BL 前世記憶小説一覧

1
1
BL 完結 長編
 放課後の教室で。何気なく拾った一冊のノート。  誰の?  名前も何もないノート。誰のものか確かめたくて、ノートを読んだ俺は、胸が苦しく切なく、泣きたいぐらい、ワケのわからない衝動に駆られる。  「読んだのか? これを」  慌てて戻ってきたノートの持ち主。クラスメートの桜町。  「頼むから、このノートのことは忘れてくれ」  そう懇願され、俺も忘れるつもりだったのに。  そこから、少しずつ、少しずつ。  友だち、五木と川成とバカをやるだけの日常が変わっていく。  ついさっきまで見てたはずなのに全く覚えてない夢。自分の体なのに、別の誰かが乗り移ったような動き。不気味な既視感。  歯車が軋んでズレていくように、俺のなかの何かが少しずつ変化してる――気がする。  「頼む! あのノートの小説、もう一回読ませてくれ!」  拝み倒し、どうにかノートを借りることに成功するも、桜町から「これはあくまでフィクションだから」、「読んだら内容は忘れてること」と念を押されて。  (……これって、まさか)  小説の内容と、掴むことのできなかった夢の記憶が、少しずつ重なっていく。遠いとおい昔、戦乱の世にあった、悲しい男女の物語。俺の身の上に起きた、遠いとおい過去の記憶。  (俺の前世って、まさか……姫?)  悲恋の片割れ、千寿姫。瞼を閉じるたびにまざまざと浮かび上がる姫の姿。胸に響く姫の心情。これで俺が姫じゃなければ、誰だったっていうんだ。  (ってことは、どこかにアイツも、どこかで生まれ変わってるのか?)  久慈三郎真保。姫の父親を殺した男。許嫁のいた姫を、領地と一緒に我が物にした、傲慢極まりない男。俺がここに生まれ変わってるってことは、アイツもこの世界のどこかいにるってことか?  千寿姫だった俺と、真保かもしれない桜町と。  前世の俺と、現世の俺と。前世のアイツと、現世のアイツと。  過去と今を巡る、新里千尋と桜町和真の物語。
24h.ポイント 7pt
小説 34,659 位 / 193,831件 BL 9,342 位 / 25,670件
文字数 87,541 最終更新日 2024.03.09 登録日 2024.02.11
1

アルファポリスのBL小説のご紹介

アルファポリスのBL小説の一覧ページです。
職場関係、学園、身分差等の様々なカップリング・シチュエーションのオリジナルBL小説が満載です。
執着」 「オメガバース」 「悪役令息」 「獣人」 「」 人気のタグからお気に入りの小説を探すこともできます。ぜひお気に入りの小説を見つけてください。