人間賛歌小説(外部サイト)一覧
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□作品紹介□
むかしむかしってほどじゃない、ほんのちょっと前。あるところに一人の女の子がいたんだ。
彼女は優しくて、賢くて、強い子だったけど、ひとつだけ大きな問題があった。そのお陰で、彼女にはずっと、友達といえる友達がいなかった。
ある日のことだった。隣の家の前に、一人の男の子が立ちつくしていた。いつもは見かけないから、多分、お父さんお母さんが家にいなかったか、鍵を忘れちゃったか、あるいはその両方なんだと思う。
迷った。話しかけてどうするんだ、とも思った。そんなことをしたってどうせ、とも思った。
それでも、彼女は話しかけた。手を差し伸べた。少年は今にも泣きそうな顔を必死に崩さないようにする。きっと相当心細かったんだろう。話しかけてよかった、そう思った。
それから彼女には一人の友達が出来た。なんの問題も起きない、幸せな関係。だけど、そんな時間はすぐに音を立てて壊れていった。
むかしむかしってほどじゃない、ほんのちょっと前。あるところに一人の女の子がいたんだ。
彼女は優しくて、賢くて、強い子だったけど、ひとつだけ大きな問題があった。そのお陰で、彼女にはずっと、友達といえる友達がいなかった。
だけど、そんなひとりぼっちの時も過ぎて、彼女は今、ちょっとだけ人とは違う、けれど大半はごく普通の人生を送っている。あの日のことは忘れて。これからもずっと。そのはずだった。
ある日、誰かが言ったんだ。世界を変えるのは意思の力だって。
これは、そんな意思の力で、どこにでも広がっている醜いセカイが、美しくなる。そんな御伽噺。
登録日 2020.02.09
エデンガルド帝国魔法学院非常勤講師、オルレア・ツァラトゥストラはその能力・知識こそ特級たるものだったが、遅刻、早退→自習の常習犯。その上、既存の道徳や常識を一切顧みず、授業を放棄したりと、生徒も呆れるロクでなしだった。
当然ながら彼のそんな態度は、多くの生徒教員から反発を買う。しかし、彼の言動は一見不道徳・不倫理であるが、その本質は『古く都合よく捏造された道徳規範、権力者が作り上げた民衆先導の為の虚構から抜け出し、現実に目覚め、自分を取り戻せ』という倫理観に基づいていた。つまり、社会的にそれらは堕落といかに言われようとも、人間性や本質的には自己の獲得であり、自己の獲得なしに倫理は生まれず、倫理なき社会に未来などないという哲学と社会への批判がその背後に存在しているのだった。
「であれば、皮肉を込めてあえてこう言うおう! 人間よ、もっと堕落せよ!」
登録日 2024.06.16
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