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王都までの道のり 3
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次の日も順調に進み、日が傾いてきた頃にリリスの街に無事着いた。
否、ヒューズはあまり無事とは言えなかった。
案の定、テントの中で寝惚けたルカにピーな事やピーな事を強請られたようで、耐えるのに必死で寝不足気味だった。
馬車の中でルカに心配されていたが、当人は憶えておらず、ケロッとしているのがまた笑いを誘っていて、ヒューズとルカ以外は含み笑いをしていた。
「---何か?」
ルカが聞いても皆笑って口を濁すばかりだった。
それ以外はほぼ順調に事が運び、現在に至る。
リリスの街の領主であるタイラー子爵が夫人と共に出迎えてくれた。
「ようこそいらっしゃいました。お待ちしておりました、ノースライナ辺境伯殿」
「久しいな、タイラー子爵。今日は急な申し出を受けてくれて助かった」
「イヤイヤなんの、私と卿の仲ではないですか。それにしてもいつもより大人数でどうしたので?」
気の置けない仲のタイラー子爵なら大丈夫だろうと話をする事にした。
「それは中で・・・取りあえず挨拶を。ヒューズ、こちらへ」
「はい、父上。・・・ルカ、足元に気を付けて」
「ありがとう、ヒューズ」
そういって馬車から降りたルカにポカンとする子爵家の面々。
使用人も呆気にとられて頭を下げるのを忘れて固まっていた。
「ごぶさたしております、ヒューズです。こちらはミドウ・ルカ。私の妻です」
「初めまして。ノースライナ・ミドウ・ルカと申します。少し前にヒューズと婚姻しました。よろしくお願い致します」
「---ということなんだが、大丈夫か? タイラー卿」
挨拶にも固まってしまい、イライアスが声がけをするが、暫く微動だにしなかった。
「---やっぱり、僕、迷惑だったかな」
「そんなことはない。びっくりしただけだよ」
「・・・そう?」
ルカが戸惑っているがヒューズに宥められて少しホッとしたようだ。
「---は、す、すまない! タイラー・エドワード子爵と申します。あの、こちらこそよろしくお願い致します。私の事はエドワードと。あの、ルカ殿と呼んでも?」
「はい、よろしくお願いします、エドワード殿」
当主のエドワードが復活したのに合わせて使用人も動きだす。
屋敷の中へ案内される。
護衛の騎士達は賓客用の別館へ案内されたようだ。
この後晩餐会が開かれ、騎士達は別館で別に食事をとるらしい。
いったんサロンへ通されてお茶を頂く。
ヒューズはルカとソファへ座り、隙間なくくっ付いていた。
信じられないモノを見る目で凝視していたタイラー夫妻だが、視線をイライアスに移すと、一言断ってから防音の魔法をかけた。
「---どういう事だ?」
気安い間柄なのだろう。防音をしたのでだいぶ砕けた口調に切り替わった。
しかし声音も顔もまだ動揺が窺える。
「まだ他言無用で頼む。実はな、王に謁見する事になったのだが、その理由が彼・・・ルカなんだ」
「・・・まさかと思うが」
「そのまさかだ。ルカは稀人なんだ。噂が王の耳に入ってな、今回その確認で召喚されたんだ」
「どうせ呼ばれるならいっぺんに済ませようとルカが言うので連れて来たわけだ」
視線を向けられたルカは営業用スマイルでにっこり笑った。
「---狙われるぞ?」
「だからさっきも言ったようにヒューズの妻になった。そもそも相思相愛だけどな。アルカエラ神からも祝福されているから引き離されたりしたらどうなるか・・・」
「---はあ?!」
「ルカはアルカエラ神の愛し子でもある」
「・・・・・・まてまて、情報過多!」
エドワードもエドワードの妻も頭が追いつかずに難しい顔をしている。
「とにかく、謁見が終わったらまた泊まらせて貰うことになるだろうから、よろしく頼むよ」
