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第五章 吉田さん
9 今夜も可愛らしいお客さんが
しおりを挟むわたしが不在中の話をみどりちゃんに聞くとお客さんはチラシ配りの効果があったようで三名来店したらしい。
わたしとのじゃんけん対決が出来なくて残念がっていたお客さんもいたとのことだった。わたし真理子の代わりにみどりちゃんがじゃんけんをするとなんと来店者三名中みどりちゃんは二回も勝ったと聞いたわたしは悔しくて地団駄を踏んだ。
「寄り道なんてするからだよ」
みどりちゃんはフンフンと勝ち誇ったように鼻息を荒くする。わたしは悔しくてもう一度地団駄を踏んでしまった。
「今度勝つからいいもんね」
わたしは、フフンと胸を張ったのだけどこの日はその後人間のお客さんの来店はなかった。
「悔しい~」とわたしが叫んだその時、いつものように、にゃんにゃんにゃん、こっこっこー、わんわんわんわんと可愛らしい動物のお客さんが来店した。
「また来ましたにゃん」と茶和ちゃんがにゃはんと挨拶をした。
「ようこそいらっしゃい」わたしとみどりちゃんも可愛らしい動物のお客さんを大歓迎した。
食卓を動物のお客さん達と囲み夕食を食べることが日課になりつつある。
今日の夕食はポーク玉子のおにぎり、ソーメンチャンプルーにお味噌汁だった。
みどりちゃんが作った料理を動物達は美味しそうに食べる。その姿を見ていると嬉しくて幸せな気持ちになる。
「皆、ご飯を食べる時って幸せそうに食べるね」
わたしは可愛らしい動物達を見つめながら言った。
「はいにゃん、美味しい食事を皆で食べられることは幸せなことですにゃん」
茶和ちゃんはポーク玉子おにぎりを嬉しそうにかじった。
「わたしも真理子ちゃんやみどりちゃんと一緒にご飯を食べることが出来て幸せだよ。こっこっこー」
ヤンバちゃんはくちばしで器用にソーメンチャンプルーのソーメンを食べた。
「そうだワン。食べることは幸せだよ。それに、皆と楽しくお話をしながらご飯を食べられて幸せだよワン。それに真理子ちゃんこそご飯を食べてる時の顔なんとも言えないほど幸せそうだよ」
チワワンちゃんは、わたしの顔をじっと眺めて言った。
「そうだね。ご飯を食べると元気が出る。皆と一緒に食べるとより楽しくて幸せだね。ってわたしそんなに幸せそうな顔をしてご飯を食べているかな?」
それまで黙って食事をしていたみどりちゃんが、
「真理子はそれはもう頬を緩めて幸せそうな顔をして食べてるよ。あ、ほっぺたにご飯粒が付いてるよ~」みどりちゃんはわたしの頬を指差して言った。
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