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第9章 後日談 メイナードの恋人たち
(78)※ 火曜日と水曜日の恋人
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✳︎✳︎✳︎
非常にアブノーマルなプレイがあります。
苦手な方はブラウザバックをお願いします。
✳︎✳︎✳︎
ある火曜日の夜。後宮のベッドルームに辿り着くと、パーシーは遠慮なしに俺を捕まえ、すぐに恋人モードに入る。強引な癖に、こういう時だけ本気の目をして、ゆっくりと甘い口付けで俺を溶かす。深い海のような蒼玉が、熱を帯びて揺れている。いつもは悪党みたいなフリして、ベッドの上では王子様とか、ズルい。
「はぁっ、あっ、パーシー…っ」
くちゅっ、くちゅっと微かな音を立てながら、彼は繊細に俺を責めたてる。こないだ、彼のことを強引に受け入れて、激しく愛し合ったのに。好きに抱いていい、めちゃくちゃにしていいって言ってるのに、彼は穏やかに微笑んで、優しく唇を塞ぐ。そして今でも受け入れるのがやっとなそれは、わずかな動きで激しい快感をもたらす。緩やかに刻まれるリズムに反して、俺はすぐに昇りつめ、絶えず嬌声を上げながら、そこから降りて来られない。
「あんっ、も、ダメ、またイっ、ああ…!!」
俺の意思を介さず、彼を受け入れたそこはキュンキュンと媚び、全身が寵愛に歓喜している。快楽に身を躍らせてひたすら甘えていると、やがて彼は目を細めて俺を抱きしめ、長い長い射精が始まる。
「ひィっ!あ!あ、あ、あ…!!!」
力強い精が肚の奥に注がれ、俺の身体はびくびくと跳ねる。熱い。嬉しい。気持ちいい。他者の精を欲して止まない淫魔の俺にとって、生命力に溢れた彼の精はこの上なく美味だ。理屈じゃない。身体中の細胞という細胞が、歓びに震える。俺は絶頂を繰り返しながら、その甘露をごくごくと飲み干す。
心も身体も満たされて、うっとりと腕の中に身を預ける。訓練場でやりとりする、全身がひりひりするようなコミュニケーションも好きだが、こうして事後の気だるさの中、言葉少なに素肌で触れ合う時間が、俺はとても気に入っている。
パーシーのこと、こんなに好きになるはずじゃなかった。目に入る奴は全て叩きのめし、踏み躙っていい気になってる、狂犬みたいな奴。俺も殺されかけた。だけど彼は彼で、背負っているものがあって。それを知ってしまうと、当時の彼を憎む気にもなれない。そしてヘタレで甘えたがりの俺は、こうして優しく愛されると、馬鹿みたいにコロっと惚れてしまう。よくよく振り返れば、ナイジェルもそうだったし、メレディスも、オスカーも。ラフィたちだって、最初は敵だった。今更ながら、俺って冷たくされてから優しくされると、すぐに絆されてしまうらしい。我ながら、何というチョロさだ。
何だか理不尽に腹立たしくなってそっぽを向いて黙っていると、パーシーが背後から抱きしめてくる。
「何だよ。拗ねてんのかよ」
「…別にっ」
彼はくくっ、と喉で笑うと、俺の髪の匂いを嗅ぎながら、リップ音を立てる。だから、そういうのに弱いんだってば…
「いいぜ。俺のこと抱きたかったら、いつでもよ」
そうだ。ちょっと上の空だったけど、さっきから、そういう話をしていたんだった。最初彼とこうして関係を持ったのは、魔眼のスキルで。横暴に振る舞うパーシーを懲らしめるために…ちょっとした好奇心で、淫夢という形で、散々に陵辱した。
うん、自分で言ってても、割と鬼畜だな。
彼は大柄で、男性として完璧な肉体美を誇るにも関わらず、体中が性感帯。屈強な彼が娼婦のように艶やかに乱れ、彼のそこは極上の名器だった。スキルでイメージを支配していたのをいいことに、俺は分身を山ほど作って散々輪姦したんだったな。うん、俺やっぱ鬼畜だ。
彼に愛されて満たされた今、じゃあ今すぐにいただきます、って感じじゃないんだけど、それでもあのセックスは今思い出しても唆られる。次の火曜日は、久しぶりに彼の肉体を堪能させてもらおうかな。いや、魔眼での淫夢以外では初めてになるのか。ちょっとドキドキする。
そういえば、パーシーとは「自家発電方式」で繋がったことがないな。
「自家発電?」
そう。普通にセックスしてたら、入れるところと入れるものが1つずつ余る。それを、転移スキルで繋げて、両方気持ちよくなっちゃうアレだ。
「何だそれ。面白そうじゃねぇか」
「あっ、もう…」
背後からのしかかられて、そのままなし崩しに愛撫が始まる。俺もちょっと、パーシーのそこに興味が惹かれているところ。今夜も長くなりそうだ。
「あ”っ!あ”っ!あ”っ!あ”っ!」
ばちゅ、ばちゅ、どちゅ、どちゅ、と激しい水音と、頑丈なベッドが軋む音。そして引き裂かれるような俺の悲鳴。
(死ぬ…死んじゃう…!!!)
