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恐らく戦国時代であろうと思う時代の朝は早い。太陽が出る前に千草さんはゴゾゴゾ動き出した。その着物が大きく乱れた姿が何故か愛おしくなり、今一度手を握り布団に呼び戻す。
「どうしたのさ?起こしてしまったかい?」
「千草さん、まだ横に居てほしい」
「なにさね?働かないとおまんまが食べられないよ!それと何故か知らないけどこの布団?で寝たら体が軽いのさ」
「あぁ、そういう効果がある布団ですからね。とりあえず・・・オレはどこか換金できるところ探してきますね」
千草さんは朝ごはんを作ってくれるとの事。正直あの赤い米はもういいかな。オレは戸を開けて外を見た。田んぼと山が広がる場所だ。改めて見ると本当に田舎だ。
田んぼには植えてあるもの・・・黄金色の稲穂なんて事はなく、多分あの赤い米の稲穂なんだろうと思う。そしてどことなく元気がないように思う。
(プッハー!!タケルゥ~!!)
(え!?イシュ!?何でイシュが居るんだ!?)
(私が居たらいけないわけ!?頑張って頑張って細い細い精霊道を通ってタケルの世界まで来てあげたんだから労ってよね!契約主はあんたなんだからちゃんと最後まで世話しなさいよ!)
イシュとは例の異世界で契約した地の精霊だ。オレは地属性と相性が良くてイシュと契約する事となったのだ。そして精霊はかなり欲が強い。この精霊に関しては食欲だ。
オレが異世界に転移してから日本食が暫く恋しく頑張って向こうでなんちゃって和食を作ってたらこのイシュも食に煩くなったのだ。総じて言えるのは異世界のご飯は素材の味を活かす料理が多く、ドレッシングやタレなんかは殆どない世界だった。
(分かった!分かった!けど、やっと地球に帰って来たのはいいんだけもオレが居た時代よりだいぶ違うんだよ。多分イシュが食べてみたいって言ってた肉まんやらラーメンなんかはまだないと思うぞ)
(ガーーーーーンッ!!せっかく、水や光、闇の精霊達に啖呵切って精霊界から来たのに・・・あんな精霊道通るのなんて無理よ)
(って事は帰らないのか?)
(帰るわけないじゃん!タケルが故郷に帰るってシーアに聞いたから慌てて追って来たんだから!あぁ~あ、ラーメン、肉まん、すき焼き、お寿司、餃子、唐揚げ、ケーキ、プリン、焼きそば、カレー食べてみたかったな)
(いやいやイシュ!?なんでデザートの後にまたご飯が出てくるんだよ!寿司や唐揚げは向こうで作ってやったことあったじゃん!)
(違うの!私は本場のが食べたかったの!)
「タケル?何してるの?」
「あ、千草さん!いや田んぼを見ていたのですよ」
「そう。朝餉できたから来なさい~」
「ありがとうございます」
(やっぱ魔力を感じる事ができなければイシュは見られないんだな。悪いんだけど近いうち必ず何か作ってあげるからここら辺一帯の土に祝福与えてくれないか?)
(えぇ~!?私疲れてるんだけど!!)
(あぁもう!これをやる!オレが向こうに転移させられた時に持っていた最後のチョコレート一粒だ!)
(え!?タケル!?もうチョコはないって言ってたじゃん!)
(あぁ!それが本当に最後だ!それしか今はないけどしてくれるか?)
(甘~い!!これよ!これ!祝福よね?いいわよ!)
7年の間、アイテムボックスで眠らせてた最後のチョコレート・・・いや待てよ?ワンチャン探せばあるのか!?それなりに貿易もしてるよな!?
