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156 一歩一歩、例え亀の歩みでも 後編

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子供の頃、“彩歌は将来、何になりたい?”と両親によく聞かれた。
私の将来の夢はその時その時でコロコロと変わって、父や母は“やりたい事が沢山あるのはいい事だよ”と笑っていた。

マティアスは生まれた時から皇帝になる道が決まっていた。
リュカもヴァレも、貴族の長子に生まれたから父親の跡を継ぐ道が決まっていた。
カイルは弟のアレク様に跡継ぎを譲ったけれど、これは異例の事だとマティアスは言った。
カイルもまた、自分の容姿や言葉の拙さ、色々迷惑をかけてしまうという思いで騎士を選んだのだ。
狭い、とても狭い選択肢の中でカイル自身や家族にとって最善のものを選んだ。
王族に貴族、その長子に生まれた彼らの人生の選択肢は少ない。
それに加えこの世界で嫌悪される容姿で生まれた事もあって、マティアスたちが選べる選択肢は極端に狭まった。
そしてそれは、容姿の差別を受けずとも何かしらの差別を受けている人たちも同じく。
したい事、やりたい事、なりたい職業など考えもしない日々を、彼らは生きているのだ。
笑われるのも見下されるのも、嫌な視線や言葉を投げ掛けられるのも、ただただ仕方ないと諦めながら。


「ヒルダ、ラスティ。戻りましょう。」

「もう宜しいのですか?」

「ええ。皆と話したらすっきりしたの。
…サイ君、メル君、ビーちゃん。皆も話を聞かせてくれてありがとう。」

今日、この孤児院に来て良かったと心から思う。
色んな話を聞いて、考える事が沢山あった。

「ねぇマティアス。
マティアスもリュカも、ヴァレもカイルもお義父様も、皆私を幸せにしてくれる。守ってくれる。でも、私は。」

これまで私が知らない所で私は沢山守られてきた。
マティアスと結婚して知らなかった事を知る事も沢山あった。
リュカにヴァレ、カイルが私と結婚するには色々な困難がある事。
その困難を、各々が乗り越えた事。
リュカは公爵となって益々精力的に。その地位を確固たるものへ。ヴァレはお父様の跡を継ぐまでにまだまだ時間がかかるからその代わりとなる身分を。自らディアストロ伯爵家の跡継ぎを蹴ったカイルもまた、レスト帝国の国母になった私の身分に近付く為の権力を手に入れた。
出会った頃の彼らは痛々しい程の傷を抱え、傷付いてボロボロだった。
それが、今は堂々として見える。
心の奥ではまだ、傷を抱えているだろう。
ふとした時に辛い気持ちを思い出す事もあるだろう。
それでも前を向いて、ひた向きに努力を重ね強さを手に入れたのだ。
対して私はどうだろう。月光館にいた時と対して変わっていないのではないか。
皆が眩しく見える瞬間が多々ある。
凄いと尊敬する場が多々ある。
釣り合っていないのは私の方だ。彼らは素晴らしい男性たち。尊敬すべきひとたち。
ならば私も、彼らに釣り合うように強くならねばなるまい。
強く、私自身を成長させなくてはきっといつか、私は皆を失ってしまう気がする。
皆との差をいつも感じるようになって、勝手に疎外感を感じて、距離を感じて、悩んで、皆といるのが辛くなって、自分勝手に皆を傷付け、自ら手放してしまうような気がした。
それは絶対にないとは言えない未来。
自分の性格は自分が一番よく分かっている。分からない事もあるけれど。
これまでの私の事、これまでにあった事を思い出し考えるとその片鱗はあった。
愛する人たちを自ら手放す馬鹿な真似だけはしたくない。

