18 / 47
第二章
第一話 どっちへ行こうかな?(これも出会いなのかな?)
しおりを挟む
城門を出てから、大冒険の一歩目を踏み出した…までは良かったのだが、どこに行くかを決めていなかった。
僕が出た城門は、城下町側とは違い…
グリーディボアやグレートホーンブルを狩った、アーベント草原方面だった。
右の街道を真っ直ぐ行くと、サーディリアン聖王国という場所について…
左の街道を真っ直ぐ行くと、港から船を使って聖竜国グランディオ方面にいくらしい。
「さて、どっちに行こうかな?」
僕は棒を立てて、倒れた方向に進む事にする…
すると棒は倒れたのだが…?
「テルシア王国に倒れてどうする? 戻る気はないぞ。」
もう一度やると、左右の街道とは別に草原を刺していた。
まぁ、食料はあるし…真っ直ぐ進んでみますか!
僕は真っ直ぐ歩いてどこに行けるか試しに歩いて行った…が⁉
地面が消えて、巨大なクレーターに真っ逆さまに落ちて行った。
「魔法が使えなかったら危なかったな…」
地面に激突する寸前に、魔力で体を安定させてゆっくりと降りた。
日差しの向きが真上ではないので、辺りは暗かった。
光魔法で玉を上空に飛ばして弾けさせると、光るだけの巨大な玉を出現させた。
そして辺りを見るが…?
「やっぱり、ただの穴か…」
壁を崩せば遺跡がある…何て言うのを期待したのだが、どう見ても明らかに人の手が入った形跡がない。
穴の大きさも、直径30mで深さ20mと言った所だった。
地面にも何もない。
マップを見ても、道がある訳でもない。
僕はその場から飛んで穴を脱出した。
結局、何もなかったからだ。
ただ…こんな草原に突然穴が開いている理由が解らなかった。
気にしていても仕方ないので、再び歩き出した。
しばらく歩いていると…今度は壁に阻まれた。
「何でこんな所に壁があるんだ?」
人の手で作られた壁らしく、鑑定で調べると遺跡と出た。
僕は辺りを探ったが、壁以外何もなかった。
長い年月で風化したのか、この壁だけが頑丈で残っていたのか…?
結局、何も見つからなかったので、壁際で食事にして少し休憩した。
「特に当てのない旅だけど、こうも何の刺激もないとなぁ…」
刺激がそんなゴロゴロとある訳がない。
僕は飽きてきたので立ち上がると、こちらに接近する何かを発見した。
刀を抜いて構えるが、接近する何かは、方向を変えて右の方を走って行った。
僕は宙に浮かぶと、去っていた方向を見た。
すると、虎の様な魔物が馬車を追っていた。
「そうそう、こういう展開を待っていたんだよ!」
僕は風魔法で馬車を追い掛けると、馬車と同じくらいの巨大な虎だった。
その虎は、馬車を狙っていたので、上に飛んでから首を斬り落とした。
僕は声を掛けた。
「虎の魔物は倒しました、もう大丈夫ですよ!」
馬車の扉が開き、そこに出て来たのは…
絶世の美少女が涙を流しながら僕に感謝をする…何ていうのを密かに期待したのだが、出て来たのは頭の禿げた小太りのおっさんで、ハンカチで顔の汗を拭っていた商人らしき男だった。
僕はその姿を見て溜息を吐いた。
「おぉ! 冒険者よ‼ 助けて戴きありがとうございました!」
「あぁ…いえいえ…どういたしまして!」
「実は、行商でエルヴの集落を目指していたのですが、ロンベルタイガーに追い掛けられましてね…本当に助かりました! 私も娘も感謝しております!」
そう言って、馬車の中から降りて来たのは…
今度こそ正真正銘の美少女で、僕を見てひとめぼれ…する事は絶対にない、7歳くらいの少女だった。
親父に似ずに可愛らしい子だったので、育てば美少女になるかもしれないだろうが?
