甘南備小説一覧
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ありおん王国の宮廷召喚士は数十名の勇者を、大召喚魔法陣を持って召喚した。
それは二十年を費やしての大魔法だった。
自らの死を以て発動した大魔法だった。
悔いはなかった。
とある日本の町の屋台村は巨大な光の魔法陣に包まれた。
中にいた人々は叫び声を上げ、眩い光で何も見えずただ立ちすくむ者、座り込んで泣き叫ぶ者、其々が今生の別れを意識した。
数十秒して光は去り人々は静けさの中にいた。
ここは王宮の召喚部屋。
王は驚愕する。
「おぎゃあ〜おぎゃあ〜」
そこに召喚されたのは赤子。
「何故赤子なのじゃ」
「いちおう勇者かどうかスキルを調べます」
「すっスキルは何じゃ」
「人型」
「はっ?」
「人型です」
「人型とはどう言う事じゃ?」
「人型のようでございます」
「人型で魔王は倒せるのか!」
「多分無理で御座います」
「多分とは何じゃあ〜!!。宮廷召喚士が命を賭して召喚したのじゃぞ、しかも二十年の歳月を掛けて」
「そう申されましても・・・」
赤子は子のいない騎士の家に預けられた。
彼はやがて5歳になって、教会でスキルを調べて貰う事になる。
まあ養い親はスキルを知ってはいるが。
これは儀式だ。
文字数 8,770
最終更新日 2024.09.15
登録日 2024.08.31
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