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最高にうまい食堂
みどりの弱点
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「それがね、大浴場でね!」
「大浴場?」
「うん。そう、このみどりちゃんがね~」
あ、あの事か……。
「ま、真理子! 先を続けなくてもいい!」
わたしは、焦りながら真理子を睨む。睨むが効き目は無しのようだ。
「あのね。みどりちゃんてばねバスタオルを体にぐるぐる巻きにしてお風呂に入るんだよ。なんでて聞いたら、恥ずかしいからだって。もうみどりちゃんの弱点を発見! て感じで嬉しかったよ~」
「ははっ。ぐるぐる巻きですか~」
亜利子ちゃんは目を丸くしている。
「そうそうぐるぐる巻きだよ~あの姿見せてあげたかったなあ」
酷い! 真理子の奴許せない!
「ま、ま、真理子酷~い!」
わたしの目の前に湯気が立っている沖縄そばがある。
すっかり、沖縄そばを食べることを忘れていたではないか。
「え~だって、面白かったよ~写真を撮りたかったぐらいだよ」
「わたしも見たかったなあ」
わたしの目の前に座る亜利子ちゃんは笑いながら沖縄そばを食べている。
「ち、ちょっと二人とも……」
「でも、なんだかんだ言いながら楽しそうじゃないですか」
そうかな、亜利子ちゃん。少なくても今は楽しくない。今の気分は真理子をバスタオルでぐるぐる巻きにしてやりたいという心境なんだよ。
それから、暫くの間この話題で盛り上がった。真理子と亜利子ちゃんがね。
わたしが無言で沖縄そばを食べていることにようやく気がついたらしい真理子は、
「ごめんね。みどりちゃん。ちょっと悪ふざけし過ぎちゃったかな? 許してね」
こちらの方を振り向き手をあわせて謝った。
沖縄そばは今日も美味しい。いつ食べても美味しい。この沖縄そばに免じて特別に許してあげよう。
「許してあげるよ。特別にだよ~沖縄そばに感謝してよね」
「ありがとう~みどりちゃん~沖縄そばさん」
なんて言ってわたしに飛びついてくる真理子。暑苦しいではないか。
わいわい騒ぎながらの夕ご飯。
目の前にはとびっきり美味しい『沖縄そば定食』島唐辛子も大量に入れたから、物凄く美味しい。
真理子に亜利子ちゃんという友達が二人もいる。
真理子には今日も呆れたけれど、真理子がいるから、この沖縄の地でもなんとか頑張ることができるのかもしれない。
「いらしゃいませ~」
おばちゃんの威勢のよい声がした。それとほぼ同時に。
「あれ? お嬢さん達! え~と、並木さんに梅木さんに、そして亜利子ちゃん」
その声に振り返ると宮代さんが作業着姿でニコニコしながら立っていた。
「宮代さん! こんばんは」とわたし達三人は挨拶をした。
「久しぶりですね。というか、数日ぶりですね」とわたしは言った。
宮代さんはわたし達の隣のテーブルの上に鞄を置きながら、「またまた会えて嬉しいよ」と笑顔を浮かべている。
「ご飯を注文してくるさー」
と言って券売機の方へと宮代さんが向かってからようやく気がついた。
「ねえ、亜利子ちゃん」
「なんですか?」
「宮代さん、亜利子ちゃんのことを名前で呼んでなかった?」
「あ、本当だ!」
真理子も気がついた様子だ。
「そうなんですよ。実はわたし、最高にうまい食堂に何度か一人でも来てるんですよ。そしたら、宮代さんと何度か会って、亜利子ちゃんって呼ばれるようになったんです!」
なんとまあ、亜利子ちゃんは既に沖縄生活を満喫しているようだ。
「亜利子ちゃんは、沖縄生活の先輩だね!」と真理子は、ぼそっと呟いた。
「そうだね! 確かに」
「やったーわたしも遂に、お二人の先輩なんだ、なんでも聞いてくださいよ!」
なんて言いながら亜利子ちゃんは笑っている。
沖縄そばを食い逃げしたりして変わったことをする子だけど、行動力は抜群なのかもしれない。
「大浴場?」
「うん。そう、このみどりちゃんがね~」
あ、あの事か……。
「ま、真理子! 先を続けなくてもいい!」
わたしは、焦りながら真理子を睨む。睨むが効き目は無しのようだ。
「あのね。みどりちゃんてばねバスタオルを体にぐるぐる巻きにしてお風呂に入るんだよ。なんでて聞いたら、恥ずかしいからだって。もうみどりちゃんの弱点を発見! て感じで嬉しかったよ~」
「ははっ。ぐるぐる巻きですか~」
亜利子ちゃんは目を丸くしている。
「そうそうぐるぐる巻きだよ~あの姿見せてあげたかったなあ」
酷い! 真理子の奴許せない!
「ま、ま、真理子酷~い!」
わたしの目の前に湯気が立っている沖縄そばがある。
すっかり、沖縄そばを食べることを忘れていたではないか。
「え~だって、面白かったよ~写真を撮りたかったぐらいだよ」
「わたしも見たかったなあ」
わたしの目の前に座る亜利子ちゃんは笑いながら沖縄そばを食べている。
「ち、ちょっと二人とも……」
「でも、なんだかんだ言いながら楽しそうじゃないですか」
そうかな、亜利子ちゃん。少なくても今は楽しくない。今の気分は真理子をバスタオルでぐるぐる巻きにしてやりたいという心境なんだよ。
それから、暫くの間この話題で盛り上がった。真理子と亜利子ちゃんがね。
わたしが無言で沖縄そばを食べていることにようやく気がついたらしい真理子は、
「ごめんね。みどりちゃん。ちょっと悪ふざけし過ぎちゃったかな? 許してね」
こちらの方を振り向き手をあわせて謝った。
沖縄そばは今日も美味しい。いつ食べても美味しい。この沖縄そばに免じて特別に許してあげよう。
「許してあげるよ。特別にだよ~沖縄そばに感謝してよね」
「ありがとう~みどりちゃん~沖縄そばさん」
なんて言ってわたしに飛びついてくる真理子。暑苦しいではないか。
わいわい騒ぎながらの夕ご飯。
目の前にはとびっきり美味しい『沖縄そば定食』島唐辛子も大量に入れたから、物凄く美味しい。
真理子に亜利子ちゃんという友達が二人もいる。
真理子には今日も呆れたけれど、真理子がいるから、この沖縄の地でもなんとか頑張ることができるのかもしれない。
「いらしゃいませ~」
おばちゃんの威勢のよい声がした。それとほぼ同時に。
「あれ? お嬢さん達! え~と、並木さんに梅木さんに、そして亜利子ちゃん」
その声に振り返ると宮代さんが作業着姿でニコニコしながら立っていた。
「宮代さん! こんばんは」とわたし達三人は挨拶をした。
「久しぶりですね。というか、数日ぶりですね」とわたしは言った。
宮代さんはわたし達の隣のテーブルの上に鞄を置きながら、「またまた会えて嬉しいよ」と笑顔を浮かべている。
「ご飯を注文してくるさー」
と言って券売機の方へと宮代さんが向かってからようやく気がついた。
「ねえ、亜利子ちゃん」
「なんですか?」
「宮代さん、亜利子ちゃんのことを名前で呼んでなかった?」
「あ、本当だ!」
真理子も気がついた様子だ。
「そうなんですよ。実はわたし、最高にうまい食堂に何度か一人でも来てるんですよ。そしたら、宮代さんと何度か会って、亜利子ちゃんって呼ばれるようになったんです!」
なんとまあ、亜利子ちゃんは既に沖縄生活を満喫しているようだ。
「亜利子ちゃんは、沖縄生活の先輩だね!」と真理子は、ぼそっと呟いた。
「そうだね! 確かに」
「やったーわたしも遂に、お二人の先輩なんだ、なんでも聞いてくださいよ!」
なんて言いながら亜利子ちゃんは笑っている。
沖縄そばを食い逃げしたりして変わったことをする子だけど、行動力は抜群なのかもしれない。
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