高尾山で立ち寄ったカフェにはつくも神のぬいぐるみとムササビやもふもふがいました

なかじまあゆこ

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つくも神

新コンビ

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「夜になると楽しい時間が待っているんだにゃん」

  ミケがまだかまだかと窓の外を眺めている。

「あはは、ミケちゃんてばそんなに窓の外を眺めなくてももう真っ暗だよ~」

  なんて言っているわたしもムササビが空を飛ぶ姿を見てみたくてワクワクしているのだ。

「ニヒヒ、わたしってば人気ものだな~」

  ムササビはふふんと得意げに胸を張る。

「おいおい、そんなことより店を閉める手伝いをしてくれよな」

  呆れたように笑う高男さんが言った。

「閉店作業って何をするんだろう?」

  わたしは疑問に思ったことを呟いた。

「明日のためにお店全体を綺麗にしておくんですよ。テーブルや床を拭いたり食材の補充や仕込みなどをね」

「大変なんですね……」
「まあ、大変と言ってもうちの店は他店よりず~っと楽ですけどね。なんたって暇な店だから……」

「高男さんってば暇って自分で言うんだから」

  ムササビが肩を震わせ笑う。

「こらこらムササビ笑うんじゃないよ」

  高男さんはギロッとムササビを睨んだ。

「だって、暇をアピールしているみたいなんだもんね」

  ムササビは先程よりも肩を震わせている。

「ふん、勝手に笑っていなさい!」

  高男さんはちょっとムッとした感じではあるけれどこの高ムサコンビは最強だなと思う。

「ねえ、今高ムサって聞こえたんだけど~」
「聞こえたな」

  ムササビと高男さんがほぼ同時に言ってわたしの顔をチラリと見た。

  あらま、どうやら声に出てしまっていたらしい。
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