建築士志望の潤也は、就職がうまくいかず苦心しつつも、日々、せめてもと様々な建築物をスケッチして気を紛らわせて過ごしていた。
ある日、道でからまれ、画材も台無しにされた潤也は、身なりの良いビジネスマンのカタギリに助けられる。売り言葉に買い言葉の結果、カタギリは潤也を買うことになるが、指一本触れず、ひたすら潤也の自慰を見詰めるだけだった。生活苦に屈した潤也は、屈辱を感じながらもカタギリに従う。
零れ落ちる断片的な情報を拾い集めるうちに、潤也はやがて、少しずつカタギリの胸の内を知っていく。
文字数 81,635
最終更新日 2022.11.09
登録日 2021.10.31