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本編
第二十四話 最悪な悪足掻き
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聖女ダイアは不的な笑みを浮かべると、左手の甲にある聖女の印を私の方に向けて詠唱を唱え始めた。
「貴女ねぇ、さっきから散々放った魔法が外れているのに…まだ悪足掻きをするつもりなの?」
聖女ダイアは詠唱が終わると、聖女の印が光り出していた。
「この魔法は攻撃魔法では無いわ! 私がマーテルリアに放つ最悪な呪いを与える魔法なのよ‼︎」
私は聖女ダイアにそう言われると、聖女の魔法の中に呪いがあるのかと感心した。
聖女の魔法は主に、神聖や光に関する魔法が多かったので…呪いがあるとは夢にも思わなかった。
「しかも、この魔法は対象者を選んだら確実に当てられる事が出来る魔法よ! マーテルリアは今後の人生を嘆き苦しむと良いわ‼︎」
聖女ダイアの聖女の印から細長い光が私の方に向かって飛んで来た。
私は避けようとしたけど、光は私を目掛けて追って来た。
そして私の左手の甲にその光が当たると、聖女ダイアの聖女の印が左手の甲から離れて…私の左手の甲に移ったのだった。
すると、私の左手の甲に聖女の印が光を放っていたのでした。
「なっ⁉︎」
「私が魔法を習った際に書かれた書物の最後のページには、聖女の印を譲渡する魔法が描かれていたわ! これで…マーテルリアが聖女として役目を果たす為に死ぬのよ‼︎」
「まさか…こんな事って⁉︎」
「ふふん、いい気味ね! これでお前は死の運命から逃れられない…私は男爵家に帰ってから、お前の死の朗報を待ち望むとするわ‼︎」
最期の最期で、聖女…いや、ダイアは勝ち誇った様な笑みを私に向けて浮かべた。
私はダイアの話を聞いて、この女は何を言っているんだろうと疑問の顔を向けた。
「何よ、その顔は⁉︎」
「いえ…逃亡を図る為に神殿を破壊して、更に公爵家の馬車を襲撃した人が…聖女の印が無くなれば普通に捕まるとは思わない訳?」
「あ!」
「聖女の印を持っていた貴女だったら罪は免れていたかもしれないけど、聖女の印を失えば…貴女はただの重罪人よ? 牢獄の中で朗報を待つ…というのなら分かるけど、そんな人が自分の屋敷に帰れるわけがないでしょう…頭は大丈夫?」
元聖女ダイアは、膝から崩れる様に地面に手を付いた。
聖女の印が無くなれば、元の男爵令嬢に戻れると思っていたみたいだった。
「ふ…ふん! まぁ良いわ! どのみちお前には…死の運命が付き纏うことになるのだからね‼︎」
「死の運命がねぇ…?」
私は左手にある聖女の印を見ながら思った。
魔法が使え無い私だったら、聖女の印を移された時点で死の運命が決まっていると思ってしまったかもしれない。
だけど…私だったら死の運命から免れるかも?
暫くしてから騎士団が到着し、元聖女ダイアは騎士団に捕まって連行されて行った。
その際に元聖女ダイアが騒いでくれたお陰で、私が聖女の印を持っている事がバレてしまい…騎士が数人此方に来た。
「マーテルリア公爵令嬢、貴女が聖女の印を受け継いだというのは本当の話でしょうか?」
私は騎士達に聖女の印を見せた。
「では、我々と共に…」
そう言って騎士が私に手を伸ばした時に、パケットが立ち塞がった。
「ん、今はマーテルリアはショックを受けている。 後で連れて行かせるから此処は引いてくれないか?」
「何だ貴様は‼︎」
そう言われたパケットは、懐からディスガルディア共和国の紋章を取り出して騎士達に見せた。
「私はディスガルディア共和国、プリズムナイツの序列七位のパケット・テンガーロットです。 この場は私に預けてはくれないか?」
パケットはそう言うと、騎士達はその場で跪いて深々と頭を下げながら頷いた。
一国の騎士とプリズムナイツでは、国王と平民くらいに身分が違うのだった。
騎士達は馬に乗ってその場を去って行った。
「パケット助かったわ! あのまま連れて行かれたら、また家族と引き離されたかもしれないから…」
「リアの性格上…ショックを受けた感じはしなかったけど、考える時間とかは欲しいと思ったからね。」
