第5回ホラー・ミステリー小説大賞終了

第5回ホラー・ミステリー小説大賞

第4回ホラー・ミステリー小説大賞

選考概要

全900作品の中から編集部内で大賞候補としたのは、「クイズ 誰が殺ったのでSHOW」「ウソつき文豪探偵『兎田谷 朔』と架空の事件簿」「妻が小説で俺の不倫を暴露する件について」「とある脱獄囚のやったこと~黒い鳥~」「前略、僕は君を救えたか」「ボーイ・イン・ザ・ミラー」「リエラリドル 遠州クリークの秘密」「交換殺人って難しい」「ソジー」「ウーアの住む駅」「そして何も言わなくなった」「64bitの探偵~ゲームに寄り道は付き物~」の12作。

その後の検討の結果、編集部内で最も支持を集めた「ウソつき文豪探偵『兎田谷 朔』と架空の事件簿」を大賞に選出。さらに、大賞と僅差の評価だった「前略、僕は君を救えたか」を特別賞とし、最終選考に残ったものの惜しくも受賞に至らなかった作品を奨励賞とした。

「ウソつき文豪探偵『兎田谷 朔』と架空の事件簿」は、小説家で探偵の主人公が、大正時代の銀座で起こるトラブルを解決する推理モノ。普段はものぐさだが、いざとなればウソを駆使して事件を丸く収めてしまう主人公のキャラクター性が高い評価を得た。華やかな銀座に集う訳ありの人々との掛け合いや、ウソの謎解きから真相を見せる構成も上手く、完成度の高い作品だった。

「前略、僕は君を救えたか」は、一通の手紙をきっかけに、主人公に訪れるはずだった死とその運命を変えようと奔走した並行世界の人々について明かされていくストーリー。細部まで丁寧に組み立てられた構成力が見事で、タイムリープで命を救われる側の苦悩と葛藤を描ききっている点を評価。“生きる意味”という普遍的で壮大なテーマに挑んだ意欲作だった。

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応募総数900作品 開催期間2021年03月01日〜末日

編集部より

事件の収束後にさらなる真相が解明される構成が巧みな作品でした。枳殻の話をはじめ、各ストーリーで明かされる謎や、そこに至るまでの展開に数々の驚きがあり、惹きこまれます。大正時代の銀座で繰り広げられるコミカルなやり取りと、時にほろ苦い読み味も非常に魅力的でした。


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。人形のように美しい少女と彼女に付き従う少年執事の謎めいた空気感、そして二人は一体何者なのかと先が気になる構成が、多くの読者の支持を集めたのだと思います。


編集部より

「黒いポスト」という不気味な都市伝説を活かした静かな立ち上がりの後、物語が加速していく展開が見事でした。並行世界より届く手紙からは、誰かのために命を落とす人の思いが伝わり、胸が熱くなります。また、タイトルが回収される劇的なラストシーンも深く印象に残りました。

※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。