どうしてこんな生き方しかできなかったのだろうか…?
大陸の中央に位置する巨大帝国パルスナの北端の小さな村。
オヅマは目覚めた途端に違和感があった。けれどそれはすぐに霧散する。
藍鶲の年、大帝生誕月の満月の日。その日はオヅマにとって一つの選択肢が示される日だった。
この日、母は父を殺す。そうして逮捕されて、絞首刑になってしまうのだ。
それは夢で、けれどこれから確実の起こりうつことをオヅマは知っていた。
この悲劇から紡ぎ出される連鎖を断ち切る為に、オヅマは行動を開始する……。
騎士を目指して、ごくごく普通の生き方を望む少年のお話。