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小説検索AIアシスタントβ

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小説検索AIアシスタントβとは
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ファンタジー 連載中 長編
 悪夢だ。これは悪い夢に違いない。  嘘みたいだ。ほんの今朝まで、いつもと同じ日常が僕を包んでいてくれたのに。  いつものように起きて、いつものように顔を洗って、学校へ来て、友達と話して、授業を……ああ。夢なら早く醒めてほしい。これが本当に夢ならば。  血。真っ赤な血。 鉄臭い匂い。むせかえるほど。  嘘みたいだ。こんなこと。誰か、誰か嘘だって言ってよ。  目の前の光景が信じられずにいると、また一人、二人と、クラスメイトが倒れて動かなくなった。じわりとその体のまわりに血溜まりができる。そしてもう、ぴくりともしない。  ああ、僕も死ぬのだ。あんなふうに。  ─────怖い。  思った瞬間、電気が走るように恐怖が涌き起こってきた。いやだ。嫌だ。イヤだ。死ぬのは怖い。死ぬのは嫌。一人はいや。一人きりで歩くのはいや。  もう独りぽっちになりたくない。 「ーーーーーーーーっ!!」  誰かの名を呼ぼうとして口を開ける。舌は張り付いて、まるで言う事をきかない。体も動かない。逃げ出したいのに、机の下から一歩も動けない。  助けて。助けて。こんなのは嫌だ。やっと見つけたのに。  イヤな音がした。僕の真上から。天井だ。落ちる。落ちてくる。僕の上へ。きっともうすぐ。  僕は叫んだ。狂ったように叫び続けた。なにか言っていたような気もする。だけど体はやっぱり動かない。誰かが僕の名を呼んだような気がした。振り返ろうとして……。  気が付くと、目の前は真っ暗だった。
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文字数 12,032 最終更新日 2025.02.28 登録日 2021.08.04
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