パーシーを受け入れ、そして転移で俺のそれをパーシーの中に送り込み。彼の甘く優しいセックスは、いつも通り俺を蕩けさせる。その上彼の後孔は、初心ながら柔軟に俺を飲み込み、絶妙に締め付け、うねり、搾り取ろうとする。彼も俺を迎え入れ、いつもの余裕がない。背後から上擦ったため息を感じながら、熱の籠る腰使いにうっとりと揺さぶられるまま、彼の中に快楽を解き放つ。
「くっ…あああっ…!!」
それが地獄の幕開けだった。
俺の精を肚に受けたパーシーは、断末魔のように吼え、分身を大きく膨らませると、後を追うように精を放った。彼の射精が再び俺を絶頂に引き上げ、彼を締め付けながら快感に浸っていると、いつもはゆったりと射精を味わっているはずのパーシーが、精を放ちながら、また強く俺の中を穿ち始めた。
「やっ…パーシー、パーシー…!!」
ゆさっ、ゆさっと大きく揺さぶられた後、すぐにリズミカルな律動へ。間もなく、ガツガツと激しい抽送が始まる。イったばかりで敏感な体内に、巨大な楔が遠慮の欠片もなく打ち込まれ、同時に彼の名器が俺をキュウキュウと締め付ける。甘く優しくもどかしいセックスから、一転強く激しく奪われるそれへ。息もつかせないような快楽の嵐に、俺はただ我を忘れて翻弄されていた。
「あんっ、やぁん、ぱ、それっ、ダメっ…」
甘く媚びた嬌声が止まらない。そして俺を飲み込んだパーシーのそこは、俺を天国から帰してくれない。魔眼でのセックスもかなりリアルだったが、現実はまた全然違う。ここに突っ込んでいるだけで、惚けている間に全部吸い取られてしまいそうだ。これ、ダメだ…!
「はぁっ…んっ…!」
強く抱かれる歓びに涙を流しながら、また精を注がれ、そして精を絞り取られる。身体がグズグズに蕩けて、ゾクゾクしっ放しだ。すごい。きもちい。バカんなっちゃう。尻を高く上げ、ベッドに突っ伏したまま震えていると、彼はまた、射精をしながら無言でそれを突き入れてきた。
「あんっ、やらっ、ぱーし、らめ、」
パーシーからは返事がない。ただ荒い息遣いと、どんどん激しくなっていく抽送。そして間もなく、あの「入ってはいけない場所」がゴリリと拓かれた。
「ギャッ!!!」
口から飛び出す、純粋な悲鳴。頭をガツンと殴られたような衝撃。痛みと快感で、視界が一瞬真っ白になり、チカチカする。そこから彼は、何の躊躇いもなく、一番奥のダメなところをガツガツ犯し始めた。
「あっが!!ギィ!!や”!!ぞご!!あ”!!」
甘さの欠片もない、性の暴力。思わず枕元に逃げようとするとガッチリ捕まり、容赦なく根本まで叩きつけられる。情けを懇願しようにもまともに言葉が紡げず、泣いても暴れてもびくともしない。様々な体液に塗れながら、ただただ快楽に蹂躙されるだけ。
信じられないことに、彼のペニスは射精するたびに質量を増して行った。しかも量が尋常じゃない。神狼の血を色濃く反映する彼の肉体は、メスを孕ませるために特別な形をしているが、それが栓になって、俺の肚の中に彼の精が溜まって行く。今や俺の腹は妊婦のようにぼっこりと膨らみ、奥まで逆流して強い痛みと圧迫感、嘔吐感を感じる。だがそれ以上に、精気をふんだんに含む精が、俺の本能を狂わせる。あらゆる痛みと苦しみが、全て快楽に変換され、俺は今、生まれて初めて快楽を恐れている。
「ぎ!!あ”!!あ”!!」
いつしか、俺の肩を押さえる手に鋭い爪が生え、食い込んでいるのを感じる。もはやそれは手ではなく、前脚だった。背後から感じる吐息が、ヒトのそれではない。体内で暴れ回るそこも。
