12 / 105
~2. 王位継承権~
怒りの矛先
しおりを挟む
「貴女が去った後、我に返り、反省した。貴女のことになると、自分はどうにも…」
そう言いながらサイラス殿下が私を見る。困惑したような申し訳なさそうな表情…
「強引なことをして、すまなかった」
そう言った殿下は私に頭を下げた。突然のことに驚く。第二王子である殿下に頭を下げさせるだなんて、私は慌てて声を掛けた。
「あ、頭を上げてください…っ」
「許してくれるか?」
「ゆ、許すも何も…、そもそも私は怒ってなど…」
そう答えた私に、サイラス殿下は安堵したように表情を緩める。そして、そのまま私は腕を引き寄せられ、優しく抱き締められた。
◇
殿下の温かい腕の中で、私も安堵して目を瞑る。昨夜のことを殿下は怒ってはいなかった。良かった。
「あの…、殿下…?」
「ん…?」
「昨夜のことは怒っていないのですよね…?」
「あぁ」
「それでは、先ほどまでは何に怒っていらしたのですか…?」
ふと浮かんだ疑問。昨夜のことではないのなら、他に何か怒らせるような理由などあっただろうか。そう思った瞬間、グイッと顔を寄せられた。
「─…っ!? 殿…下…っ、んん…ッ」
気付けば、殿下に唇を奪われていた。突然のことに驚いて身を竦める。殿下はそんな私の唇を抉じ開け、ヌル…と舌を絡めた。
「ま、待…っ、んん…っ、ハァ…、やぅ…」
急に何が起きたのか。つい先ほど、私たちのわだかまりは解決したはず。ならば、この乱暴なキスの意味は…?
「で…、殿…下…っ」
「話を戻す。クラウスとは何の話を?」
そう尋ねた殿下の瞳は、先ほどの怒りを含んだそれに戻っていた。
「─…っ!」
「言えぬ話か…?」
「違…っ、たいした話では…っ」
「ならば、言っても構わぬだろう?」
背中に添えられた殿下の手がモゾモゾと動く。きつく着付けた上半身が緩み、ドレスの背中の紐を解かれているのだと気付く。
「だ、駄目ですわ…! こ、このドレスは、一人では着れぬもので…っ」
「後でレイラを呼べばいいのだろう?」
「─…っ!?」
予想外の展開に戸惑う。何がどうして私はドレスの紐を解かれているのか。そもそも殿下は何を怒っているの…?
そう言いながらサイラス殿下が私を見る。困惑したような申し訳なさそうな表情…
「強引なことをして、すまなかった」
そう言った殿下は私に頭を下げた。突然のことに驚く。第二王子である殿下に頭を下げさせるだなんて、私は慌てて声を掛けた。
「あ、頭を上げてください…っ」
「許してくれるか?」
「ゆ、許すも何も…、そもそも私は怒ってなど…」
そう答えた私に、サイラス殿下は安堵したように表情を緩める。そして、そのまま私は腕を引き寄せられ、優しく抱き締められた。
◇
殿下の温かい腕の中で、私も安堵して目を瞑る。昨夜のことを殿下は怒ってはいなかった。良かった。
「あの…、殿下…?」
「ん…?」
「昨夜のことは怒っていないのですよね…?」
「あぁ」
「それでは、先ほどまでは何に怒っていらしたのですか…?」
ふと浮かんだ疑問。昨夜のことではないのなら、他に何か怒らせるような理由などあっただろうか。そう思った瞬間、グイッと顔を寄せられた。
「─…っ!? 殿…下…っ、んん…ッ」
気付けば、殿下に唇を奪われていた。突然のことに驚いて身を竦める。殿下はそんな私の唇を抉じ開け、ヌル…と舌を絡めた。
「ま、待…っ、んん…っ、ハァ…、やぅ…」
急に何が起きたのか。つい先ほど、私たちのわだかまりは解決したはず。ならば、この乱暴なキスの意味は…?
「で…、殿…下…っ」
「話を戻す。クラウスとは何の話を?」
そう尋ねた殿下の瞳は、先ほどの怒りを含んだそれに戻っていた。
「─…っ!」
「言えぬ話か…?」
「違…っ、たいした話では…っ」
「ならば、言っても構わぬだろう?」
背中に添えられた殿下の手がモゾモゾと動く。きつく着付けた上半身が緩み、ドレスの背中の紐を解かれているのだと気付く。
「だ、駄目ですわ…! こ、このドレスは、一人では着れぬもので…っ」
「後でレイラを呼べばいいのだろう?」
「─…っ!?」
予想外の展開に戸惑う。何がどうして私はドレスの紐を解かれているのか。そもそも殿下は何を怒っているの…?
21
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
余命六年の幼妻の願い~旦那様は私に興味が無い様なので自由気ままに過ごさせて頂きます。~
流雲青人
恋愛
商人と商品。そんな関係の伯爵家に生まれたアンジェは、十二歳の誕生日を迎えた日に医師から余命六年を言い渡された。
しかし、既に公爵家へと嫁ぐことが決まっていたアンジェは、公爵へは病気の存在を明かさずに嫁ぐ事を余儀なくされる。
けれど、幼いアンジェに公爵が興味を抱く訳もなく…余命だけが過ぎる毎日を過ごしていく。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる