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5 暗雲
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椎葉に抱かれたのは事実だ。返事に困っていると、今度は耳をぺろりと舐められた。
「甘い香りだ」
桐ケ谷が低く呟く。
(やっぱり……、ヒート?)
こんなイレギュラーな時期にヒートを起こすなんて、初めてだ。そして、桐ケ谷がこんな風に誘発されたのも……。
チャンスだ、という考えが脳裏をよぎる。卑怯なのはわかっていた。桐ケ谷は、ただオメガのフェロモンに当てられているだけだ。自分を好きなわけではないのはわかっている。それでも純は、彼に抱かれる機会を逃したくなかった。
(桐ケ谷さんが、好きだから……)
桐ケ谷の手が、純の胸の突起を捕らえる。優しく撫で上げられて、純は耐えきれず喘いだ。
「あっ……、あんっ……」
「嘘だろう? ここも、未開発か……?」
ぎゅ、っと力強く乳首をつままれる。押し潰すようにこねくり回されれば、下半身には一気に熱が溜まっていく。服の上からでも顕著な純の変化を目にして、桐ケ谷はくすりと笑った。
「もうこんなにして……」
嘲るような言葉と共に、桐ケ谷は純の下衣に手をかける。あっという間に下着ごと脱がされて、純は急に動揺し始めた。これまで、彼に発情期の疼きを慰めてもらったことはある。だがこんな風に、むき出しの全身をさらすのは初めてだった。
(恥ずかしい……)
かつてモニターで見ていたミヤビは、裸身も美しかった。それに桐ケ谷のことだ、きっと他にも、綺麗なオメガたちを相手にしてきたに違いない。純は、自分の貧相な裸をさらすのがいたたまれなくなってきた。
「華奢だな……。壊れ物みたいだ」
だが桐ケ谷は、意外にもそう呟いた。え、と思う間もなく、脚を広げられる。ぱくりとそれを咥えられて、純は思わず悲鳴を上げた。
「ひゃぁっ」
色気のない反応と思ったのか、桐ケ谷の顔に笑みが浮かぶ。口淫も、純にとっては初めての経験だ。ガサ入れの時の妙な客を除いて、どの客も自分が快楽を得ることに夢中だった。オメガを喜ばせようだなんて、誰も考えていなかったのだ……。
「あっ……、ああっ……」
桐ケ谷の熱い舌が、純の昂ぶりに絡みつく。いやらしい動きで良い所を刺激されれば、たまったものではない。あっという間に、限界が近づいてくる。
「――ああっ――……!」
激しく全身をけいれんさせて、純は達した。一拍遅れて、桐ケ谷の口内に放ってしまった、と気づく。はっと見上げれば、桐ケ谷は嚥下しているところだった。ぺろり、と口の端を舐める仕草は淫靡すぎて、でも彼には似合っていた。
「何もかも初めてか。初々しいな」
呆然とする純を見て、桐ケ谷が微笑む。
「なら、もっと気持ち良くしてやる」
「甘い香りだ」
桐ケ谷が低く呟く。
(やっぱり……、ヒート?)
こんなイレギュラーな時期にヒートを起こすなんて、初めてだ。そして、桐ケ谷がこんな風に誘発されたのも……。
チャンスだ、という考えが脳裏をよぎる。卑怯なのはわかっていた。桐ケ谷は、ただオメガのフェロモンに当てられているだけだ。自分を好きなわけではないのはわかっている。それでも純は、彼に抱かれる機会を逃したくなかった。
(桐ケ谷さんが、好きだから……)
桐ケ谷の手が、純の胸の突起を捕らえる。優しく撫で上げられて、純は耐えきれず喘いだ。
「あっ……、あんっ……」
「嘘だろう? ここも、未開発か……?」
ぎゅ、っと力強く乳首をつままれる。押し潰すようにこねくり回されれば、下半身には一気に熱が溜まっていく。服の上からでも顕著な純の変化を目にして、桐ケ谷はくすりと笑った。
「もうこんなにして……」
嘲るような言葉と共に、桐ケ谷は純の下衣に手をかける。あっという間に下着ごと脱がされて、純は急に動揺し始めた。これまで、彼に発情期の疼きを慰めてもらったことはある。だがこんな風に、むき出しの全身をさらすのは初めてだった。
(恥ずかしい……)
かつてモニターで見ていたミヤビは、裸身も美しかった。それに桐ケ谷のことだ、きっと他にも、綺麗なオメガたちを相手にしてきたに違いない。純は、自分の貧相な裸をさらすのがいたたまれなくなってきた。
「華奢だな……。壊れ物みたいだ」
だが桐ケ谷は、意外にもそう呟いた。え、と思う間もなく、脚を広げられる。ぱくりとそれを咥えられて、純は思わず悲鳴を上げた。
「ひゃぁっ」
色気のない反応と思ったのか、桐ケ谷の顔に笑みが浮かぶ。口淫も、純にとっては初めての経験だ。ガサ入れの時の妙な客を除いて、どの客も自分が快楽を得ることに夢中だった。オメガを喜ばせようだなんて、誰も考えていなかったのだ……。
「あっ……、ああっ……」
桐ケ谷の熱い舌が、純の昂ぶりに絡みつく。いやらしい動きで良い所を刺激されれば、たまったものではない。あっという間に、限界が近づいてくる。
「――ああっ――……!」
激しく全身をけいれんさせて、純は達した。一拍遅れて、桐ケ谷の口内に放ってしまった、と気づく。はっと見上げれば、桐ケ谷は嚥下しているところだった。ぺろり、と口の端を舐める仕草は淫靡すぎて、でも彼には似合っていた。
「何もかも初めてか。初々しいな」
呆然とする純を見て、桐ケ谷が微笑む。
「なら、もっと気持ち良くしてやる」
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