身体はとっくに限界を迎え、激しい快楽に気を失ったり覚醒させられたりしながら、心の片隅でそれを俯瞰している自分がいた。俺、あんなものよく受け入れてるな。俺の体、よく壊れないな。ひょっとしたらもう壊れているのかもしれない。延々と揺さぶられ続けて、ああ、あとこれ何時間続くんだろう。このまま死んじゃうんだろうか。
そんな自分の意識も、だんだんと薄れて行く。俺の体は、もうヒトではないパーシーを受け入れ、肚にたっぷりと精を受けながら、壊れた人形のようにガクガクと揺さぶられ続けるだけだった。
✳︎✳︎✳︎
翌朝、メイナードが出勤して来ないことに気付いたオスカーは、後宮へ向かった。
メイナードの恋人たちは、暗黙のルールのもと、お互いを牽制しつつ、基本不干渉を貫いている。しかし今日は水曜日。朝を超えて彼を独占するのはルール違反だ。メイナードの意思を尊重して、日中は仕事、夜から朝までが恋人の時間。いくら離れ難いからと言って、それは譲れない。
しかし、ベッドルームから漏れるのは、異様な神気。まさかと思って扉を開けてみると、そこにはメイナードに覆い被さる巨大な白い神狼がいた。神狼は、気を失ったメイナードに剛直を突き立て、激しく腰を振りながら、オスカーに向かって威嚇の唸り声を上げている。
「排除!」
オスカーは咄嗟に結界を編み、そこから巨大な獣を弾き出した。続きの間へのドアが勢いよく開き、巨体が壁にぶち当たる。神狼は「ギャン!」と一声鳴いたかと思うと、それは見る見るパーシヴァルの姿となり、そのまま気を失った。そしてドアは静かに閉まり、静寂が訪れた。
巨大なベッドの上には、無惨に陵辱されたメイナードが横たわっていた。
咽せ返るようなオスの匂いの中、あられもない姿で、全身が神気に火照り、卑猥な白濁の海に沈む恋人。艶めく黒髪は汗に濡れ、美しい顔は涙と唾液に塗れ、淫らなことこの上ない。そして彼の引き締まった腹を膨らませるほどの獣の精は、シーツに染みというよりは湖を作り出している。
オスカーは、彼に釘付けになった。彼のメス穴は、神狼の巨大なそれが引き抜かれたまま、未だに滔々と精を垂れ流している。物欲しそうにパクパクと痙攣するそこから、トロトロと流れ出る卑猥な精液。その光景に、彼の理性は粉微塵に吹き飛んだ。
彼は性急に前をくつろげ、ギンギンにイキリ立ったそれを、メイナードの中にブチ込む。国宝級の法衣が、獣の精で台無しになるのもお構いなしだ。メイナードのそこは、溢れ出す精液でオスカーのものをスムーズに飲み込んだ。神狼に限界まで拡げられた直後、ぽっかり開いていた後孔。しかし淫魔の肉体は、オスカーを歓んで受け入れ、すぐに彼に纏わり付くと、キュウキュウと媚びる。
オスカーは、夢中になってメイナードを犯した。ボロボロになるまで獣姦されて気を失った恋人。他の男の精を吐き出しながら、じゅぶじゅぶといやらしい音を立てて締め付けてくる媚肉。そして白濁にまみれながら更に陵辱を重ねる自分。全てがオスカーを興奮させる。彼はそれこそ獣のように、激しく腰を叩きつけては何度も果てた。
「…気が付いたかい?」
メイナードが目覚めたのは、オスカーの腕の中だった。もう外は夕刻を過ぎ、窓の外は暗くなっている。身体はいつの間にか綺麗に清められ…それどころかここは、オスカーの書斎の続きの間のベッドルームだ。メイナードは逡巡する。
(仕事休んじゃったな。てか、昨日俺どうしたんだっけ。そういえばパーシーと転移で繋がって…ああもうダメだ。あれはもう二度とやんない。いつまでやってたんだろう?オスカーが止めてくれたんだろうか?事後すごかったのでは?)
