ふじわら臣都

恋愛経験のないまま48歳で死んだ私。気がついたら真っ白な世界。前世の自分の不摂生のせいかー、じゃあさっさと三途の川を渡りますかと立ち上がって…。　ピンクの人影が立ち塞がった！ たたかう？ にげる？　← アイテム？ ピンクの人影が私に言った言葉は…

悪魔が住んでいる塔があると聞いていたの。 たくさんのメイドが、その塔に住む悪魔が取り憑いたお嬢様のお世話係として雇われたのに、そのお嬢様を怖がってすぐに辞めてしまうのだそう。それだけではないわ。辞めていったメイド達の行方は知れないんですって。悪魔に消されたんだと噂が立っていたわ。 悪魔がいるだなんて、寝物語の事だと思っていたの。 だけど、本当にいたの。 私はマルチルダ。お金に困った両親に、その悪魔の住み着く塔があるお屋敷に雇われる事になったの。だけど、だけど。 初めて出逢ったそのお嬢様に、まさか恋をしてしまうなんて。私はお嬢様に全てを捧げて、お仕えしたい。 この、とてつもなく美しい、悪魔と呼ばれるお嬢様に。