2
件
『こんにちは! 妙高型重巡洋艦の一番艦、妙高です! 妙高は今、コスタリカにあるプエルト・リモン鎮守府、長門様が率いる第五艦隊に所属しています。親友の高雄やちょっと変わった信濃、駆逐艦の峯風ちゃん、涼月ちゃん。頼れる仲間と一緒に、人々を守るため、人類の敵アイギスと日夜戦いを繰り広げています! 今日はちょっと変わった任務で――高雄、危ない!! え……? 長門様、どうして……?』
『我々人類は本当の意味で機械を操れてはいないのです。我々は常に計器で機械の状態を把握し、ボタンやレバーで間接的に制御している。だから私は、機械と人間とを直接に繋ぎ合わせ、五感のように機械を把握し、手足を動かすようにそれを動かせる、そんな方法を研究しているのです。東條参謀長殿、いかがですか?』
『マイン・フューラー(我が総統)、命令を。スターリンもチャーチルも、我が艦載機で雑作もなく殺してやりましょう。――え? どっちも殺さないで欲しい?』
『タヴァーリシ(同志)スターリン、御命令を。我らが祖国を侵す敵は全て、この私が殲滅いたします。――決して沈んではならない、ですか。無論、政治的に私が沈むわけにいかないことは――そういうことではない?』
『――船魄(せんぱく)。それは軍艦を自らの手足のように操る少女達。艦が肉体であるのなら、私達はその魂。艦そのものである私達が操る軍艦に、人間が対抗することは不可能に近いわ。人類が最初に手にした船魄は、日本がフィリピン沖海戦で投入した瑞鶴、つまり私ってわけ。私は日本を守るためアメリカと戦い、奴らから全てを奪ってやった。その代わりに何もかも失ったけど。この話、聞きたい?』
本作のメインテーマは、あくまで史実の地球を舞台とし、そこに船魄(せんぱく)という異物を投入したらどうなるのか、です。いわゆる艦船擬人化ものですが、特に軍艦や歴史の知識がなくとも楽しめるようにしてあります。もちろん知識があった方が楽しめることは違いないですが。
なお軍人がたくさん出て来ますが、船魄同士の関係に踏み込むことはありません。つまり船魄達の人間関係としては百合しかありませんので、ご安心もしくはご承知おきを。
少女たちの愛憎と謀略が絡まり合う、新感覚、リアル志向の艦船擬人化小説を是非お楽しみください
また作者のやる気に繋がるので、お気に入り登録や感想などお待ちしています。
毎日一話更新していきます。
文字数 689,085
最終更新日 2024.12.03
登録日 2024.04.01
少年は、魔法の存在する異世界に『シグルズ』として、最強の魔法を与えられ転生した。魔法――世の理をねじ曲げる力は、それを持つものに圧倒的な力を与える。文明人として、魔法が世界にとって有害だと気付いたシグルズは、世界をあるべき姿に正すべく、魔法を世界から駆逐する為の行動を開始する。彼が転生したのは機械の国『神聖ゲルマニア帝国』。神により与えられた無双の魔法の才能によって出世し、現代日本の知識で最強の軍隊を作り上げるという計画である。しかし道は険しい。最大の敵は魔法の国『ヴェステンラント合州国』。魔導歩兵、魔導騎兵、魔女などで構成された旧態依然の軍団で覇権を握らんとする、シグルズの志とは正反対に位置する勢力である。圧倒的な魔導戦力を有するヴェステンラントに対し、まんまと政権中枢に入り込むことに成功した彼は次々と未来の技術を入れ知恵し、戦いを繰り広げる。小銃に始まり機関銃、迫撃砲、装甲車、戦車……ついには……。そして両国の戦争に呼応し、東方の『大八州皇國』もまた、ヴェステンラントとの戦端を開く。早過ぎる世界大戦に突入した世界は、どこに進んでいくのだろうか。蒸気機関の消滅を望むヴェステンラントの魔女クロエ。正義を渇望する大八洲の征夷大将軍晴虎と、彼に仕える巫女の朔(さく)。ゲルマニアにただただ尽くす総統ヒンケル。戦争を疎む『ガラティア帝国』スルタンのアリスカンダル。平和な世界を求める謎の少女リリー。戦争狂のヴェステンラント外務卿ルーズベルト。様々な志が闘争を繰り広げる中で、最後に立っているのは誰であろうか。魔法と科学の入り乱れる新たな形の戦争が今、幕を開ける。
登録日 2024.04.14
2
件