私はとりあえず報告をする為にフローレンス公爵家に向かうのでした。
公爵家に到着してから両親と兄達に報告をすると、やはり大騒ぎになるのでした。
「貴女ねぇ、さっきから散々放った魔法が外れているのに…まだ悪足掻きをするつもりなの?」
聖女ダイアは詠唱が終わると、聖女の印が光り出していた。
「この魔法は攻撃魔法では無いわ! 私がマーテルリアに放つ最悪な呪いを与える魔法なのよ‼︎」
私は聖女ダイアにそう言われると、聖女の魔法の中に呪いがあるのかと感心した。
聖女の魔法は主に、神聖や光に関する魔法が多かったので…呪いがあるとは夢にも思わなかった。
「しかも、この魔法は対象者を選んだら確実に当てられる事が出来る魔法よ! マーテルリアは今後の人生を嘆き苦しむと良いわ‼︎」
聖女ダイアの聖女の印から細長い光が私の方に向かって飛んで来た。
私は避けようとしたけど、光は私を目掛けて追って来た。
そして私の左手の甲にその光が当たると、聖女ダイアの聖女の印が左手の甲から離れて…私の左手の甲に移ったのだった。
すると、私の左手の甲に聖女の印が光を放っていたのでした。
「なっ⁉︎」
「私が魔法を習った際に書かれた書物の最後のページには、聖女の印を譲渡する魔法が描かれていたわ! これで…マーテルリアが聖女として役目を果たす為に死ぬのよ‼︎」
「まさか…こんな事って⁉︎」
「ふふん、いい気味ね! これでお前は死の運命から逃れられない…私は男爵家に帰ってから、お前の死の朗報を待ち望むとするわ‼︎」
最期の最期で、聖女…いや、ダイアは勝ち誇った様な笑みを私に向けて浮かべた。
私はダイアの話を聞いて、この女は何を言っているんだろうと疑問の顔を向けた。
「何よ、その顔は⁉︎」
「いえ…逃亡を図る為に神殿を破壊して、更に公爵家の馬車を襲撃した人が…聖女の印が無くなれば普通に捕まるとは思わない訳?」
「あ!」
「聖女の印を持っていた貴女だったら罪は免れていたかもしれないけど、聖女の印を失えば…貴女はただの重罪人よ? 牢獄の中で朗報を待つ…というのなら分かるけど、そんな人が自分の屋敷に帰れるわけがないでしょう…頭は大丈夫?」
元聖女ダイアは、膝から崩れる様に地面に手を付いた。
聖女の印が無くなれば、元の男爵令嬢に戻れると思っていたみたいだった。
「ふ…ふん! まぁ良いわ! どのみちお前には…死の運命が付き纏うことになるのだからね‼︎」
「死の運命がねぇ…?」
私は左手にある聖女の印を見ながら思った。
魔法が使え無い私だったら、聖女の印を移された時点で死の運命が決まっていると思ってしまったかもしれない。
だけど…私だったら死の運命から免れるかも?
暫くしてから騎士団が到着し、元聖女ダイアは騎士団に捕まって連行されて行った。
その際に元聖女ダイアが騒いでくれたお陰で、私が聖女の印を持っている事がバレてしまい…騎士が数人此方に来た。
「マーテルリア公爵令嬢、貴女が聖女の印を受け継いだというのは本当の話でしょうか?」
私は騎士達に聖女の印を見せた。
「では、我々と共に…」
そう言って騎士が私に手を伸ばした時に、パケットが立ち塞がった。
「ん、今はマーテルリアはショックを受けている。 後で連れて行かせるから此処は引いてくれないか?」
「何だ貴様は‼︎」
そう言われたパケットは、懐からディスガルディア共和国の紋章を取り出して騎士達に見せた。
「私はディスガルディア共和国、プリズムナイツの序列七位のパケット・テンガーロットです。 この場は私に預けてはくれないか?」
パケットはそう言うと、騎士達はその場で跪いて深々と頭を下げながら頷いた。
一国の騎士とプリズムナイツでは、国王と平民くらいに身分が違うのだった。
騎士達は馬に乗ってその場を去って行った。
「パケット助かったわ! あのまま連れて行かれたら、また家族と引き離されたかもしれないから…」
「リアの性格上…ショックを受けた感じはしなかったけど、考える時間とかは欲しいと思ったからね。」
私はとりあえず報告をする為にフローレンス公爵家に向かうのでした。
公爵家に到着してから両親と兄達に報告をすると、やはり大騒ぎになるのでした。
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