしろ、恥を晒して生き続けることには変わりないが」
乙女ゲーの悪役令嬢に転生したユーフェミア。
「はい、では平民になります」
虐待に気づかない最低ランクに格付けの家族から、逃げ出します。
文字数 141,475
最終更新日 2017.10.09
登録日 2016.07.07
2
件