青春 失声症小説一覧

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声と歌をからかわれた経験から声を失った私は、合唱コンクールの練習期間である二ヶ月が憂鬱で仕方なかった。 多分そのせいで、大切な手帳を旧校舎に忘れてしまう。 皆が練習する中、物置と化した旧校舎へ取りに入った私の耳に、突然歌が飛び込んできた。 楽しげな少女の歌声に苦しさを覚え、その日は逃げてしまう。 しかし、なぜ一人で練習しているのか気になって、あくる日も旧校舎に来てしまった。 歌を聴いている内、音を追いかけたくなってしまった私は、声は出さずに唇だけで旋律追いかける。 そう、声は出していなかったはずなのに。 「あなた、いい声だね!」 部屋の中から、突如として賞賛が聞こえてきて。
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文字数 8,000 最終更新日 2023.11.08 登録日 2023.10.30
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青春 連載中 長編
遥は小学校の頃にイジメに遭ってから、声を失った。 やがて中学2年生になった彼女は、ある時親友のアリサに誘われてとあるコンサートに出向く。それは、日本で注目を集め始めていた《坂本菜々美》というトッププロのピアニストのコンサートだった。 ピアノが正直好きではなかった遥だったが、彼女の演奏を聴いて、心を動かされる。アリサと共に坂本のピアノ教室に通いたいと思ったものの、残念ながら希望者が多すぎて通えない。 落胆していると、コンサート会場の前でとある男性に二人は声を掛けられる。 《和木修哉(わぎしゅうや)》というその男は、都内の私立音楽大学で講師をしている、ピアノの先生だった。「坂本菜々美まではいかないものの、ピアノの演奏はそこそこ上手い」と説得する彼を信じて、二人は彼の紹介するピアノ教室に通うことに決める。だが。 それは、《今井悟(いまいさとる)》という作曲家の一時的なピアノ教室だった。以前はヨーロッパで修業をしたこともあると言って和木は紹介したが、今井氏は全く売れていない作曲家で。 何か訳でもあるのか、レッスンにあまり乗り気ではなかった。 アリサは顔を引きつらせる。そうこうしていると、ある日、その原因が分かる。 何と、今井氏は難聴を患っていたのである―――。 今井氏の過去を知らない遥たちを利用して、彼の人生を変えようとする、和木修哉。 だがやがて、そんなこととは梅雨も知らない遥は、和木も、今井氏すらも気づかなかった才能を開花させていく…。
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文字数 2,461 最終更新日 2018.03.24 登録日 2018.03.24
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