「お待たせして申し訳ありません。」

「お、王妃殿下、…あの、先ほどは」

「どうか気になさらないで下さい。
貴女のせいではありません。」

「で、でも、」

「聞きたいと言ったのは私ですよ。
貴女は何も悪くない。
…それから…この国の王妃として…お詫び申し上げます。」

頭を下げると、その場では悲鳴が起こった。
お止め下さいと言う沢山の言葉。
侍女や護衛の騎士たちからは混乱した声が。
何故、とは思わない。悲鳴も混乱も当然の事だと理解しているのだから。

「生きる資格はないのかと、先程言いましたね。」

「!?は、はい、…いえ、申し訳ありません…!ご不快にさせてしまって、」

「ええ、不快でした。
ですがそれは、あなたたちにではありません。」

「え…?」

「理不尽さに、腹が立ったのです。
それと同時に…自分の不甲斐なさにも。
先程、子供たちとも話をしました。
私は子供たちに将来、何かしたい事はあるか、やりたい仕事はあるか。夢を聞きました。」

「…夢…?」

「貴女は私に、家族と普通に、笑って過ごしたいと言いましたね。
そしてこの孤児院に救われるまでは、変わらない生活をしていたとも。」

「……。」

「差別は悲しい。腹立たしい。それを知っているのに、これまで動かなかった。
こうしたい、差別を少しでも無くしたいという希望だけ夫たちに話して、決意だけを話して、進んでいなかった。
伝えたものの、どう行動していいか思い浮かばず…その内思い付くだろうと安易に思っていたのです。」

明日考えよう。また次に考えよう。
そうやって結局、何も行動を起こさない日々が過ぎていく。
忙しさを理由に、後回しになっていく。

「綺麗事を言いますが、私は…皆が自由に人生を選択出来るようになって欲しい。
なりたいもの、やりたい事、将来の夢。
それがある程度叶う世の中になって欲しいと、そう思っています。」

「……。」

「人生は思い通りにいかない事が多くて、望み通りにもならない。
その中でも、自分の努力次第で叶う願いが、夢があるように。全ての人たちにそうあって欲しい。
その為にまず、上の立場である私に出来る事がある。」

私には立場がある。権力がある。お金がある。これだけの武器があるのだから、出来る事は当然あったのに、難しく考えるから駄目なんだ。
考えた所でどうなるかなんて分からない。
やってみないと何事も分からないのだから。


「私の夫、陛下は人から嫌悪される容姿です。私の婚約者である三人も、そして私の義父も。万人には受け入れられない容姿をしています。
今日、私と共にこの場に来ている侍女も、他人からだけでなく身内から色んな事を言われてきた人たちです。
だけど、周りがどう思おうと私は心から愛し、慕っています。容姿だって、私には魅力的に映る。」

「…妃殿下、」

「容姿が何だと言うの。貧しいから、女だから、この職業についているから。それが何だというの。
だけどこの国の…いいえ。この世界の多くの人たちが差別を当たり前としている。弱者を虐げて当然だと思っているのが悲しくて、腹立たしい。」

もっとよく見てほしい。
醜い容姿だから何だと言うの。マティアスも皆も尊敬すべき人。お義父様は最高のお義父様。
娼婦だから何だと言うの。
私は月光館が大好きだ。月光館にいるオーナーは素晴らしい店主で、お姉様たちは勇敢で、仲間たちは家族だ。
親がいないから何だと言うの。
孤児院にいるから何だと言うの。
ここにいる子供たちはあんなにも優しく素晴らしい子ばかりじゃないか。

「サイ君もメル君も、ビーちゃんも。他の子供たちだってあんなに優しい。
この孤児院の皆の事を思って、自分たちに何が出来るか一生懸命考えて、行動してる。
皆で協力して、助け合って、分かち合って。素晴らしい子たち。」

そんな素晴らしい子たちを、笑う大人がいる。
いいや、きっと彼らもまたずっと続いているものを当たり前としているから。
子供だった頃に祖父母や両親、周りの大人たちの言葉や態度を見て育ってきた。
そして、差別を当たり前だと認識したのだ。