黙ったまま顔色をくるくる変えるメイナードに、オスカーは黄金の瞳を愛おしそうに細めた。
「お腹、空いてないかい?喉は?」
「あ、うん…」
オスカーはメイナードを優しく抱き起こすと、そのまま腕の中に抱え、手ずから水と果物を与えた。温かい翼に包まれて、まるで雛鳥のように慈しまれ、メイナードは考え事を手放した。精を摂取した淫魔は、さほど食糧を必要としない。十分な水分といくばくかの果物を口にすると、後はオスカーの胸に頬を寄せ、髪を撫でられるに任せる。その夜は、彼の穏やかな愛撫に身を委ね、メイナードは安らかに眠りに落ちた。
王宮の奥深く、厳重に結界が張り巡らされた秘密の小部屋。この部屋の存在を知るのは、長年王宮を隅々まで掌握する王太子その人のみ。石造りの壁の向こう、複雑な手順でしか開かない扉のその先には、魔道具で撮影された絵姿が、所狭しと並んでいた。
オスカーはそこに、新たな絵姿を加えた。巨大な獣に犯され、無惨に蹂躙された愛しい恋人。そして自分のものを咥え込んでヒクヒクと締め付ける、最愛の恋人。最新のコレクションは、彼を大いに満足させた。当然そこには、先日酒場で撮影されたものも飾られている。書棚には、飾りきれない絵姿を収めたアルバム、そして記録が収まっている魔石が。魔石には、絵姿だけでなく、音声や動く画像も収められている。
ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ。
オスカーは魔石の一つを、大きな水晶の台座に嵌め込んだ。すると水晶には、気を失ったメイナードがオスカーに激しく突き入れられている様子が映し出される。
「はぁ…メイナード、君は最高だ…」
自身の肉棒を扱きながら、彼はうっとりと恋人の痴態を楽しんだ。
非常にアブノーマルなプレイがあります。
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✳︎✳︎✳︎
ある火曜日の夜。後宮のベッドルームに辿り着くと、パーシーは遠慮なしに俺を捕まえ、すぐに恋人モードに入る。強引な癖に、こういう時だけ本気の目をして、ゆっくりと甘い口付けで俺を溶かす。深い海のような蒼玉が、熱を帯びて揺れている。いつもは悪党みたいなフリして、ベッドの上では王子様とか、ズルい。
「はぁっ、あっ、パーシー…っ」
くちゅっ、くちゅっと微かな音を立てながら、彼は繊細に俺を責めたてる。こないだ、彼のことを強引に受け入れて、激しく愛し合ったのに。好きに抱いていい、めちゃくちゃにしていいって言ってるのに、彼は穏やかに微笑んで、優しく唇を塞ぐ。そして今でも受け入れるのがやっとなそれは、わずかな動きで激しい快感をもたらす。緩やかに刻まれるリズムに反して、俺はすぐに昇りつめ、絶えず嬌声を上げながら、そこから降りて来られない。
「あんっ、も、ダメ、またイっ、ああ…!!」
俺の意思を介さず、彼を受け入れたそこはキュンキュンと媚び、全身が寵愛に歓喜している。快楽に身を躍らせてひたすら甘えていると、やがて彼は目を細めて俺を抱きしめ、長い長い射精が始まる。
「ひィっ!あ!あ、あ、あ…!!!」
力強い精が肚の奥に注がれ、俺の身体はびくびくと跳ねる。熱い。嬉しい。気持ちいい。他者の精を欲して止まない淫魔の俺にとって、生命力に溢れた彼の精はこの上なく美味だ。理屈じゃない。身体中の細胞という細胞が、歓びに震える。俺は絶頂を繰り返しながら、その甘露をごくごくと飲み干す。
心も身体も満たされて、うっとりと腕の中に身を預ける。訓練場でやりとりする、全身がひりひりするようなコミュニケーションも好きだが、こうして事後の気だるさの中、言葉少なに素肌で触れ合う時間が、俺はとても気に入っている。