赤い米はもういいかな。と思っていたが出てきたご飯は昨日の夜いただいたご飯と同じだった。いや、厚意で貰ったものにケチつけるつもりはない。けど、やはり白米が恋しい。
「ごちそうさまです。千草さんありがとうございます。千草さんは今日は何を?」
「滝川様にお触れを出すのさ」
「滝川様って滝川一益?」
「あんた!呼び捨てはやめさなさい!本人目の前なら首が飛ぶよ!」
「あ、いやすいません。それで何で?」
「あんたから貰った金を銭に換えてもらうのさ。まぁ半分くらいは手間賃で取られるだろうけどね」
「はぁ!?半分も!?」
「そうさね。まぁその話はいいよ。アタイ達は滝川様に世話になってばかりだからね」
「なっんだこりゃ~!!!おーい!皆の者!!!早く出てこいッ!!!」
「うん?なんだ?」
「あの声は六蔵のとこかい?」
さっき外に居た時は何もなかったと思うけど・・・。
千草さんと一緒に外に出ると畑には赤米の稲穂がほぼ、直立不動のように稔っていた。うん。間違いなくイシュの祝福のおかげだろう。
(タケルゥ~!!ここの土は空っぽだったからかなり疲れたよ~)
(そうか。イシュ、ありがとう)
(いいよ~!それとあそこに植えてある白いのに私の魔力を分け与えたからこれからあの子がここら辺一帯の土を管理してくれるよ!だからあのあの子は抜かないように伝えてね!私は疲れたから寝るね~!おやすみ~)
イシュの働きで畑は少し良くなったかな。それに魔力を分け与えた白いのって大根か?
「なんでぃ!?この大根は!?でかいってもんじゃねーぞ!?みんなー!来てみろ!」
「あぁ!ちょっ!!それは抜いちゃだめ!!」
「あぁん?誰だ?おめーは?見ない顔だな?」
「六蔵さん!それはアタイの客だよ!やめとくれ!」
「へぇ~。千草の客かぃ。とうとう遅咲きの売女にでもなったのか?なんなら1文で俺が買ってやろうか?」
「黙れ!そんな事よりそこはアタイの畑だ!出てっておくれ!」
「そうはいかねぇ~。なんか畑がおかしい。特にこの大根がおかしい。抜いて調べないとな」
「だから!それを抜いたらだめだと言ってるじゃないですか!」
「そもそもおめーは誰だよ?あぁん?千草を抱くような物好きな男だろう。黙ってろ」
ボッ
オレは問答がめんどくさくなって手から火を出した。
「なっ、なっ、なっんでぃ!?此奴!?もののけか!?妖術使いか!?ヒィ~~!!」
「みんな逃げろ逃げろ!!」
集まっていた村の人達が速攻で散った。残るはオレと千草さんだけだ。
「あんた・・・それは・・・」
「昨日も言った通り・・・オレは魔法が使える。何もないところから物を出すのと同じです。それからこの千草さんの畑の大根だけど、千草さんは見えないけどオレの仲間がもう1人居るんですよ」
「仲間かい?」
「はい。その仲間が土が元気になるように植物が元気になるように魔法をかけ、この大根がこれからここら辺一帯の土を元気にするように魔法をかけたからこの大根は今後抜かないように・・・そうだ。オレからも魔法をかけておこう」
ポワン ポワン ポワン ポワン
オレは大根に向けて、絶対防御、ヒヒイロカネ色プロテクトシールド、永久再生、絶対守護神という魔法をかけた。恐らく世界最強の大根だろう。クワを入れられても弾き返し、スコップで掘られようものならどうなる事か。再生機能もつけたし、ここら辺一帯この大根のテリトリーになったから例えドラゴンのブレスだろうが守れるだろう。
「大根が・・・光ってるよ・・・」
「はい。さっき言った通りこの大根が千草さんやこの辺一帯を守ってくれます。オレはみんなに怪しまれたしお暇しますね。ありがとうございました」
「え?ちょ、ちょっとあんた・・・」
「ここに居れば千草さんに迷惑がかかります。滝川様でしたっけ?金を渡して、手間賃として半分取られたとしてもそれなりのお金にはなると思います。一晩のお金にしては・・・・かもですがーー」
オレがカッコつけて話していると千草さんが抱きついてきた。オレはこのままフライで飛んで行こうと思ってたのに。
「必ず一年に1回は戻って来て!アタイはここで待ってるから!」
えらい現実的な受け答えだなと思いながらオレは静かに頷き、千草さんの唇にキスをした。正直、もう一晩くらい抱きたかったってのはある。
「じゃあ!千草さん!また!フライ!」
ビシューーーーーン
「どうしたのさ?起こしてしまったかい?」
「千草さん、まだ横に居てほしい」
「なにさね?働かないとおまんまが食べられないよ!それと何故か知らないけどこの布団?で寝たら体が軽いのさ」
「あぁ、そういう効果がある布団ですからね。とりあえず・・・オレはどこか換金できるところ探してきますね」
千草さんは朝ごはんを作ってくれるとの事。正直あの赤い米はもういいかな。オレは戸を開けて外を見た。田んぼと山が広がる場所だ。改めて見ると本当に田舎だ。
田んぼには植えてあるもの・・・黄金色の稲穂なんて事はなく、多分あの赤い米の稲穂なんだろうと思う。そしてどことなく元気がないように思う。
(プッハー!!タケルゥ~!!)
