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王都までの道のり 2

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お腹いっぱいになり、慣れない、というか初めての馬車での旅で疲れたのだろう。

珍しくうとうとして、ヒューズに寄りかかっている。
ルカは半ば意識がなく、このままでは寝落ちると分かって、一足早くテントで寝かせることにした。

「そのまま休んで良いぞ」
「分かった。すまない。ほら、ルカ、テントに行くぞ」
「・・・・・・ん・・・」

ヒューズに抱き上げられてもぞもぞと抱きつくルカは無意識なのだろう。
この二月ほどでだいぶ甘えるようになってきた。

保護した当初はまだまだ遠慮がちで、人前で甘えることもほとんど無かったが、心の奥で抑えていた気持ちが少しずつ無意識に出るときが増えて。

特に寝惚けているときが一番凄い。
ヒューズが最初、撃沈していたな。

おそらくこの後も無意識故の可愛いお強請り甘えが待っているだろう。

頑張れ、ヒューズ。
ここが野営地なのを忘れるなよ!


「我々も後片付けをして休むか。皆、すまないが夜番を頼むぞ」
「お任せ下さい」
「俺も夜番に加わろうか?」

ダグラスが提案するが、却下だ。
お前はルカの護衛なのだからな。

「分かってるよ、伯父上。片付けを少し手伝ってから休むから先にテントに行ってて」

結局なんだかんだ言って騎士団の副団長だからと後片付けの手伝いをし始めたダグラスを横目に自分は先にテントに戻る。


明日は王都の手前にあるリリスの街で一泊予定だ。

大騒ぎにならないと良いが・・・。

明日泊まる予定の街では、私の友人でその街の領主であるタイラー子爵の邸に泊めて貰う事になっている。

直前でさすがに宿を一つ貸し切ることは難しかったからな。

タイラー子爵も度々私を泊めてくれているので急なお願いだったが快く引き受けてくれて助かった。

しかし詳しい事情を話していないので、明日はビックリするだろうな。・・・スマン。


やがて片付いたのかダグラスもテントに戻り、辺りも焚き火の弾ける音のみになった。

「伯父上、明日の予定は」
「滞りなく進めれば夕刻の早い時間にはリリスに着く。ルカも不慣れな旅で疲れているから、ベッドでゆっくり休ませられるな」
「・・・ヒューが休ませてやれるか心配だが・・・」
「・・・・・・」

お互い無言で溜息を吐く。
ことルカに関することではしょっちゅう暴走するアイツに苦笑する。

「アイツがあんなに変わるとはなあ・・・・・・」
「何が起こるか分からないよね」
「ルカ以外はいつも通りなのにな」
「全くだ」

でもまあ。

「幸せそうだから良いんじゃないか?」
「確かに幸せいっぱいで胸焼けがするな・・・」

今もテントの中で幸せオーラが溢れてそうだ。

「お前も早くいい人見つければ良いじゃないか」
「見つかればこんな苦労しないよ」

苦虫をかみつぶしたように言うダグラスに笑って私達も眠りについた。








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