パーシーのこと、こんなに好きになるはずじゃなかった。目に入る奴は全て叩きのめし、踏み躙っていい気になってる、狂犬みたいな奴。俺も殺されかけた。だけど彼は彼で、背負っているものがあって。それを知ってしまうと、当時の彼を憎む気にもなれない。そしてヘタレで甘えたがりの俺は、こうして優しく愛されると、馬鹿みたいにコロっと惚れてしまう。よくよく振り返れば、ナイジェルもそうだったし、メレディスも、オスカーも。ラフィたちだって、最初は敵だった。今更ながら、俺って冷たくされてから優しくされると、すぐに絆されてしまうらしい。我ながら、何というチョロさだ。
何だか理不尽に腹立たしくなってそっぽを向いて黙っていると、パーシーが背後から抱きしめてくる。
「何だよ。拗ねてんのかよ」
「…別にっ」
彼はくくっ、と喉で笑うと、俺の髪の匂いを嗅ぎながら、リップ音を立てる。だから、そういうのに弱いんだってば…
「いいぜ。俺のこと抱きたかったら、いつでもよ」
そうだ。ちょっと上の空だったけど、さっきから、そういう話をしていたんだった。最初彼とこうして関係を持ったのは、魔眼のスキルで。横暴に振る舞うパーシーを懲らしめるために…ちょっとした好奇心で、淫夢という形で、散々に陵辱した。
うん、自分で言ってても、割と鬼畜だな。
彼は大柄で、男性として完璧な肉体美を誇るにも関わらず、体中が性感帯。屈強な彼が娼婦のように艶やかに乱れ、彼のそこは極上の名器だった。スキルでイメージを支配していたのをいいことに、俺は分身を山ほど作って散々輪姦したんだったな。うん、俺やっぱ鬼畜だ。
彼に愛されて満たされた今、じゃあ今すぐにいただきます、って感じじゃないんだけど、それでもあのセックスは今思い出しても唆られる。次の火曜日は、久しぶりに彼の肉体を堪能させてもらおうかな。いや、魔眼での淫夢以外では初めてになるのか。ちょっとドキドキする。
そういえば、パーシーとは「自家発電方式」で繋がったことがないな。
「自家発電?」
そう。普通にセックスしてたら、入れるところと入れるものが1つずつ余る。それを、転移スキルで繋げて、両方気持ちよくなっちゃうアレだ。
「何だそれ。面白そうじゃねぇか」
「あっ、もう…」
背後からのしかかられて、そのままなし崩しに愛撫が始まる。俺もちょっと、パーシーのそこに興味が惹かれているところ。今夜も長くなりそうだ。
「あ”っ!あ”っ!あ”っ!あ”っ!」
ばちゅ、ばちゅ、どちゅ、どちゅ、と激しい水音と、頑丈なベッドが軋む音。そして引き裂かれるような俺の悲鳴。
(死ぬ…死んじゃう…!!!)
パーシーを受け入れ、そして転移で俺のそれをパーシーの中に送り込み。彼の甘く優しいセックスは、いつも通り俺を蕩けさせる。その上彼の後孔は、初心ながら柔軟に俺を飲み込み、絶妙に締め付け、うねり、搾り取ろうとする。彼も俺を迎え入れ、いつもの余裕がない。背後から上擦ったため息を感じながら、熱の籠る腰使いにうっとりと揺さぶられるまま、彼の中に快楽を解き放つ。
「くっ…あああっ…!!」
それが地獄の幕開けだった。
俺の精を肚に受けたパーシーは、断末魔のように吼え、分身を大きく膨らませると、後を追うように精を放った。彼の射精が再び俺を絶頂に引き上げ、彼を締め付けながら快感に浸っていると、いつもはゆったりと射精を味わっているはずのパーシーが、精を放ちながら、また強く俺の中を穿ち始めた。
「やっ…パーシー、パーシー…!!」
ゆさっ、ゆさっと大きく揺さぶられた後、すぐにリズミカルな律動へ。間もなく、ガツガツと激しい抽送が始まる。イったばかりで敏感な体内に、巨大な楔が遠慮の欠片もなく打ち込まれ、同時に彼の名器が俺をキュウキュウと締め付ける。甘く優しくもどかしいセックスから、一転強く激しく奪われるそれへ。息もつかせないような快楽の嵐に、俺はただ我を忘れて翻弄されていた。
「あんっ、やぁん、ぱ、それっ、ダメっ…」
甘く媚びた嬌声が止まらない。そして俺を飲み込んだパーシーのそこは、俺を天国から帰してくれない。魔眼でのセックスもかなりリアルだったが、現実はまた全然違う。ここに突っ込んでいるだけで、惚けている間に全部吸い取られてしまいそうだ。これ、ダメだ…!