イライアスが軽く言ったが、エドワードは夜にでも詳しく聞きに来るだろう。
それでいい。
取りあえずはルカをゆっくり休ませたい。
否、ヒューズはあまり無事とは言えなかった。
案の定、テントの中で寝惚けたルカにピーな事やピーな事を強請られたようで、耐えるのに必死で寝不足気味だった。
馬車の中でルカに心配されていたが、当人は憶えておらず、ケロッとしているのがまた笑いを誘っていて、ヒューズとルカ以外は含み笑いをしていた。
「---何か?」
ルカが聞いても皆笑って口を濁すばかりだった。
それ以外はほぼ順調に事が運び、現在に至る。
リリスの街の領主であるタイラー子爵が夫人と共に出迎えてくれた。
「ようこそいらっしゃいました。お待ちしておりました、ノースライナ辺境伯殿」
「久しいな、タイラー子爵。今日は急な申し出を受けてくれて助かった」
「イヤイヤなんの、私と卿の仲ではないですか。それにしてもいつもより大人数でどうしたので?」
気の置けない仲のタイラー子爵なら大丈夫だろうと話をする事にした。
「それは中で・・・取りあえず挨拶を。ヒューズ、こちらへ」
「はい、父上。・・・ルカ、足元に気を付けて」
「ありがとう、ヒューズ」
そういって馬車から降りたルカにポカンとする子爵家の面々。
使用人も呆気にとられて頭を下げるのを忘れて固まっていた。
「ごぶさたしております、ヒューズです。こちらはミドウ・ルカ。私の妻です」
「初めまして。ノースライナ・ミドウ・ルカと申します。少し前にヒューズと婚姻しました。よろしくお願い致します」
「---ということなんだが、大丈夫か? タイラー卿」
挨拶にも固まってしまい、イライアスが声がけをするが、暫く微動だにしなかった。
「---やっぱり、僕、迷惑だったかな」
「そんなことはない。びっくりしただけだよ」
「・・・そう?」
ルカが戸惑っているがヒューズに宥められて少しホッとしたようだ。
「---は、す、すまない! タイラー・エドワード子爵と申します。あの、こちらこそよろしくお願い致します。私の事はエドワードと。あの、ルカ殿と呼んでも?」
「はい、よろしくお願いします、エドワード殿」
当主のエドワードが復活したのに合わせて使用人も動きだす。
屋敷の中へ案内される。
護衛の騎士達は賓客用の別館へ案内されたようだ。
この後晩餐会が開かれ、騎士達は別館で別に食事をとるらしい。
いったんサロンへ通されてお茶を頂く。
ヒューズはルカとソファへ座り、隙間なくくっ付いていた。
信じられないモノを見る目で凝視していたタイラー夫妻だが、視線をイライアスに移すと、一言断ってから防音の魔法をかけた。
「---どういう事だ?」
気安い間柄なのだろう。防音をしたのでだいぶ砕けた口調に切り替わった。
しかし声音も顔もまだ動揺が窺える。
「まだ他言無用で頼む。実はな、王に謁見する事になったのだが、その理由が彼・・・ルカなんだ」
「・・・まさかと思うが」
「そのまさかだ。ルカは稀人なんだ。噂が王の耳に入ってな、今回その確認で召喚されたんだ」
「どうせ呼ばれるならいっぺんに済ませようとルカが言うので連れて来たわけだ」
視線を向けられたルカは営業用スマイルでにっこり笑った。
「---狙われるぞ?」
「だからさっきも言ったようにヒューズの妻になった。そもそも相思相愛だけどな。アルカエラ神からも祝福されているから引き離されたりしたらどうなるか・・・」
「---はあ?!」
「ルカはアルカエラ神の愛し子でもある」
「・・・・・・まてまて、情報過多!」
エドワードもエドワードの妻も頭が追いつかずに難しい顔をしている。
「とにかく、謁見が終わったらまた泊まらせて貰うことになるだろうから、よろしく頼むよ」
イライアスが軽く言ったが、エドワードは夜にでも詳しく聞きに来るだろう。
それでいい。
取りあえずはルカをゆっくり休ませたい。
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