「私の名はロンバークと言いまして、サーディリアンに商会を出しています。 そしてこちらが、娘のサシャです。」
「こんにちは、サシャお嬢様…僕はダン・スーガーという冒険者です。」
まだ子供なのか、父親の陰に隠れてしまった。
「これからどうするのですか? 目的地に向かうのでしたら、護衛として雇われても良いですが…」
「おぉ、何と心強い! ダン様はさぞ高ランクな冒険者とお見受けします。 差し支えなければ、ランクを教えて貰っても良いですか?」
「僕はSランクです。」
「どひゃー⁉ Sランクですか…申し訳ありません、Sランクの方に支払える報酬はないのですよ…」
「なら、別に要りませんよ。 僕もエルヴの集落という場所が気になっていましたので…」
「そんな…それでは私の気が済みません。 ではいつかサーディリアンに来た時に商会に来て下さい。 その時にダン様の気に入った物をプレゼントいたしますので…」
これを断ったら、面倒な事になりそうだな。
僕はそれを条件に快く引き受けて、馬車に乗った。
移動している間、サシャちゃんが僕を恥ずかしそうな顔をして見ていた。
僕にも妹がいたので、小さな子のあやし方は知っている。
「ほら、サシャちゃん…お魚だよ~」
僕はそう言って、小さな水魔法を宙に浮かせて金魚をつくり浮かせて見せた。
サシャちゃんは、嬉しそうな顔をすると、更に4つの水玉で金魚を作り馬車の中を自由に泳がせて見せた。
「ダン様は凄いですね! この様な水魔法を私は見た事がありません!」
「ちっちゃいお魚さん、可愛い!」
「僕にも妹が居ましたので、女の子のあやし方は知っているんですよ。」
エルヴの集落に着くまでに色々魔法を披露した。
しばらくすると、エルヴの集落に降りる道に着いた。
そこには、褐色の肌の屈強な耳の長い種族のエルヴ族が立っていた。
ロンバーグはエルヴ族と話した後に、エルヴの集落に行く許可を貰った。
馬車は、エルヴの集落を目指して進んでいった。
そして、そのエルヴの集落で一騒動起きるのだった。
僕が出た城門は、城下町側とは違い…
グリーディボアやグレートホーンブルを狩った、アーベント草原方面だった。
右の街道を真っ直ぐ行くと、サーディリアン聖王国という場所について…
左の街道を真っ直ぐ行くと、港から船を使って聖竜国グランディオ方面にいくらしい。
「さて、どっちに行こうかな?」
僕は棒を立てて、倒れた方向に進む事にする…
すると棒は倒れたのだが…?
「テルシア王国に倒れてどうする? 戻る気はないぞ。」
もう一度やると、左右の街道とは別に草原を刺していた。
まぁ、食料はあるし…真っ直ぐ進んでみますか!
僕は真っ直ぐ歩いてどこに行けるか試しに歩いて行った…が⁉
地面が消えて、巨大なクレーターに真っ逆さまに落ちて行った。
「魔法が使えなかったら危なかったな…」
地面に激突する寸前に、魔力で体を安定させてゆっくりと降りた。
日差しの向きが真上ではないので、辺りは暗かった。
光魔法で玉を上空に飛ばして弾けさせると、光るだけの巨大な玉を出現させた。
そして辺りを見るが…?
「やっぱり、ただの穴か…」
壁を崩せば遺跡がある…何て言うのを期待したのだが、どう見ても明らかに人の手が入った形跡がない。
穴の大きさも、直径30mで深さ20mと言った所だった。
地面にも何もない。
マップを見ても、道がある訳でもない。
僕はその場から飛んで穴を脱出した。
結局、何もなかったからだ。
ただ…こんな草原に突然穴が開いている理由が解らなかった。
気にしていても仕方ないので、再び歩き出した。
しばらく歩いていると…今度は壁に阻まれた。
「何でこんな所に壁があるんだ?」
人の手で作られた壁らしく、鑑定で調べると遺跡と出た。
僕は辺りを探ったが、壁以外何もなかった。
長い年月で風化したのか、この壁だけが頑丈で残っていたのか…?
結局、何も見つからなかったので、壁際で食事にして少し休憩した。
「特に当てのない旅だけど、こうも何の刺激もないとなぁ…」
刺激がそんなゴロゴロとある訳がない。
僕は飽きてきたので立ち上がると、こちらに接近する何かを発見した。
刀を抜いて構えるが、接近する何かは、方向を変えて右の方を走って行った。
僕は宙に浮かぶと、去っていた方向を見た。
すると、虎の様な魔物が馬車を追っていた。
「そうそう、こういう展開を待っていたんだよ!」
僕は風魔法で馬車を追い掛けると、馬車と同じくらいの巨大な虎だった。
その虎は、馬車を狙っていたので、上に飛んでから首を斬り落とした。
僕は声を掛けた。
「虎の魔物は倒しました、もう大丈夫ですよ!」
馬車の扉が開き、そこに出て来たのは…
絶世の美少女が涙を流しながら僕に感謝をする…何ていうのを密かに期待したのだが、出て来たのは頭の禿げた小太りのおっさんで、ハンカチで顔の汗を拭っていた商人らしき男だった。
僕はその姿を見て溜息を吐いた。
「おぉ! 冒険者よ‼ 助けて戴きありがとうございました!」
「あぁ…いえいえ…どういたしまして!」
「実は、行商でエルヴの集落を目指していたのですが、ロンベルタイガーに追い掛けられましてね…本当に助かりました! 私も娘も感謝しております!」
そう言って、馬車の中から降りて来たのは…
今度こそ正真正銘の美少女で、僕を見てひとめぼれ…する事は絶対にない、7歳くらいの少女だった。
親父に似ずに可愛らしい子だったので、育てば美少女になるかもしれないだろうが?