「はぁっ…んっ…!」
強く抱かれる歓びに涙を流しながら、また精を注がれ、そして精を絞り取られる。身体がグズグズに蕩けて、ゾクゾクしっ放しだ。すごい。きもちい。バカんなっちゃう。尻を高く上げ、ベッドに突っ伏したまま震えていると、彼はまた、射精をしながら無言でそれを突き入れてきた。
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パーシーからは返事がない。ただ荒い息遣いと、どんどん激しくなっていく抽送。そして間もなく、あの「入ってはいけない場所」がゴリリと拓かれた。
「ギャッ!!!」
口から飛び出す、純粋な悲鳴。頭をガツンと殴られたような衝撃。痛みと快感で、視界が一瞬真っ白になり、チカチカする。そこから彼は、何の躊躇いもなく、一番奥のダメなところをガツガツ犯し始めた。
「あっが!!ギィ!!や”!!ぞご!!あ”!!」
甘さの欠片もない、性の暴力。思わず枕元に逃げようとするとガッチリ捕まり、容赦なく根本まで叩きつけられる。情けを懇願しようにもまともに言葉が紡げず、泣いても暴れてもびくともしない。様々な体液に塗れながら、ただただ快楽に蹂躙されるだけ。
信じられないことに、彼のペニスは射精するたびに質量を増して行った。しかも量が尋常じゃない。神狼の血を色濃く反映する彼の肉体は、メスを孕ませるために特別な形をしているが、それが栓になって、俺の肚の中に彼の精が溜まって行く。今や俺の腹は妊婦のようにぼっこりと膨らみ、奥まで逆流して強い痛みと圧迫感、嘔吐感を感じる。だがそれ以上に、精気をふんだんに含む精が、俺の本能を狂わせる。あらゆる痛みと苦しみが、全て快楽に変換され、俺は今、生まれて初めて快楽を恐れている。
「ぎ!!あ”!!あ”!!」
いつしか、俺の肩を押さえる手に鋭い爪が生え、食い込んでいるのを感じる。もはやそれは手ではなく、前脚だった。背後から感じる吐息が、ヒトのそれではない。体内で暴れ回るそこも。
身体はとっくに限界を迎え、激しい快楽に気を失ったり覚醒させられたりしながら、心の片隅でそれを俯瞰している自分がいた。俺、あんなものよく受け入れてるな。俺の体、よく壊れないな。ひょっとしたらもう壊れているのかもしれない。延々と揺さぶられ続けて、ああ、あとこれ何時間続くんだろう。このまま死んじゃうんだろうか。
そんな自分の意識も、だんだんと薄れて行く。俺の体は、もうヒトではないパーシーを受け入れ、肚にたっぷりと精を受けながら、壊れた人形のようにガクガクと揺さぶられ続けるだけだった。
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翌朝、メイナードが出勤して来ないことに気付いたオスカーは、後宮へ向かった。
メイナードの恋人たちは、暗黙のルールのもと、お互いを牽制しつつ、基本不干渉を貫いている。しかし今日は水曜日。朝を超えて彼を独占するのはルール違反だ。メイナードの意思を尊重して、日中は仕事、夜から朝までが恋人の時間。いくら離れ難いからと言って、それは譲れない。
しかし、ベッドルームから漏れるのは、異様な神気。まさかと思って扉を開けてみると、そこにはメイナードに覆い被さる巨大な白い神狼がいた。神狼は、気を失ったメイナードに剛直を突き立て、激しく腰を振りながら、オスカーに向かって威嚇の唸り声を上げている。
「排除!」
オスカーは咄嗟に結界を編み、そこから巨大な獣を弾き出した。続きの間へのドアが勢いよく開き、巨体が壁にぶち当たる。神狼は「ギャン!」と一声鳴いたかと思うと、それは見る見るパーシヴァルの姿となり、そのまま気を失った。そしてドアは静かに閉まり、静寂が訪れた。
巨大なベッドの上には、無惨に陵辱されたメイナードが横たわっていた。