(え!?イシュ!?何でイシュが居るんだ!?)
(私が居たらいけないわけ!?頑張って頑張って細い細い精霊道を通ってタケルの世界まで来てあげたんだから労ってよね!契約主はあんたなんだからちゃんと最後まで世話しなさいよ!)
イシュとは例の異世界で契約した地の精霊だ。オレは地属性と相性が良くてイシュと契約する事となったのだ。そして精霊はかなり欲が強い。この精霊に関しては食欲だ。
オレが異世界に転移してから日本食が暫く恋しく頑張って向こうでなんちゃって和食を作ってたらこのイシュも食に煩くなったのだ。総じて言えるのは異世界のご飯は素材の味を活かす料理が多く、ドレッシングやタレなんかは殆どない世界だった。
(分かった!分かった!けど、やっと地球に帰って来たのはいいんだけもオレが居た時代よりだいぶ違うんだよ。多分イシュが食べてみたいって言ってた肉まんやらラーメンなんかはまだないと思うぞ)
(ガーーーーーンッ!!せっかく、水や光、闇の精霊達に啖呵切って精霊界から来たのに・・・あんな精霊道通るのなんて無理よ)
(って事は帰らないのか?)
(帰るわけないじゃん!タケルが故郷に帰るってシーアに聞いたから慌てて追って来たんだから!あぁ~あ、ラーメン、肉まん、すき焼き、お寿司、餃子、唐揚げ、ケーキ、プリン、焼きそば、カレー食べてみたかったな)
(いやいやイシュ!?なんでデザートの後にまたご飯が出てくるんだよ!寿司や唐揚げは向こうで作ってやったことあったじゃん!)
(違うの!私は本場のが食べたかったの!)
「タケル?何してるの?」
「あ、千草さん!いや田んぼを見ていたのですよ」
「そう。朝餉できたから来なさい~」
「ありがとうございます」
(やっぱ魔力を感じる事ができなければイシュは見られないんだな。悪いんだけど近いうち必ず何か作ってあげるからここら辺一帯の土に祝福与えてくれないか?)
(えぇ~!?私疲れてるんだけど!!)
(あぁもう!これをやる!オレが向こうに転移させられた時に持っていた最後のチョコレート一粒だ!)
(え!?タケル!?もうチョコはないって言ってたじゃん!)
(あぁ!それが本当に最後だ!それしか今はないけどしてくれるか?)
(甘~い!!これよ!これ!祝福よね?いいわよ!)
7年の間、アイテムボックスで眠らせてた最後のチョコレート・・・いや待てよ?ワンチャン探せばあるのか!?それなりに貿易もしてるよな!?
