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志央と幸也は、陵雲学園高校においては品行方正な生徒会長と副会長として全校生徒から一目置かれているが、実は裏では結構な遊び人で、三年の春早々、暇つぶしにある賭けをする。それは生徒開室から見える桜の木の下を通った誰かをそれぞれ一ヵ月以内に落とせるかどうか、というものだった。そして志央は大柄なタコ坊主のような転入生を、幸也は会計をしている頑固な二年生勝浩を落として先にキスさせた方が勝ち、とばかり不埒な二人の争いが始まったのだが……。
文字数 52,606
最終更新日 2025.04.15
登録日 2025.03.05
後生大事にしまい込んでいた10年物の腐った初恋の蓋がまさか開くなんて―。高校時代一学年下の大らかな井原渉に懐かれていた和田響。井原は卒業式の後、音大に進んだ響に、卒業したら、この大銀杏の樹の下で逢おうと勝手に約束させたが、響は結局行かなかった。言葉にしたことはないが思いは互いに同じだったのだと思う。だが未来のない道に井原を巻き込みたくはなかった。時を経て10年後の秋、郷里に戻った響は、高校の恩師に頼み込まれてピアノを教える傍ら急遽母校で非常勤講師となるが、明くる4月、アメリカに留学していたはずの井原が物理教師として現れ、響は動揺する。
文字数 127,990
最終更新日 2023.10.13
登録日 2023.10.02
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