「仕方ないと思わないで。諦めたりしないで。声を、出して伝えて欲しい。
私は、この国の国母として…差別や格差が当たり前の認識を少しでも変えていきたい。
愛する人たちが、大好きな人たちが今より生きやすくなるようにしたい。
だけど私一人の力では変えられないんです。
差別を当たり前と思うその気持ちを変えるには、多くの声が必要なんです。」

「王妃殿下…、」

「当たり前にあったものを変えるにはとても長い時間がかかるでしょう。
子供や孫の代になっても変わらないかもしれない。だけど、行動しなければ変わらない。行動し続ければ、未来の私たちの子の代で、きっと今ある当たり前が崩れるとそう信じています。
だから仕方ないと諦めないで。周りの、差別を当たり前に考える人たちが恐ろしいというのなら、こう言いましょう。」

私には権力がある。地位がある。
この大国、レスト帝国の国母という大きな権力が。

「私が、貴女たちの傍にいます。」

私の愛する人たちが、大好きな人たちが今より幸せになれますように。
弱い立場に生まれた者が今より生きやすい世の中になればいい。
人生は望む通りにはいかないけれど、誰かの願いが努力次第で叶う、そんな世の中に少しでもなって欲しい。

「どうか差別を当たり前と思わないで。
仕方ないと諦めないで。
差別は悲しいことです。辛く、理不尽で腹立たしいことです。
当たり前にあっていいものじゃない。
だから声を上げて。沢山の声が必要なんです。」

沢山敵を作ってもいい。
これから誰かに恨まれ、嫌われたとしても別にいい。
私の傍にマティアスが、リュカが、ヴァレが、カイルが、お義父様がいる。
月光館の皆、クライス家の皆、私の侍女になってくれた皆がいる。
心強い味方を持つ私が、弱い立場で理不尽に耐えている人たちの傍にいるのだ。

「…差別のない、世の中に…」

「そんな事が本当に…?」

「その為なら、私は惜しむ事なく権力を使います。
差別を当然とする人たちを変えるには差別を受ける人たちが声を上げる事から始めなくてはならない。
そうでなければ、彼らは人の痛みや苦しみを知る事もないと、そう思うのです。」

戸惑い、不安そうな顔の大人たち。
これまで沢山の嫌な視線や言葉を受けてきたその苦しみや痛み、恐怖に立ち向かうのは簡単な事じゃない。

「陛下は、この孤児院に来る事を拒みました。自分の容姿は子供たちが怖がるだろうと。
…今日、ここに来た侍女たちも…同じ事を言っていました。
子供たちが怖がらないかと。
それでも彼女たちは私の侍女だから、共に来ています。」

「……。」

「皇帝だろうと貴族だろうと、人に傷付けられている。差別を受けている。
隠しもしない態度で、視線で、言葉で沢山傷付いているんです。それは身分関係なく、等しく。
そして陛下も私の婚約者たちも、それを仕方のない事だと思っていた所がある。皆もそうよね?」

「…仰る通りです。」

「わたくしたちの容姿は、世間から嫌われる容姿。他人からだけではなく、家族からもそう言われ続けていましたわ。部屋から出るな。決して人に姿を見せるな。これでは嫁ぎ先もない。役に立たない家の恥だと、何度も。それを、こんな容姿に生まれたから仕方がないと、そう思っていましたの。」

「…そうねぇ…。言われ続ける内に、それが真実で、事実だって、思ってしまうのよねぇ…。」

「…私の家族は、逆に過保護なくらいでした。私が傷付くと、屋敷から出さないようにしていました。この職も、どうしてもと両親を説得して……本当に苦労しました。」

「そうだな。城に勤めてからも辛いのはこの容姿だから当然だと思っていました。仕方ないと思っていました。全部、自分がこんな容姿に生まれたのが悪いんだって。」

「仕方なくない。当然じゃない。
当たり前に誰かを傷付けて、虐げていい世の中なんて間違ってる。私は、そう思う!」

「ええ。…妃殿下に出会った今は…馬鹿げた話だと思っています。
妃殿下は私たちを一人一人、容姿でも家柄でもなく、個人として見て下さいます。偏見に囚われず、しっかりと個人を評価して下さる方です。」