赤い米はもういいかな。と思っていたが出てきたご飯は昨日の夜いただいたご飯と同じだった。いや、厚意で貰ったものにケチつけるつもりはない。けど、やはり白米が恋しい。
「ごちそうさまです。千草さんありがとうございます。千草さんは今日は何を?」
「滝川様にお触れを出すのさ」
「滝川様って滝川一益?」
「あんた!呼び捨てはやめさなさい!本人目の前なら首が飛ぶよ!」
「あ、いやすいません。それで何で?」
「あんたから貰った金を銭に換えてもらうのさ。まぁ半分くらいは手間賃で取られるだろうけどね」
「はぁ!?半分も!?」
「そうさね。まぁその話はいいよ。アタイ達は滝川様に世話になってばかりだからね」
「なっんだこりゃ~!!!おーい!皆の者!!!早く出てこいッ!!!」
「うん?なんだ?」
「あの声は六蔵のとこかい?」
さっき外に居た時は何もなかったと思うけど・・・。
千草さんと一緒に外に出ると畑には赤米の稲穂がほぼ、直立不動のように稔っていた。うん。間違いなくイシュの祝福のおかげだろう。
(タケルゥ~!!ここの土は空っぽだったからかなり疲れたよ~)
(そうか。イシュ、ありがとう)
(いいよ~!それとあそこに植えてある白いのに私の魔力を分け与えたからこれからあの子がここら辺一帯の土を管理してくれるよ!だからあのあの子は抜かないように伝えてね!私は疲れたから寝るね~!おやすみ~)
イシュの働きで畑は少し良くなったかな。それに魔力を分け与えた白いのって大根か?
「なんでぃ!?この大根は!?でかいってもんじゃねーぞ!?みんなー!来てみろ!」
「あぁ!ちょっ!!それは抜いちゃだめ!!」
「あぁん?誰だ?おめーは?見ない顔だな?」
「六蔵さん!それはアタイの客だよ!やめとくれ!」
「へぇ~。千草の客かぃ。とうとう遅咲きの売女にでもなったのか?なんなら1文で俺が買ってやろうか?」
「黙れ!そんな事よりそこはアタイの畑だ!出てっておくれ!」
「そうはいかねぇ~。なんか畑がおかしい。特にこの大根がおかしい。抜いて調べないとな」
「だから!それを抜いたらだめだと言ってるじゃないですか!」
「そもそもおめーは誰だよ?あぁん?千草を抱くような物好きな男だろう。黙ってろ」
ボッ
オレは問答がめんどくさくなって手から火を出した。
「なっ、なっ、なっんでぃ!?此奴!?もののけか!?妖術使いか!?ヒィ~~!!」
「みんな逃げろ逃げろ!!」
集まっていた村の人達が速攻で散った。残るはオレと千草さんだけだ。
「あんた・・・それは・・・」
「昨日も言った通り・・・オレは魔法が使える。何もないところから物を出すのと同じです。それからこの千草さんの畑の大根だけど、千草さんは見えないけどオレの仲間がもう1人居るんですよ」
「仲間かい?」
「はい。その仲間が土が元気になるように植物が元気になるように魔法をかけ、この大根がこれからここら辺一帯の土を元気にするように魔法をかけたからこの大根は今後抜かないように・・・そうだ。オレからも魔法をかけておこう」
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「大根が・・・光ってるよ・・・」
「はい。さっき言った通りこの大根が千草さんやこの辺一帯を守ってくれます。オレはみんなに怪しまれたしお暇しますね。ありがとうございました」
「え?ちょ、ちょっとあんた・・・」
「ここに居れば千草さんに迷惑がかかります。滝川様でしたっけ?金を渡して、手間賃として半分取られたとしてもそれなりのお金にはなると思います。一晩のお金にしては・・・・かもですがーー」
オレがカッコつけて話していると千草さんが抱きついてきた。オレはこのままフライで飛んで行こうと思ってたのに。
「必ず一年に1回は戻って来て!アタイはここで待ってるから!」
えらい現実的な受け答えだなと思いながらオレは静かに頷き、千草さんの唇にキスをした。正直、もう一晩くらい抱きたかったってのはある。
「じゃあ!千草さん!また!フライ!」
ビシューーーーーン
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