独自解釈あり小説(外部サイト)一覧
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【第一部:死告ノ赫イ糸】
――それは最も脆く、最も強い、命を手繰る物語。
山形の地に伝わる口寄せ巫女の一族『オナカマ』。その末裔である青年・漆山紲は、心霊現象や都市伝説を相手取る探偵業を営んでいた。
そんな折、首なし男の幽霊との一件を経て、呪いに蝕まれた少女・御廟楪を保護する。
呪いの正体は、山形に伝わる冥婚の風習――ムカサリ絵馬。本来死者を弔うための赤い糸が、この世とあの世とで結ばれてしまっていたのだ。
人にとって大切な婚姻を弄ぶ呪いによって、かつて止まってしまった、紲の時間までもが巻き取られていく。
【第二部:白蛇ノ命詰籠】
――それは最も不敬で、最も深い、命を結ぶ物語。
ムカサリ絵馬の件から約一年。山形県警捜査十三課の一員として動いていた紲の下に、奇妙な遺体の情報が舞い込む。
庄内地方の伝統工芸品・いづめこ人形を模したような妊婦の遺体だった。
母体が逝きながらも脈動する胎児と、白蛇伝説とが交わる時、『最大の善意』という名の呪いが山形を絡めとる。
【第三部:乞待ノ百喪語】
――それは最も孤独で、最もありふれた、命を解く物語。
蛇神との戦いから数年。捜査十三課へ、楪の高校時代の同級生にして新人作家の相森が依頼に訪れた。姉弟子のホラー作家・二色根が、異形と番のように歩いていたという。
米沢へと向かった楪たち一行だったが、そこで紲と瓜二つの男を目撃してしまう。
人の想像力を餌として病のように伝染する百鬼夜行。人の思い出を踏みにじるように闊歩する紛い物。多くの物語が生まれた置賜の地で二つの糸が織り重なる時、忌まわしきムカサリ絵馬の呪いが蘇る。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。また、特定の文化・風習・宗教・思想等の支持あるいは批判をするものでもございません。ご留意ください※
登録日 2024.04.19
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