「そうですわね。
わたくしも、妃殿下に出会ったお陰で人から必要とされる喜びを得たのですわ。必要ならばわたくしの家の名も惜しみ無く使いましょう。」

「妃殿下が世の中を変えたいと望まれるならぁ、私も家の権力を使うわぁ。
亡くなった両親は兎も角爵位を継いだ兄はぁ…私をちゃんと妹として扱ってくれる人だものぉ。」

「私の家も協力してくれます。
過保護なのは今も変わりませんから。
それに…両親は妃殿下に感謝しておりますから、諸手を挙げて協力してくれるでしょう。」

「私の家は無理だが親族が力になってくれるだろう。
叔父も、醜い容姿と呼ばれる人間だ。」

「私たちの言葉を信じなさい。私たちの信じる、敬愛する妃殿下を信じなさい。
私たちは皆、他人や身内から蔑まれてきた人間です。
そして、私、ヒルダ・ターライトはターライト侯爵家の人間として妃殿下にお力添え致します。」

ヒルダたちの言葉に背を押されたのか、その場にいた大人たちが互いを見やり、小さく頷く。

「…望んでも、いいのでしょうか。
平穏に、普通に生活したいと。
悲しいと、苦しいと声を出していいのでしょうか。」

「出して下さい。差別される痛みも苦しみも、仕方ないと我慢する事などありません。」

「…子供たちが少しでも、いい時代を送れるなら…。」

「ええ。尽力すると約束します。
人には沢山の可能性がある。知らないだけで、学んでいないだけで。皆さんもそうです。」

「……。」

「将来なりたいもの、やりたい事を考えた事がないと子供たちは言いました。
考えてみて、と言うと子供たちから色んな夢を聞けました。
その時に、思ったんです。」

環境が人を育てる。お義父様の言葉通りだ。
子供たちが優しい子ばかりなのはこの孤児院で暮らしているから。
周りを思いやり、助け合い、分かち合いながら懸命に生きているのも、この孤児院の環境が素晴らしいからだ。

「文字の読み書きが出来れば。計算が出来れば。貴族で習う教養を身に付ければ選択肢は増える。それはほんの少しかも知れないけれど、可能性が広がるんじゃないか。
本来私たち身分や権力がある人間はその手助けをしなくちゃってならない存在だと、そう強く思いました。」

「そ、それは…!」

「貴族と平民。身分の差はあれど、平民だからと馬鹿にするのは違う。
学ぶ機会さえ、知識を得る機会さえ、経験する機会さえあれば誰しも可能性を秘めている。
可能性を広げる事はあたなたちの為にもなって、国の為にもなる…と、思うの。」

例えばだ。
これまで学ぶ機会がなかった人たちが学ぶ機会を得たとして。その中で計算が得意だとか、何かしらの才能を開花させる人がもしかしたらその才能を買われてお城で仕事をするかも知れない。

騎士がそうだ。元々騎士は貴族の男子しかなれなかった職業で、だけど才能ある人が兵士から騎士になる…そういう改革がマティアスによって行われたとカイルから聞いた時は本当に驚いた。
だって、日本でだって年齢や勤続年数、年功序列ではなく能力で判断するようになったのは割りと最近の事だ。
今でも年功序列で役職が決まる会社はまだまだ多い。
医師不足を懸念した育成改革の事も健康診断的な事もそうだ。
マティアスの頭は一体どうなっているのだろうかと何度も思った事がある。