咽せ返るようなオスの匂いの中、あられもない姿で、全身が神気に火照り、卑猥な白濁の海に沈む恋人。艶めく黒髪は汗に濡れ、美しい顔は涙と唾液に塗れ、淫らなことこの上ない。そして彼の引き締まった腹を膨らませるほどの獣の精は、シーツに染みというよりは湖を作り出している。
オスカーは、彼に釘付けになった。彼のメス穴は、神狼の巨大なそれが引き抜かれたまま、未だに滔々と精を垂れ流している。物欲しそうにパクパクと痙攣するそこから、トロトロと流れ出る卑猥な精液。その光景に、彼の理性は粉微塵に吹き飛んだ。
彼は性急に前をくつろげ、ギンギンにイキリ立ったそれを、メイナードの中にブチ込む。国宝級の法衣が、獣の精で台無しになるのもお構いなしだ。メイナードのそこは、溢れ出す精液でオスカーのものをスムーズに飲み込んだ。神狼に限界まで拡げられた直後、ぽっかり開いていた後孔。しかし淫魔の肉体は、オスカーを歓んで受け入れ、すぐに彼に纏わり付くと、キュウキュウと媚びる。
オスカーは、夢中になってメイナードを犯した。ボロボロになるまで獣姦されて気を失った恋人。他の男の精を吐き出しながら、じゅぶじゅぶといやらしい音を立てて締め付けてくる媚肉。そして白濁にまみれながら更に陵辱を重ねる自分。全てがオスカーを興奮させる。彼はそれこそ獣のように、激しく腰を叩きつけては何度も果てた。
「…気が付いたかい?」
メイナードが目覚めたのは、オスカーの腕の中だった。もう外は夕刻を過ぎ、窓の外は暗くなっている。身体はいつの間にか綺麗に清められ…それどころかここは、オスカーの書斎の続きの間のベッドルームだ。メイナードは逡巡する。
(仕事休んじゃったな。てか、昨日俺どうしたんだっけ。そういえばパーシーと転移で繋がって…ああもうダメだ。あれはもう二度とやんない。いつまでやってたんだろう?オスカーが止めてくれたんだろうか?事後すごかったのでは?)
黙ったまま顔色をくるくる変えるメイナードに、オスカーは黄金の瞳を愛おしそうに細めた。
「お腹、空いてないかい?喉は?」
「あ、うん…」
オスカーはメイナードを優しく抱き起こすと、そのまま腕の中に抱え、手ずから水と果物を与えた。温かい翼に包まれて、まるで雛鳥のように慈しまれ、メイナードは考え事を手放した。精を摂取した淫魔は、さほど食糧を必要としない。十分な水分といくばくかの果物を口にすると、後はオスカーの胸に頬を寄せ、髪を撫でられるに任せる。その夜は、彼の穏やかな愛撫に身を委ね、メイナードは安らかに眠りに落ちた。
王宮の奥深く、厳重に結界が張り巡らされた秘密の小部屋。この部屋の存在を知るのは、長年王宮を隅々まで掌握する王太子その人のみ。石造りの壁の向こう、複雑な手順でしか開かない扉のその先には、魔道具で撮影された絵姿が、所狭しと並んでいた。
オスカーはそこに、新たな絵姿を加えた。巨大な獣に犯され、無惨に蹂躙された愛しい恋人。そして自分のものを咥え込んでヒクヒクと締め付ける、最愛の恋人。最新のコレクションは、彼を大いに満足させた。当然そこには、先日酒場で撮影されたものも飾られている。書棚には、飾りきれない絵姿を収めたアルバム、そして記録が収まっている魔石が。魔石には、絵姿だけでなく、音声や動く画像も収められている。
ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ。
オスカーは魔石の一つを、大きな水晶の台座に嵌め込んだ。すると水晶には、気を失ったメイナードがオスカーに激しく突き入れられている様子が映し出される。
「はぁ…メイナード、君は最高だ…」
自身の肉棒を扱きながら、彼はうっとりと恋人の痴態を楽しんだ。
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