「私の名はロンバークと言いまして、サーディリアンに商会を出しています。 そしてこちらが、娘のサシャです。」
「こんにちは、サシャお嬢様…僕はダン・スーガーという冒険者です。」
まだ子供なのか、父親の陰に隠れてしまった。
「これからどうするのですか? 目的地に向かうのでしたら、護衛として雇われても良いですが…」
「おぉ、何と心強い! ダン様はさぞ高ランクな冒険者とお見受けします。 差し支えなければ、ランクを教えて貰っても良いですか?」
「僕はSランクです。」
「どひゃー⁉ Sランクですか…申し訳ありません、Sランクの方に支払える報酬はないのですよ…」
「なら、別に要りませんよ。 僕もエルヴの集落という場所が気になっていましたので…」
「そんな…それでは私の気が済みません。 ではいつかサーディリアンに来た時に商会に来て下さい。 その時にダン様の気に入った物をプレゼントいたしますので…」
これを断ったら、面倒な事になりそうだな。
僕はそれを条件に快く引き受けて、馬車に乗った。
移動している間、サシャちゃんが僕を恥ずかしそうな顔をして見ていた。
僕にも妹がいたので、小さな子のあやし方は知っている。
「ほら、サシャちゃん…お魚だよ~」
僕はそう言って、小さな水魔法を宙に浮かせて金魚をつくり浮かせて見せた。
サシャちゃんは、嬉しそうな顔をすると、更に4つの水玉で金魚を作り馬車の中を自由に泳がせて見せた。
「ダン様は凄いですね! この様な水魔法を私は見た事がありません!」
「ちっちゃいお魚さん、可愛い!」
「僕にも妹が居ましたので、女の子のあやし方は知っているんですよ。」
エルヴの集落に着くまでに色々魔法を披露した。
しばらくすると、エルヴの集落に降りる道に着いた。
そこには、褐色の肌の屈強な耳の長い種族のエルヴ族が立っていた。
ロンバーグはエルヴ族と話した後に、エルヴの集落に行く許可を貰った。
馬車は、エルヴの集落を目指して進んでいった。
そして、そのエルヴの集落で一騒動起きるのだった。
44
お気に入りに追加
1,407
あなたにおすすめの小説
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
豊穣の巫女から追放されたただの村娘。しかし彼女の正体が予想外のものだったため、村は彼女が知らないうちに崩壊する。
下菊みこと
ファンタジー
豊穣の巫女に追い出された少女のお話。
豊穣の巫女に追い出された村娘、アンナ。彼女は村人達の善意で生かされていた孤児だったため、むしろお礼を言って笑顔で村を離れた。その感謝は本物だった。なにも持たない彼女は、果たしてどこに向かうのか…。
小説家になろう様でも投稿しています。
醜さを理由に毒を盛られたけど、何だか綺麗になってない?
京月
恋愛
エリーナは生まれつき体に無数の痣があった。
顔にまで広がった痣のせいで周囲から醜いと蔑まれる日々。
貴族令嬢のため婚約をしたが、婚約者から笑顔を向けられたことなど一度もなかった。
「君はあまりにも醜い。僕の幸せのために死んでくれ」
毒を盛られ、体中に走る激痛。
痛みが引いた後起きてみると…。
「あれ?私綺麗になってない?」
※前編、中編、後編の3話完結
作成済み。
冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
【短編】追放した仲間が行方不明!?
mimiaizu
ファンタジー
Aランク冒険者パーティー『強欲の翼』。そこで支援術師として仲間たちを支援し続けていたアリクは、リーダーのウーバの悪意で追補された。だが、その追放は間違っていた。これをきっかけとしてウーバと『強欲の翼』は失敗が続き、落ちぶれていくのであった。
※「行方不明」の「追放系」を思いついて投稿しました。短編で終わらせるつもりなのでよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる