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沖縄で働きます
忘れられない味がある
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忘れられない味がある。あのうどんのようなそば。そう、それは沖縄そばだ。
沖縄そばに島唐辛子を入れるとたまらなく美味しくなる。
島唐辛子とは本土でいう七味唐辛子に似たようなものだけど少し違い、島唐辛子を沖縄の泡盛に漬け込んだ調味料である。
沖縄の飲食店には絶対といってもよいくらい置かれている。置いてない方が珍しい。
わたしは、この島唐辛子を沖縄そばに大量に入れて食べるのが大好きだ。
「真理子~何をやっているの? 真理子ってば! 置いていくよ~」
「待って~みどりちゃん」
真理子の奴は一体何をしているのかと確認すると、観光案内所に置かれているパンフレットをかきあつめていた。
ここは沖縄である。
バカンスで来たかって?
いいえ違うの。
わたし達は今回は観光で来たのではない。
この沖縄の地で仕事をするためにやって来たのだ。それなのに真理子の奴は観光のパンフレットなんて呑気に集めて相変わらずだ。
わたしと真理子は働いていた会社で同期だった。だったというのはわたしも真理子も会社を辞めたからだ。
辞めた理由は自分達の仕事が認められないのと、特にやりたい仕事でもなかったからだ。
両親や周りの友達は勿体ないと言う。
両親は会社を辞めることに大反対だった。せっかく就職できてボーナスもあるのに何事だと。
やり甲斐なんてなくてもこのご時世、就職ができてお金に不自由しないだけでも有難いのだからとわたしの退職をとめた。
両親の言っていることはごもっともだ。
だけど、わたしは自分の意志を曲げなかった。
フリーターをしている友達はきっと賛成してくれると思ったのに、答えは違った。
『会社を辞めると大変だよ! わたしなんか家賃を払うのも精一杯なんだから』
『え! 沖縄~旅行じゃなくて住むの? 長期で! 仕事を沖縄で。やめときなよ~』
『みどりちゃんと会えなくなるじゃん。遊べなくなるよ~』
等々の答えだった。
そうだよね。わたしが逆の立場であれば引き止めようとするかもね。
一方真理子の両親は寛大で、『真理子ちゃんの好きにしなさい。人生は一度きりなんだから。後悔のないように』
と会社を辞める事を止めなかったとのことだ。
だけど、まさか沖縄に移住するとは思いもよらなかったらしくて、
真理子の父親は沖縄に移住すると聞いた時には、泡をふきそうになり、口をあわあわさせて、『真理子~お父さんは心配だよ』と慌てふためいていたようだ。
真理子の奴は、うちのお父さん、あがあがって泡をふきそうになって面白かったよなんて笑っている。
なんという酷い娘なんだか。
沖縄そばに島唐辛子を入れるとたまらなく美味しくなる。
島唐辛子とは本土でいう七味唐辛子に似たようなものだけど少し違い、島唐辛子を沖縄の泡盛に漬け込んだ調味料である。
沖縄の飲食店には絶対といってもよいくらい置かれている。置いてない方が珍しい。
わたしは、この島唐辛子を沖縄そばに大量に入れて食べるのが大好きだ。
「真理子~何をやっているの? 真理子ってば! 置いていくよ~」
「待って~みどりちゃん」
真理子の奴は一体何をしているのかと確認すると、観光案内所に置かれているパンフレットをかきあつめていた。
ここは沖縄である。
バカンスで来たかって?
いいえ違うの。
わたし達は今回は観光で来たのではない。
この沖縄の地で仕事をするためにやって来たのだ。それなのに真理子の奴は観光のパンフレットなんて呑気に集めて相変わらずだ。
わたしと真理子は働いていた会社で同期だった。だったというのはわたしも真理子も会社を辞めたからだ。
辞めた理由は自分達の仕事が認められないのと、特にやりたい仕事でもなかったからだ。
両親や周りの友達は勿体ないと言う。
両親は会社を辞めることに大反対だった。せっかく就職できてボーナスもあるのに何事だと。
やり甲斐なんてなくてもこのご時世、就職ができてお金に不自由しないだけでも有難いのだからとわたしの退職をとめた。
両親の言っていることはごもっともだ。
だけど、わたしは自分の意志を曲げなかった。
フリーターをしている友達はきっと賛成してくれると思ったのに、答えは違った。
『会社を辞めると大変だよ! わたしなんか家賃を払うのも精一杯なんだから』
『え! 沖縄~旅行じゃなくて住むの? 長期で! 仕事を沖縄で。やめときなよ~』
『みどりちゃんと会えなくなるじゃん。遊べなくなるよ~』
等々の答えだった。
そうだよね。わたしが逆の立場であれば引き止めようとするかもね。
一方真理子の両親は寛大で、『真理子ちゃんの好きにしなさい。人生は一度きりなんだから。後悔のないように』
と会社を辞める事を止めなかったとのことだ。
だけど、まさか沖縄に移住するとは思いもよらなかったらしくて、
真理子の父親は沖縄に移住すると聞いた時には、泡をふきそうになり、口をあわあわさせて、『真理子~お父さんは心配だよ』と慌てふためいていたようだ。
真理子の奴は、うちのお父さん、あがあがって泡をふきそうになって面白かったよなんて笑っている。
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