大衆娯楽 第6回ライト文芸大賞エントリー作小説一覧
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西暦2045年。世界初の人型ロボット、アンドロイドが発売された。
完全に人と同じ姿でありながら自分の望みをすべてかなえようと奔走する彼らに人々は魅了された。
理想的な恋人、理想的な夫婦。理想的な家族。
アンドロイドを発売する会社『Ideal Life』社がスローガンとして掲げる言葉だ。
その言葉の通りにアンドロイドは人々の幸福のために生きている。
大神十夜はそんなアンドロイドが嫌いだった。アンドロイドに仕事を奪われたからだ。
人間が多くの時間をかけて学ばなくてはならいことであっても、アンドロイドはごく短時間で。システムをインストールすることで学習を終えることができ、人間よりもはるかに高いパフォーマンスで仕事を完遂させる。
経営者たちはこぞってアンドロイドを雇い入れた。結果として、人間は職を追われることになった。
アンドロイドが普及したのは優斗が大学を卒業する2年前だ。おかげで就職もままならなくなった優斗は地方公務員になり、アンドロイド回収課で働くことになった。
理想的なパートナーと呼ばれながらも飽きれば捨てられる。アンドロイド自身もそれを受け入れている。
そんな情景に嫌気がさしながらも生きるために仕事を続けていた十夜はある日、不法投棄されていたアンドロイドに出会う。道の片隅に座り込み息をしていない彼に。
「……似ている」
最初は死んでいると思い込み驚くが、すぐにアンドロイドだと気が付いた十夜の口から出たのはそんな言葉だった。
アンドロイドを拾うことは犯罪ではないが、アンドロイドを拾う人間なんていない。それはアンドロイドが安価で手に入ることが理由の一つであり、もう一つの理由は。
最初に登録された所有者ではない人間の命令を、アンドロイドが聞かないからだ。
初恋の人に似ているアンドロイドを手に入れた十夜は、決して報われることのない愛のために生きることを決めるが……?
エロ表現無しのライトBLです。ライト文学賞に応募するために書いていきます。
文字数 98,181
最終更新日 2023.05.09
登録日 2023.04.01
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