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戀歌楼。
主に異形を商品として扱う見世である。
もちろん、気に入ったものがいれば身請けすることもできるが、その際は案内人が提示した手付金と簡単な誓約書を交わすこととなる。この見世で取り扱う商品は、どれも欠陥品ばかり。キズモノだったり、どこかイビツだったり、感情が安定していない出戻り品なども多く扱っているため、取り扱いには細心の注意が必要とのこと。
故に誓約書を読んでいただき、同意の上、商品を受け渡す運びとなるのだ。
帝都と呼ばれる魔都の片隅に、ひっそりと佇む娼館、戀歌楼。知るひとぞ知る異形の見世を案内するのは、人形のように美しく妖艶な女主人。
今宵も異形に魅入られた、ひとりの客人がやってくる。
何度も通い、言葉だけ、視線だけ交わし、やがて生まれるもの。
それが恋か愛かは定かではない。
相手は異形なのだから。
この物語は、異形とそれに魅入られた者たちの、美しくも儚い恋愛奇譚である―――。
登録日 2024.12.18
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