第7回BL小説大賞終了

第7回BL小説大賞

第6回BL小説大賞

選考概要

編集部内で大賞候補作としたのは、「異世界でのおれへの評価がおかしいんだが」「国王様は新米騎士を溺愛する」「眠り姫はエリート王子に恋をする」「世界で一番、尊い奇跡 ~イケメン勇者×ヘタレ魔法使いの恋物語~」「伯爵様は思うところがあって」の5作品。選考の結果、アルファポリスからの出版化にふさわしいエンターテインメント性を評価して、すでに読者賞に決定していた「異世界でのおれへの評価がおかしいんだが」を大賞とのダブル授賞とすることにした。

「異世界でのおれへの評価がおかしいんだが」は、主人公と異世界のキャラクターが常識の違いによって生じる噛み合わないやりとりを繰り広げる、くすっと楽しめる良作。登場人物や作品の雰囲気の明るさとweb小説らしいわかりやすさ、軽妙な文体が高く評価された。

また受賞には至らなかったが、「国王様は新米騎士を溺愛する」「眠り姫はエリート王子に恋をする」「世界で一番、尊い奇跡 ~イケメン勇者×ヘタレ魔法使いの恋物語~」「伯爵様は思うところがあって」も魅力的な作品だった。

「国王様は新米騎士を溺愛する」は幼いころに引き離された義理の兄弟が再会し、王である兄が騎士の弟を溺愛するというストーリー。読者の気持ちをしっかりとつかむ設定だが、目新しさに若干欠けたところが残念だった。

「眠り姫はエリート王子に恋をする」は設定が面白く、作りこまれた登場人物たちが高い筆力で丁寧に描かれた作品。編集部での評価も高かったが、全体的に大人しくまとまってしまっている点で、賞への選出に至らなかった。

「世界で一番、尊い奇跡 ~イケメン勇者×ヘタレ魔法使いの恋物語~」は個性的な設定が、一際強い魅力を放っていた。しかしながら、背景の暗さや主人公の肉体設定など、読み手を選びそうな箇所が多い点がマイナスとなった。

「伯爵様は思うところがあって」は確かな文章力に裏打ちされたしっかりとしたストーリーが好感を持てる作品だった。ただ、落ち着いて楽しめるものの、この作品ならではの個性を表現し切れていない点に物足りなさを感じた。

応募総数547作品 開催期間2018年11月01日〜末日

編集部より

主人公・タクミがトリップしてしまった異世界を舞台に、登場人物たちの噛み合わないやりとりが軽妙な文章で描かれており、大変楽しく拝読させていただきました。また、黒翼騎士団の一員として魔物を退治するシーンなどには臨場感もあり、読者もタクミたちと同じ世界で共に戦っているような気持ちになれたのではないでしょうか? ボーイズラブという側面だけでなく、ファンタジー要素を巧く取り入れられている点も、アルファポリスのBL大賞にふさわしい作品であると高く評価し、読者賞とのダブル授賞とさせていただきました。

※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。