何故貧しいか。生まれた身分の違いもあるだろう。貴族の家に生まれても貧しい家もある。
だけど一番はきっと、環境が変わらないからだと思う。
住んでいる場所の自然的な環境も当然ある。
私が考えるのはそういった天災だとか自然環境からくる事ではなく、人為的なものだ。
学ぶ事もない、ただ生きる為に毎日生活している家があるとする。
親が年老いて死んでも、環境は変わらない。親から子へ、子が大人になり親になり、また子へと繰り返す。差別と同じだ。
環境が変わらないから、変え方も分からないから同じ事が続いていく。
生活は変わらず、やる事も変わらず。そうして続く連鎖がある。

「王族に生まれるか貴族に生まれるか、平民に生まれるか。その生まれはどうにもならない事かも知れない。貴族には勉学を、教養を学ぶ機会があって、一般の多くの人たちにはそういった機会がない。
それは学びたくとも教えてくれる人がいなくて学べないというのもあるだろうし、生活するのが精一杯だからという人もいる。でも、選ぶのは自由でいい。」

学びたい人には学びを。
生活を優先させたいのならそれでいい。
その環境を自分で選べるように、その手助けが私は出来る。私の立場なら。
それで改善される差別もまたあるだろう。

「…王妃殿下、厚かましいお願いとは存じますが…どうか、その機会を私たちにお与え下さい…!子供たちが少しでも、希望ある人生を歩めるように…!
それが、大人の私たちの、責任ではないでしょうか…!」

「ええ。約束します。だから今暫くの間、待っていて下さい。戻り次第、陛下に私の気持ちや考えを伝えます。」

孤児院を後にした私は、今日の出来事を早速マティアスに報告した。
貧しい人たちが何故貧しいかという私なりの考えと、だからこそ学校という学びの場を作りたいと伝えた。


「利己的な貴族たちから猛反対を受けそうな案件だな。」

「それでもやりたい。
お金なら月光館内で働いたお金も全然使ってないからそこから出して、教師…に関しては私が行ける時は行って、誰かにお願いもしないといけないんだけど…。」

「反対しているのではない。寧ろ良い考えだと思っているんだ。」

「…本当?」

「ああ。…俺の手では出来る事が限られているからな。国を変えていきたいと思っているがまだまだ守る、維持する事で精一杯だ。豊かにしようと手を付けるにはまだ時間が掛かる。
…だが、そなたが手伝ってくれるなら同時進行が出来る。」

「それは…私の判断でやっていいってこと?」

「そうだ。そなたは皇帝である俺の唯一の妃。俺の次に力ある存在だ。
だが一つだけ問おう。
サイカ。人から恨まれる覚悟はあるか。」

「……。」

「貴族たちは多くが利己的だ。
平民を見下し、蔑む存在と捉えている者も多いのが事実。
貴族たちが見下し蔑むその平民の味方になろうとするそなたを良く思わぬ者は多いだろう。
下手をすれば自分たちを脅かす存在が現れるかも知れんからな。
それでも、そなたは険しい道を進むか?」

「うん。やります。」

「…本気だな?」

「マティアスに言われた事ね、考えたの。私を恨む人は絶対いるだろうって、考えた。
でも、それでもやりたい。覚悟してる。」

だって、これはマティアスたちを幸せにする為に必要な事だから。
愛する人の為なら、大好きな人たちの為なら、沢山の人たちに恨まれても嫌われてもいい。
だけどそれは伝えない事にした。だって、マティアスたちの為にって伝えたら恩着せがましい気がして。
私が勝手にしたいだけ。私が勝手に、マティアスたちを幸せにしたいだけ。マティアスたちにうんと幸せになって欲しいと願ってるだけだから。


「…そうか。なら…これだけは言っておこう。」

「?」

「存分にやれ。遠慮せず、臆すことなく挑め。
サイカ、そなたの隣には俺や皆がいる。安心せよ。」

知ってるよ。と私はマティアスに抱き付く。
私の傍にマティアスが、リュカが、ヴァレが、カイルが、お義父様が。
これまで出会った大好きな人たちが付いているのだからとても心強い。思う存分、遠慮なくやってみようという気持ちしかない。
恐れも、不安もなかった。
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