あやかし和風ファンタジー小説(外部サイト)一覧

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明治中期。 いまだ幕末の昏さを残す、帝都郊外。 瑞香は町外れの、小さな貸本屋のひとり娘。 生まれつき身体が弱い彼女は、店番をしながら少しずつ物語を綴り続けてきた。 あるとき、憧れの作家に送った原稿が文芸同人誌に掲載されることになった。 ああ、冬には、あの文士さまと、同じところに……。 だが、彼女は知っていた。 身体は秋までもたないと、医者が言っていることを。 生きたい。生きていたい。 はじめて心から願う彼女に、父親はある決断をした。 瓦斯灯がほのかに照らす明治の夜を。 巨大な月が運命を削りだす、激動の時代を。 そのあやかしは、生まれ出でて、跳んだ。 ねえ、あたしの喉を噛み切っておくれよ。 あんたの肝を喰ろうてやるからさぁ。
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登録日 2024.08.23
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