あまりにも月が綺麗だったので、もっとよく見たかっただけだったのに
小さい時から、星より太陽より、月が好きだった⋯⋯
月をもっとよく見るために、外へ出てみた雨傘上がりの宵の口
地面に映る月の端を踏んだら、私はサラサラと爪先から崩れて消えた
目覚めると、湯に浮いていた
──寝湯で見た夢だったのかな
安心するのもつかの間、女湯で男性に取り囲まれる
何がどうなったのか、さっぱりわからない
知らない世界で、贄の月の水環媛と呼ばれるけど、どしたらいいの?
文字数 42,171
最終更新日 2024.02.15
登録日 2024.01.22